Z+(4430) とは、粒子の1つ。D*+中間子とD0*中間子が強い相互作用で結びついた内部構造を有していると推定され、未発見である中間子分子であることが期待されている[1][2]。 Z+(4430) は、2007年に高エネルギー加速器研究機構のBelle実験グループが発見した新たな粒子である[1]。まだ存在が確定していないため、暫定名が与えられている。Zは、同じ質量に存在する別の種類と考えられている未確定新粒子である X(4430) Z+(4430) は、KEKB加速器で電子と陽電子の衝突によって生み出された約6億6000万個のB(±)中間子の崩壊を解析することで発見された。そして、B+中間子がK中間子と未知の粒子に崩壊し、未知の粒子はψ'中間子とπ±中間子に崩壊するパターンが約120例見つかった[1]。解析の結果、約4433MeVという、陽子の約4.7倍の質量を持つ粒子である事がわかり、また+1eに荷電していることから Z+(4430) と名づけられた[2]。 Z+(4430) は、チャームクォークと反ダウンクォーク
概要
性質
構造
なお、BaBar実験グループによる追試では、Z+(4430) およびその反対の電荷を持つ Z-(4430) を発見することは出来なかった[4]。しかし、Belle実験グループは、BaBar実験グループの統計量は十分ではないとして反論しており、今のところ発見を確定する要素も明確に否定する要素もないまま、両実験グループは研究を終了している[3]。
出典[脚注の使い方]^ a b c d ⇒Observation of a resonance-like structure in the pi^+- psi' mass distribution in exclusive B-->K pi^+- psi' decays arXiv
^ a b c d ⇒Belle実験で新種の中間子を発見 高エネルギー加速器研究機構
^ a b ⇒格子QCDによるハドロンの散乱と共鳴 KEK 大型シミュレーション研究
^ ⇒Search for the Z(4430)^- at BABAR arXiv
関連項目
中間子分子
テトラクォーク
D中間子
X(3872)