X-MEN:フューチャー&パスト
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ストーリーは、クリス・クレアモントとジョン・バーンによる1981年の『アンキャニィX-MEN』のストーリー「デイズ・オブ・フューチャーパスト」にインスパイアされたもので、2つの時代に焦点を当てており、ローガンは1973年にタイムスリップして歴史を変え、人間とミュータントの両方に破滅をもたらす出来事を防ぐことになる。オリジナル三部作の最終章『X-MEN:ファイナル ディシジョン』と、新シリーズ『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の両作品の続編となる内容となっている。先に制作された、ウルヴァリンなどを主軸に据えた『ファイナル ディシジョン』までの初期三部作と、それ以前の過去の時代を描く若い頃のプロフェッサーXやマグニートーを主軸に据えた『ファースト・ジェネレーション』の2つのシリーズをまとめ、両シリーズ全体の物語に一応の完結を迎えさせつつも、歴史が変化した新たな時間軸の始まりを示唆する内容となっている。また、本作の直近に公開されたスピンオフ(外伝)作品『ウルヴァリン:SAMURAI』は、初期三部作と本作の間の時期の出来事として位置付けられており、同作のエピローグには本作へと繋がる場面があった。 

アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされた[5]

2015年7月には、劇場公開版ではカットされていたローグの登場シーンを中心に、複数の未公開シーンを追加した完全版『X-MEN:フューチャー&パスト ローグ・エディション』が全世界で映像ソフトにて発表された。
ストーリー

センチネルと呼ばれる対ミュータント用のロボット軍隊が、ミュータントと彼らに協力する人間たちを討伐する2023年。他人の精神のみを過去の自身に送り返すことが出来るキティ・プライドの能力によって、彼女と数名のミュータントは度重なる攻撃を逃れ生き残っている。キティたちはモスクワで襲撃を受けるが、辛くも窮地を脱出し中国の修道院でストーム、ウルヴァリン、プロフェッサーX、マグニートーと合流する。ミュータントたちはウルヴァリンの精神を1973年へ送り返し、センチネル創造のきっかけとなったミスティークによるボリバー・トラスク博士の暗殺を食い止める作戦について話し合う。暗殺は成功したがミスティークは捕えられ、彼女のDNAがセンチネルの設計へと利用された経緯が語られる。プロフェッサーXマグニートーはウルヴァリンに当時の自分たちへ協力を求めるよう助言する。

キティの能力により、ウルヴァリンが1973年の自分自身へ憑依して目覚める。マフィアの娘の用心棒をしている彼は、超金属アダマンチウムを体内に移植される以前の時代であるため、拳から彼本来の能力「骨の爪」を武器に襲撃してきた男たちを倒し、車を奪ってその場から立ち去る。Xマンションに辿りついたウルヴァリンは、そこでチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXと会う。ベトナム戦争に徴兵され多くの生徒を失った彼は失意のため廃人と成り果てている。チャールズはハンク・マッコイが創った新薬によって歩く力を取り戻しているが、その副作用によってテレパシーを失っている。ウルヴァリンはエグゼビアとハンクに自分がミッションのため未来から戻ってきたことを説明し、協力を要請する。ウルヴァリンは旧知の友人、クイックシルバーを訪ねて彼を仲間に引き入れる。

男性兵士に変身したミスティークがサイゴンの米軍キャンプに潜入する。ミスティークはウィリアム・ストライカー少佐に囚われていたハヴォック、トード、インク等ミュータント兵をキャンプから救い出すが、彼らがトラスクの研究対象として施設へ移送される予定であったことを知る。ミスティークはトラスク本人に変身して施設に潜入する。そこで彼が行っていたミュータントに対する恐ろしい人体実験の実態を知る。ミスティークはトラスク暗殺を目論む。

クイックシルバーの協力を得てウルヴァリンたちはペンタゴン地下に幽閉されていたエリック・レーンシャー/マグニートーを脱獄させる。チャールズ、ハンク、エリックとウルヴァリンの4人はトラスクのいるパリへ飛行機で向かう。パリではアメリカベトナムの和平交渉サミットが行われている。トラスクがストライカー少佐とともにセンチネルの設計データを携えて会場に現れる。ミスティークはベトナム軍将校に変身し会場に潜入するが、トラスクのミュータント探知機が反応し、正体が発覚してしまう。ミスティークが変身を解き、トラスクを殺害しようとしたその時、ウルヴァリンたちが到着しそれを阻止する。エリックはミスティークを殺害しようと彼女に発砲する。ミスティークは弾をかわして会場の外へ逃げるが、エリックは弾の軌道を操作し彼女の脚に命中させる。怪我を負ったミスティークは騒動に乗じて姿を消す。ウルヴァリンは、かつての宿敵ストライカーを目撃してしまい混乱する。このことが彼の未来の身体に影響し錯乱、アダマンチウムの爪が両拳から射出され、キティを傷つけてしまう。

