iPod
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メモ機能を利用して、簡単なgames(ゲームズ)[8]をiPod上で楽しんだり、restaurant information(リストラント・インフォメーション)[9]を入れておいたりといった使い方がされていた。

第5世代は当初第3世代および第4世代同様の4つのゲームが添付されているのみだったが、2006年9月12日に公開されたiPodソフトウェア1.2から、iTunes Store(アイチューンズ・ストア)からダウンロード購入したゲームを追加できるようになった。ゲームは1タイトル600円である。具体的にはiPodのゲームタイトル一覧を参照のこと。

iPod classicおよびiPod nano(第3世代)には以下の3つのゲームが含まれるほか、iTunes Storeからダウンロード購入したゲームも追加できたが、2011年10月に取り扱いを終了している[10]。VortexとiPod Quizは第5世代iPod向けにiTunes Storeからダウンロード販売されているものである。
Vortex(ボーテックス)
360°型のブロック崩しゲーム。クリックホイールを使って行う。
Klondike(クロンダイク)
カードゲーム。上記「Solitaire」の強化版。
iPod Quiz(アイポッド・クイズ)
クイズゲーム。上記「Music Quiz(ミュージック・クイズ)」の強化版の他、海外芸能・音楽理論についてのカルトクイズ等含まれる。ただし「Music Quiz2(ミュージック・クイズ・ツー)」以外は英語版のみ。

iPod touchはファームウエア2.0以降でiTunes storeのApp store(アップ・ストア)からゲームやそのほかのアプリケーションを入れることが可能である。
ハードウェア

iPodのデータ転送は、かつて販売されていた全てのモデルにおいて高速USB 2.0、そして転送速度は遅いがUSB 1.1に対応している。

第2世代iPodまではFireWire(ファイアーワイアー)のみに対応、第3・第4世代のiPodとiPod miniはUSBおよびFireWireに対応をしていたが、第5世代のiPodおよびiPod nanoではFireWireは充電専用となり、データの転送を行うことは出来なくなった。なおFireWireでパソコン等と接続すると転送できない旨が表示される。あまり意味の無い裏技として、FireWire端子を持つiPodと接続しても表示される。

iPodの内蔵バッテリへの充電は、コンピュータやiPodACアダプタのFireWire端子(shuffle以外の全モデル)またはUSB端子(第4世代およびそれ以降のモデル)に接続することで行う。Apple社純正のACアダプタは、USB接続に対応するものとFireWire接続に対応するものの2種類のアダプタがある。iPod mini、iPod nanoおよび第3世代以降のiPodは、コンピュータのFireWireまたはUSBポートにケーブルを介して接続する際に30ピン Dockコネクタ を使用する。なおDockコネクタ自体は日本航空電子工業のDD1を用いている。

なお、第1世代のiPod shuffleの充電及びデータ転送はコンピュータやUSBハブのUSB端子を介して行うことができ、接続にはUSB端子に直接差し込むほかに、USB延長ケーブルやiPod shuffle向けに用意されたiPod shuffle Dock(アイポッド・シャッフル・ドック)を用いることもできる。第2世代ではiPod shuffle専用のDockを介し USB 端子へ接続して行う。第5世代以降のiPod touch、第7世代のiPod nanoでは、外部接続端子としてLightningコネクタを使用している。

iPodの第1世代から第3世代には、心臓部であるCPUとして2つのARM 7TDMI(動作周波数90MHz)が使われた。それに対して、後期モデルは同じバッテリー容量でより長時間駆動させるために、CPU使用率に応じて周波数が動的に変化するスピード・チップ(最高周波数80MHz)が使われた。最新の第5世代iPodで使用されているCPUは、ポータルプレイヤー社製のPP5021というデジタルプレイヤー向けのチップである。このチップにはFireWireインターフェイス機能が内蔵されていないが、次期チップであるPP5022ではFireWireインターフェイス機能が内蔵されている。PP5022はPP5020に比べて低電圧低電流で稼働するので、バッテリーでの駆動時間を延ばす事にも寄与することが期待される。

iPodは東芝の1.8インチATAハードディスクドライブが使われ、IDE規格でないコネクターによって接続されている。iPod miniでは日立の1インチ・ハードドライブが、iPod shuffleではIM Flashのフラッシュメモリが、iPod nanoでは8GBモデルが東芝、4GBモデルがサムスン、2GBモデルがハイニックス社のフラッシュメモリがそれぞれ記憶媒体として使われている。

iPodにはケースの中のハードディスクドライブからオペレーティングシステムを読み込む装置に命じるプログラム、ブートローダを含む32MiBフラッシュROMチップが内蔵されている。全てのiPodには、32MiB RAM(第5世代iPodの60GBモデルに限り64MiB RAM)を内蔵している。このRAMの主な用途は、ファームウェアから読み込まれたiPod用のオペレーティングシステムを動作させ、同時に音楽データをキャッシュしてHDDやメモリーからの読み込み回数を軽減し、電池の持続時間を延ばすことである。

第4世代までのiPodは曲の間隔無しに音楽を再生するギャップレス再生機能を搭載していなかったが、第5世代以降のモデルではほぼギャップレス再生に対応した。

既に、携帯型音楽プレーヤー市場では、外部マイクやライン入力からの本格的な生録非圧縮で行えるなど、iPodとの差別化を図った製品が発売されており、そうした製品は、音楽演奏などの収録に活用されている。

iPodの光沢のあるステンレス部分は新潟県東陽理化学研究所(いわゆる磨き屋シンジケートを含む)や台湾のフォクスコンブランドを持つホン・ハイ社などが製造を担当している。ホン・ハイはiPod nanoの製造を行っているが、検査以外は鏡面仕上げを含め全自動であるという。
イヤフォン

