この項目では、中華人民共和国の会社について説明しています。食用の米については「小米」をご覧ください。
小米集団
Xiaomi Corporation
市場情報SEHK 1810
小米科技(Xiaomi、シャオミ[1][2][3])は、中華人民共和国北京市に本社を置く総合家電メーカーで、2010年4月6日に雷軍によって設立された。
スマートフォンメーカーとして創業し、2011年8月16日に北京市にて、初代小米手機を発表した。キャッチコピーは「Just For Fans」(中国語:爲發燒而生)。目次 元キングソフト(金山軟件)会長兼CEOであった雷軍(Lei Jun)が2010年に創業。共同創業者は8人おり、当時の平均年齢は45歳(中国のベンチャー企業創業者の平均年齢は25?6歳とされる)であった[4]。社名は中国語で雑穀(粟)に由来するため、当局の登記担当者に農業関連企業と決めつけられたというエピソードがある[4]。 2011年にAndroidベースのスマートフォンMI-One(小米手機)を発売。翌年の2012年にはMI-2(小米手機2)を発売。年間で1機種のみ発売し、大量生産することでハイエンドながら価格を抑えるという方法を取った(当時の携帯電話業界では、iPhoneという1機種を1年に数種類のみしか発売しないアップル社以外のメーカーは、フラッグシップモデルを数か月ごとにモデルチェンジしたり、フラッグシップモデル以外の少数しか生産されない機種も大量に用意したりするのが普通で、そのビジネスモデルによるコストが価格に上乗せされて、大手メーカーほど性能が低いのに高価格の機種が多かった)。その評判が微博などネットの口コミで広がり、若者を中心に支持を得て、創業から4年の2014年にはそれまで中国スマホシェア1位だったアップルを抜いて中国シェア1位、中国市場のみでの販売ながら世界的に見てもサムスン・アップルに次ぐ世界シェア3位の大手スマホメーカーとなった[5]。 通信キャリア主体ではなく自社サイト主体の販売方式、デザイン性の高いハイスペック端末を単一機種のみでの販売、オンラインコミュニティを重視するなど、創業当初は露骨にアップルを意識したマーケティング手法を取っていたため「中国のアップル」と称され、創業者の雷軍も「中国のジョブズ」と称された[4][6]。「ユーザーが中心」を信条としており、「米粉」(ミィファン、「シャオミのファン」と「ビーフン」をかけている)と呼ばれるファンクラブを組織し、ネットのコミュニティの他、リアルでも定期的にユーザーイベントなどを行っている。雷軍は米粉の間で「米神」と呼ばれてカリスマ的な人気を持つ。 2010年代以降に世界的な大手メーカーとして生き残った携帯電話メーカーは、多かれ少なかれアップル社に倣ったマーケティング手法を取ることになったが、2014年当時、まず新興のシャオミが露骨にアップルを意識したマーケティングで大手メーカーに成り上がったため、メディアではしばしばアップルと比較された[2][4]。当時のシャオミの主力製品であったハイエンドスマホの小米シリーズはiPhoneと同等のスペックをアピールしながら、端末の価格はアップルよりもかなり安かった[6]。マーケティングをオンラインのみに絞ることで流通や販促費に金をかけず、端末を原価に近い価格で販売し、アクセサリやサービスで利益を得るという、Amazonと同じ手法で利益を得ている[7]。それまでの中国メーカーでは、見た目だけアップル社の物と似せた粗悪品を、iPhoneとよく似た名前で安価に販売するようなものが多かったが、サービスによるユーザーの囲い込みで利益を上げる前提とすることで、スペック的にもアップル社と同等の製品を、自社の独自ブランドで安価に販売してシェアを伸ばす手法がシャオミによって確立されたため、シャオミ以降の中国の新興メーカーも追随することになる(なお、中国などの諸外国では日本と違って、端末の販売からサービスまで全て通信キャリアが握るような構造にはなっていない)。シャオミはスペックが実際にハイエンド品であることを証明するため、内部パーツの詳細や納入元などの情報を積極的に公開している[8]。 当時、雷軍CEOは、自社を「携帯電話メーカーではなく、ネットワーク会社だ」と位置づけていた。また、共同創業者兼社長の林斌 (Lin Bin)は、シャオミをどんな企業に例えるかとの質問に対して、「Amazonが近い。だがわれわれはまったく新しい会社を目指している」と答えていた[4]。