リチャード・ニクソン大統領はトラスク、ストライカーの説得を受け、ミュータント討伐のためのセンチネル計画推進を認可する。トラスクはセンチネルを完成させホワイトハウスの芝生でお披露目を行うことを大統領に約束する。トラスクの部下がパリでミスティークの血液を採取する。X-マンションに戻ったチャールズは歩く能力を失うが、テレパシーを取り戻す。チャールズはセレブロを使って、ワシントンDCに向かおうとするミスティークに直接語りかけるが、彼女はトラスク暗殺こそがミュータントにとっての正義であるとし、彼を拒絶する。その間エリックは単独でセンチネルのプロトタイプを探し当て、その機体に金属を混入させる。

ミスティークの計画を阻止するためハンク、チャールズとウルヴァリンはホワイトハウスでのセンチネル発表式典に侵入する。エグゼビアはテレパシーを使いシークレットサービスの男に変身しているミスティークを特定するが、ヘルメットを装着したエリックが現れ会場は大混乱に陥る。エリックは野球スタジアム全体を操作し、ホワイトハウスを囲い込む。ニクソン大統領とトラスクらはハウス内のパニックルームに逃げ込む。エリックはセンチネルを操りエグゼビアらを攻撃する。ウルヴァリンはスタジアムの鉄骨を身体に埋め込まれポトマック川まで飛ばされ川底へ沈んでしまう。エグゼビアはスタジアムの瓦礫の下敷きになり動けなくなる。エリックはパニックルーム全体を地中から引き摺り出し、センチネルを使って大統領、トラスクら全員を殺害しようとする。

未来の世界では、センチネルがキティたちがいる修道院を発見し、襲撃する。ミュータントたちは応戦するが、彼らの能力に対応して自在に姿を変えることが出来るセンチネルらに次々と犠牲になる。

'73年の世界ではエリックが大統領とその他要人らに銃を向けて演説する光景がテレビ中継される。ニクソン大統領に変身したミスティークがエリックの気を引き、プラスティック製の拳銃で彼の首を打ち抜く。エリックを排除したミスティークは次に、トラスクに銃を向けるが、チャールズの説得により殺害をやめ立ち去る。その瞬間歴史が変わり、全ての出来事がリセットされる。倒れた彼の頭からミスティークがヘルメットをはぎ取ると、チャールズがすぐさまエリックの精神に侵入して彼を操り、チャールズの上に被さっていた瓦礫を退かした。エリックは空の彼方に消え、ミスティークは米軍兵士に変身して立ち去った。

全てが良い方向に変わった未来の世界では、ウルヴァリンが生徒たちであふれるXマンションで目覚める。そこには、ジーン・グレイやスコット・サマーズ等、これまでの闘いで死んだはずのミュータントたちが復活していた。そして、歴史が改変される前の事を知るものは、ウルヴァリンとプロフェッサーのみとなった。

過去の世界で、川底からウルヴァリンが軍の船によって引きあげられる。ストライカー少佐に扮したミスティークが船の指揮を執り、ウルヴァリンの身柄を引き受ける所でエンドロールに。

エンドロール終了後、紀元前のエジプト。大勢の人々がひれ伏す中、丘の上のエン・サバ・ヌールと呼ばれている人物が、岩や砂を操る力で、一人でピラミッドを作っている場面が流れる。
キャスト
ローガン / ウルヴァリン
演 - ヒュー・ジャックマン、日本語吹替 - 山路和弘[6]驚異的な治癒力と感覚を持ち、全身の骨格に最強の金属:アダマンチウムを埋め込まれたミュータント[7][8]。ミュータントが絶滅の危機に瀕した未来が訪れてしまったが、その治癒能力により時間移動に耐えられる唯一の人物であり、悲惨な歴史を変える重要な任務を負う事となった[9]。監督のブライアン・シンガーは「未来のヒューはその意識を若い自分の身体へと送られる。(ウルヴァリンは)歳を取らないのでヒューはその両方を演じるんだ」と述べた[10]。脚本家のサイモン・キンバーグはなぜウルヴァリンがタイムトラベラーとなるかについてインタビューで「決定した理由は多くある。(中略)理由のひとつはこのキャラクターがフランチャイズの主人公で、多くの観客に愛されたということだ」と述べた[11]
チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX
演 - ジェームズ・マカヴォイ(若年期)[12] / パトリック・スチュワート(老年期)[13]、日本語吹替 - 内田夕夜[6](若年期) / 大木民夫[6](老年期)世界で最も強力なテレパス[14]。ミュータントが徐々に狩られる様を静観していたが、現在と過去の両方のX-MENを率いて最大の戦いに挑む[15]。シンガーは若年期のエグゼビアを「『ファースト・ジェネレーション』の無力なプレイボーイと非常に異なる獣だ。彼は傷ついた動物で、ひげを生やし、長髪で、世界が彼を扱った方法に関して怒りで満ちている」と説明した[16]


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