すべてのiPodにはiPodのデザイン色に合わせた、白いコードのインナーイヤーイヤフォンが付属しており、この白いイヤフォンはiPodブランドのシンボルとなっている。この影響を受け、白いコードのインナーイヤーヘッドフォンが各社から多数発売されるといった状況になっている。

他社の音質を追求したモデル(ライバルのソニーのウォークマン、東芝のギガビートなど)を除く、比較的廉価な携帯型音楽プレーヤーと似て、iPodに付属するイヤフォンは決して良い音質を実現しているわけではない。iPodは全モデルで一般的にステレオミニジャックと呼ばれる3.5mmイヤホンジャックを採用しているため、プラグ部分が3.5mm規格もしくはそれに変換できるたいていのイヤフォン・ヘッドフォンを使用することができる。一部のサードパーティからは、iPod向けの代替イヤフォンとして白色のイヤフォン、例えば、ソニー社製EX71の白色モデルやエティモティック・リサーチ社製ER-6i、シューレ社のE4c、クリプシュ社のImage S4i White等が販売されている。なお、iPod付属のイヤフォンは左右のコードの長さが同じY型であり、イヤーパッド部分も左右のチャンネルの頭文字の「L」「R」の文字は入っているものの色分けはされていないため、慣れるまで扱いづらいことがある。

iPodなどのデジタルオーディオプレーヤー人気の恩恵を受けて、ゼンハイザー社、シュア社、エティモティック・リサーチ社、アルティメット・イヤーズ社などが販売している、1万円を超えるような高価なイヤフォンの売り上げが好調となっている。

新第5世代iPod、第2世代iPod nano、第2世代iPod shuffleのカラーバリエーション増加後からは、全体が丸みを帯び、音質を向上させた新しいイヤフォンが付属している。

白いイヤフォンを装着している人がすなわちiPodの利用者である、という認識が広まる一方で、米国では白いイヤフォンで音楽を聴いているユーザーからiPodを強奪するという事件が近年しばしば発生[11]しており、死者が出た例もある。

このイヤフォンは日本のフォスター電機が単独供給している。
互換性

2001年10月23日にiPodは発表となった。第1世代iPodはMac OS 9またはMac OS Xが動作するMacでのみ使用できたが、2002年7月17日にAppleはオリジナルのHFS+フォーマットの代わりにFAT32でフォーマットされた内蔵型HDDを持つWindows互換iPodの販売を開始した[12]

Apple社は2003年10月16日にiTunesのWindows版をリリースした[13]。それ以前は、WindowsユーザーがiPodを使うには、Musicmatch Jukebox、ephPod(英語版)またはXPlay(英語版)といったサードパーティ製ソフトウェアが必要だった。iTunesのWindows版が公開されるまでWindows向けiPodには、Musicmatch Jukeboxが同梱されていた。

初代iPodはMacでしか使えなかった。これは、HFS+でフォーマットされた記憶装置をWindowsで認識することが特別な追加ドライバソフトウェア無しには不可能だからである。第2世代はMac用がHFS+、Windows用がFAT32でフォーマットされて出荷された。第3世代はHFS+フォーマットで出荷され、これをWindowsへ接続した場合FAT32フォーマットに初期化するかどうかの確認メッセージが表示される。なお、FAT32フォーマットのiPodをMacに接続して使うこともできる。Macは、FAT32でフォーマットされた記憶装置を認識し、互換性を保ったまま使用できるからである。現在では、旧世代のMacのみに対応しているiPodも、iPod Updaterで復元することで両オペレーティングシステムに対応させる事ができるが、Apple社の保証外動作のため保証は受けられなくなる。

2004年1月8日に、ヒューレット・パッカード社はiPodをベースとしたHPブランド・デジタル音楽プレイヤーの製作のためApple社からiPodのライセンスを受けたと発表した。次の日、当時のヒューレット・パッカード社のチェアマン兼CEOのカーリー・フィオリーナは2004年にコンシューマー・エレクトロニクス・ショーでiPodベースの青色の装置を披露した。この「青色iPod」はApple社の製品ではないが、Apple社製のiPodと全く同等の機能を有しているOEMである。実際に販売されたヒューレット・パッカード社版iPodは青色ではなかったが、本体金属面にApple社のロゴとヒューレット・パッカード社のロゴの刻印がある。2005年8月、「デジタルエンターテインメント戦略に合致しない」ことを理由に販売打ち切りを表明。同年9月末頃に販売を終了したものと見られる。

iPodLinuxプロジェクトはiPodで動作するLinuxARMバージョンの移植に成功している。これはuCLinuxという仮想メモリの扱えない機器類への組み込み用に設計されたLinuxをベースとしており、現在第1世代(スクロールホイール)iPodから第3世代iPodまでをサポートし、公式にはサポートされていないが、第4および第5世代iPod、第1および第2世代のiPod mini、第1世代iPod nano上でも利用できる。macOS及びWindows上からインストールするためのインストーラが利用できる。iPodをマウントできれば他のオペレーティングシステムからでもインストールできる。SourceForge.net内にこのプロジェクトのウェブページ[14]が存在し、多くの関連文書がオンライン上に存在する[15]。同じようなものではRockboxプロジェクトというオープンソース・ファームウェアも存在し、音質向上、多機能化を実現する。現時点でiPod 1世代から5.5世代、iPod mini、iPod nano1世代、2世代まで互換性をサポートしている。iPod Classicは開発中である。これらLinuxやRockboxは設定次第ではマルチブートして併用可能である。そのほかにはゲームボーイおよびゲームボーイカラーに対応したエミュレーターやファミリーコンピュータを動かす技術などが開発されている。


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