2005年11月にセコイア・キャピタルから350万米ドルの出資を受け、YouTubeは2005年12月15日から正式なサービスを開始した。正式サービスの開始当時、1日の動画再生回数は約800万回だった[20][21]。YouTubeは急速に成長し、2006年7月の発表では、1日に6万5000本以上の新たな動画がアップロードされており、1日の動画再生回数は約1億回であるとされた[22]。
アメリカでは、2005年12月頃にNBCの人気テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』がアップロードされていたことからブログなどで話題になり[23]、2006年上旬にはYouTubeの映像をブログなどに貼り付け簡単に見られるAPIも公開され爆発的に普及した。日本では2006年3月に民間調査会社のネットレイティングスの調査で日本国内からの利用者が約212万人に達し、平均利用時間では米国ユーザーを上回っていることが発表された[24]。
2006年4月にアメリカの映画制作会社のワインスタイン・カンパニー、ディメンション・フィルムズと提携し、映画の予告編がYouTubeで配信された[25]。これを初めとして様々な企業や団体がYouTubeにチャンネルを持ち、コンテンツを公開するようになった。2006年10月、YouTubeは本社をカリフォルニア州サンブルーノに移転した[26]。開業当初本社が置かれたカリフォルニア州サンマテオのビル
www.youtube.comというドメイン名を選択したことで、類似するドメイン名www.utube.comの保有者との間でトラブルが生じた。 2006年11月、YouTubeへのアクセスを試みた訪問者によって自社サイトが常に過負荷になっているとして、www.utube.comを保有するUniversal Tube & Rollform Equipment(英語版)社はYouTubeを提訴した。その後、Universal Tube社は自社サイトのドメイン名をwww.utubeonline.comに変更した[27][28]。現在、www.utube.comは、「Error code 522、Connection timed out」と表示される[29]。
YouTubeはサーバ回線コストだけで月間100万ドルに達すると言われていたため、どう収益を上げていくかが注目されていたが[30]、2006年10月9日に16億5000万ドルの株式交換でGoogleの買収に同意した[31][注釈 1]。GoogleによるYouTubeの買収は2006年11月13日に完了した[32][33]。2006年11月、カリフォルニア州で事業を行うデラウェア州法人としてYOUTUBE, LLCを設立[34][35]。「アップロードされた動画に対し厳しい規制が取られてしまうのでは」と一般ユーザーから危惧が持たれていたが、ハーリーは「YouTubeはGoogleに買収されたが、今後もYouTubeとしたブランドで独立したサービスを提供し続ける」と述べた。またGoogle側も類似サービスであるGoogle ビデオのサービスを継続。検索窓を通じてYouTube内の動画を検索するサービスを開始した[36]。
その後、タイム誌の「Invention of the Year for 2006」に選出された[37]。2007年3月、民間調査会社のネットレイティングスから日本国内家庭からの利用者が1000万人を超えたことが発表された[38]。同年5月、第11回ウェビー賞を受賞[39]。2007年にYouTubeが消費した通信容量は、2000年当時のインターネット全体の通信量に相当すると推定された[40]。
2007年5月、YouTubeは、一部動画投稿者限定で広告収入分配するパートナープログラムを開始した[41]。
2007年6月19日、インターフェース等が日本語を含む10か国語に対応した[42]。その後は、次々とインターフェース等が多言語に対応した[42](後述)。
第三者のウェブ分析企業であるアレクサ・インターネットおよびシミラーウェブによれば、YouTubeは2016年12月時点で世界で2番目に訪問者の多いウェブサイト だった。さらにシミラーウェブは、月間150億人以上の訪問者を抱えるYouTubeは、テレビ・ビデオ分野における世界第1位のウェブサイトであるとした[43][44][45]。2008年11月22日、YouTube本部が主催する公式イベント「YouTube Live」がサンフランシスコで開かれ、11月23日には日本の東京都で「YouTube Live Tokyo」が開かれた。カリフォルニア州サンブルーノのYouTube本社
市場調査会社のコムスコアが発表したデータによれば、2010年5月にYouTubeの動画は140億回以上再生され、その市場占有率は約43%であり、YouTubeはアメリカにおけるオンライン動画の支配的な供給元であるとされた[46]。
2011年5月時点では、毎分48時間分の動画がYouTubeにアップロードされていた[47]。動画が投稿される速度は年々増加しており、
2012年1月時点では毎分60時間分が[47]、
2013年5月時点では毎分100時間分が[48][49]、
2014年11月時点では毎分300時間分が[50]、
2017年2月時点では毎分400時間分の動画が
アップロードされていた[51][52]。2012年1月の時点で、YouTubeの月間ユニークユーザーは8億人だった[53]。
2010年3月、YouTubeは特定のコンテンツ(インディアン・プレミアリーグのクリケットのゲーム60試合を含む)の無料ストリーム配信を開始した。YouTubeは、この試みがメジャースポーツのイベントの世界初無料オンライン配信であるとした[54]。
2010年5月、YouTube動画の1日の視聴回数は20億回以上だった[55][56][57]。この数字は2011年5月時点では30億回[58][59][60]、2012年1月時点では40億回に増加した[47][61]。2017年2月時点で、YouTubeの1日あたりの視聴時間は10億時間に達していた[62][63][64]。
2010年10月、チャド・ハーリーがYouTubeの最高経営責任者(CEO) を退任しYouTubeの顧問となること、CEO職がサラー・カマンガーに引き継がれることが発表された[65]。2011年4月、YouTubeのソフトウェアエンジニアであるジェイムズ・ザーンは、視聴回数の99%が全体の30%の動画によって生み出されていることを明らかにした[66]。2015年から2017年にかけて使用されたYouTubeのロゴ。
2011年12月、YouTubeはウェブサイトのユーザーインターフェース(UI)を刷新した。新しいUIでは、SNSのニュースフィードに似た形で、トップページ中央の一覧に動画のチャンネルが表示されるようになった[67][68]。UIと同時にロゴデザインも2006年10月以来初めて変更され、使われる赤の色合いが濃くなった[69]。
2013年5月、YouTubeは、コンテンツ制作者がサブスクリプション方式の有料チャンネルを開設できる試験的プログラムを開始した[70][71]。2013年9月14日、YouTubeが主催する公式イベント『YouTube エンタメウィーク』が開催された。プロデューサーは高須光聖。
2014年2月、 GoogleによるYouTubeの買収に貢献したスーザン・ウォシッキーがYouTubeのCEOに就任した[72][73]。