1 歴史
1.1 スマホ会社として創業
1.2 総合家電メーカーへ
2 スマホの売上・シェア
3 販売ルート
4 日本での展開
4.1 日本向け製品
4.1.1 SIMフリースマートフォン
4.1.2 KDDI向けスマートフォン
4.1.3 スマートバンド
4.1.4 スマート家電等
5 問題・不祥事
5.1 就職説明会において日本語専攻の学生への差別
5.2 原爆を新型スマートフォンの宣伝動画で揶揄
6 ラインナップ
6.1 スマートフォン
6.2 コンピュータ
6.3 スマートテレビ
6.4 ソフトウェア
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
歴史
スマホ会社として創業
2013年以降、中国国内ではシャオミの成功を見たファーウェイ・欧珀(OPPO)・歩歩高(VIVO)・魅族科技(MEIZU)といった競合他社がシャオミ同様におしゃれな低価格ハイエンド機を展開し、若者の心をつかんでシャオミのシェアを食い始め、2014年度の中国スマホ市場におけるシャオミのシェアはファーウェイに抜かれて2位となった。さらに、中国でもスマホ需要が一巡し、スマホの性能が向上してローエンド機でも長く使えるようになったため、スマホが以前のようには売れなくなった。また、シャオミは中国国外へも進出し始めたが、中国国外ではシャオミをアップルと並ぶハイエンドスマホメーカーだと思う人はいないため、ローエンド市場での展開が中心となる。そのため、シャオミはスマホのネット専売をやめて家電量販店に出店したり、ハイエンド機の小米シリーズではなくローエンドの紅米シリーズを展開するなど、若干戦略が変化している[11]。
ネット専売のスマホとネットを用いたマーケティングによって、ネットを使いこなす大都市部のおしゃれな若者が主な支持層であったシャオミ(と、同じくネット戦略でシャオミに迫っていたMEIZU)は、シャオミとほぼ同時期にスマホに進出し、リアル店舗専売のスマホや地方都市の郊外のビルの屋上の看板などのリアル宣伝によってネットを使いこなさない地方都市の若者の支持を掴んだOPPOとVIVOによる「農村から都市を包囲する」戦略に侵食され、2016年にはシャオミの中国スマホシェアがHUAWEI・OPPO・VIVOに続く4位にまで下がった。シャオミは中国の大都市部を中心に直営店の「小米之家」を展開しており、2016年時点で50店舗ほどを構えるが、中国全土に20万店舗を構えて地方都市の郊外にまで販路を広げるOPPOやVIVOに対抗できず、アップルと共に急速に中国スマホ市場での存在感を低下させた。世界スマホシェアも2016年にはサムスン・アップル・ファーウェイ・OPPO・VIVOに続く6位にまで転落した。
2016年ごろよりスマホメーカーから家電メーカーへの転換を図り、それまで主に(ネットで販売した)スマホのアフターサービスを行っていた(アップルストアそっくりの)「小米之家」を、(量販店で販売する)家電のショールーム的な形態に転換させている。また、2017年以降には大都市部の旗艦店である「小米之家」のてこ入れだけでなく、リアルの携帯ショップを中国全土に設置し始めている。
2014年からのインド市場などでのテコ入れが成功し、2018年にはスマートフォンの年間出荷台数が創業以来初めて1億台を超えた[12]。 スマホ以外の製品では、創業当初は充電器やマスコットキャラクターの米兎(ミィトゥ)グッズなどのスマホ関連アクセサリを販売していた。 2014年にはタブレットの小米平板(Mi Pad)やノートPCの小米筆記本(Mi Notebook)などを発売し、スマートテレビなどを発売してスマート家電に参入。
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