Xen_(仮想化ソフトウェア)
[Wikipedia|▼Menu]

XenXenで NetBSD と3つの Linux ディストリビューションを実行中
開発元Linux Foundation, The Xen Project
XenSource, Inc.

最新版4.15[1] / 2021年4月8日 (3年前) (2021-04-08)
リポジトリ

xenbits.xen.org/gitweb/?p=xen.git

対応OSLinux、その他Unix系*BSDOpenSolarisMicrosoft Windows
種別ハイパーバイザ
ライセンスGPL
公式サイト ⇒http://www.xenproject.org/
テンプレートを表示

Xen(ゼン)は、仮想マシンモニタの一つ。一つのハードウェアを用いて、複数のオペレーティングシステム (OS) を並列実行・制御するサービスを提供する。
概要

Xenは、ケンブリッジ大学のComputer Laboratoryにおいて最初のバージョンが開発された。2010年より、XenコミュニティはXenをGPLv2ライセンスの下で、フリーソフトウェアとして開発・メンテナンスしている。Xenは、IA-32x64IA-64、そしてARMアーキテクチャにおいて利用が可能である。

Xenでは、仮想マシンの実行単位をドメインと呼ぶ。Xenシステムにおいて、Xenハイパーバイザは最も低い特権層で動作する、中核となるソフトウェアである[2]。Xenハイパーバイザ階層は一つまたは複数のゲストOSをサポートし、物理CPUに対してのスケジューリングを行う。最初のゲストOSは、Xenの専門用語において「ドメイン 0 (dom0)」と呼ぶ。これは標準において、ハイパーバイザが起動する時に自動的に実行され、特別な管理特権と、全ての物理ハードウェアへの直接アクセスを受け持つ。システム管理者は、追加された全てのゲストOSに対して、dom0を通してログインすることができる。このときの管理対象を、Xenの専門用語において「ドメインU」(domU)と呼び、ドメインUはuser domainsを意味する。

ドメイン0となるOSには、一般的にLinuxNetBSDSolarisの修正版が用いられる。なお、従来Linuxにおいてもカーネルの修正が必要であったが、Linux kernel 2.6.23においてXenがmain lineに統合されている[3]。これ以降のバージョンにおいてkernelの修正は必要なくなっている。

ドメインUは、完全仮想化または準仮想化において利用可能なオペレーティングシステムに違いがある。ホストプロセッサIntel VT-xAMD-Vのようなx86仮想化支援機能を有する場合には、未修正のオープンソース、あるいはMicrosoft WindowsのようなプロプライエタリなOSのコピーが完全仮想化された状態で動作する[4]。修正が行われているOSは、拡張サポートのための特殊なドライバを併用して準仮想化されるのがXenの特徴である。

現在では、XenSourceはシトリックス・システムズの仮想化事業部門として統合されており、製品版の開発・販売を担っている。
歴史

Xenのオリジナルは、XenSource, Incの創立者でありケンブリッジ大学の上級講師であるイアン・プラット(英語版)が率いる、ケンブリッジ大学の研究プロジェクトである。XenSourceは、フリーソフトウェア・プロジェクトによる開発と、エンタープライズ版を販売し、一般へのXenの最初の公開は2003年に行われた。

シトリックス・システムズは2007年8月15日にXenSourceの買収を発表し、シトリックス・ブランドに合わせてXenSourceの製品名を次の通り変更した:

XenExpress : 過去の"XenServer Express Edition" と "XenServer OEM Edition" (組み込み向けのハイパーバイザ)

XenServer : 過去の "XenServer Standard Edition"

XenEnterprise 過去の "XenServer Enterprise Edition"

後に、製品名はXenServer(フリー)、Essentials for XenServer Enterprise、そしてEssentials for XenServer Platinumに変更されている。

2007年10月25日、シトリックス・システムズはXenSourceの買収を完了し[5]、Xenプロジェクトを ⇒http://www.xen.org/ に移動した。これに伴って、11月頃にはシトリックス・システムズ、IBMインテルヒューレット・パッカードノベルレッドハットサン・マイクロシステムズ[6]オラクルをメンバーとして、Xen Project Advisory Board (Xen AB)[7] を公表している。

2010年の春には、製品名が次のように改められている:

XenServer(無償版)

XenServer Advanced Edition

XenServer Enterprise Edition

XenServer Platinum Edition

リリース履歴

バージョンリリース日備考
1.02003-10-02
[8][9]
2.02004-11-05[10]
3.02005-12-05[11][12]

Intel VT-x仮想化支援をサポート

IA-64アーキテクチャをサポート

加えて、3.0.4のリリースにおいて次の機能が加えられた:

AMD SVM仮想化拡張をサポート[13]

PowerPCアーキテクチャをサポート[14]

準仮想化ゲストに対してグラフィカルフレームバッファをサポート[15]

3.12007-05-18[16]
3.22008-01-17[17]ホストシステムにPCIパススルーとACPI S3スタンバイモードをサポート
3.32008-08-24[18]PCIパススルーとパワーマネジメントに関する改良
3.42009-05-18[19]
4.02010-04-07[20]
4.12011-03-25[21]

ホストの最大物理メモリが5TBにアップ [22]
4.22012-09-17[23]

ホストの最大物理CPU数が4095にアップ

PVゲストの最大CPU数が512にアップ

4.32013-07-09[24]

ARMアーキテクチャの実験的サポート

Open vSwitchのサポート

4.42014-03-10[25]

ARMアーキテクチャの正式サポート

4.52015-01-15[26]

43種類の新機能の追加

コードが全面的に見直され、約78000行が追加、約141000行が削除された

4.62015-10-13[27]
4.72016-05-23[28]
4.82016-12-05[29]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:42 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef