X-MEN:ファースト・ジェネレーション
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ナチス・ドイツ占領下のポーランド強制収容所で科学者のシュミット博士[3]は両親と引き離されたユダヤ人の少年、エリック・レーンシャーが鉄門を捻じ曲げるのを目撃する。シュミットはエリックの能力を引き出すために母親をわざと彼の目の前で殺害し、エリックは怒りと痛み、そして深い悲しみによってより強い能力に目覚めた。同じ頃、ニューヨーク州ウエストチェスター郡でとある裕福な家庭に育つ少年チャールズ・エグゼビアは、彼の暮らす屋敷に偶然忍び込んだ異質な青い肌と変身能力を持つ少女レイヴン・ダークホルムと遭遇する。チャールズは自分と同じ存在に出会えたことに喜び、彼女を家族として迎え入れた。

18年後の1962年。成人したエリックはシュミットに復讐する為元ナチスの人間を次々と襲撃し、シュミットの消息を追い続けていた。一方チャールズはイギリスでレイブンと共に暮らし、オックスフォード大学で突然変異・ミュータントに関する研究をしていた。その頃、ラスベガスではCIAエージェントのモイラ・マクダガートが米軍大佐のヘンドリーを追跡し、セバスチャン・ショウを中心とする異質な力を使う集団「ヘルファイア・クラブ」の暗躍を突き止める。モイラはミュータントの専門家に意見を求めるためイギリスへと渡り、チャールズに接触する。モイラの記憶を読んだチャールズは危険なミュータントの集団の存在を知り、彼女への協力を約束した。

チャールズたちはCIA本部に行き、ヘルファイア・クラブの持つ力の危険性を説明し協力を申し出るが、長官をはじめ幹部はそれを信じようとしない。仕方なくチャールズ達は彼らの目の前で自分の能力を発動させたが、その異質な能力を目の当たりにしても長官らはチャールズ達の協力を拒否しようとした。しかし、一人の黒服のCIA幹部が支援者として名乗りを挙げる。そしてチャールズはCIAの極秘研究施設「デヴィジョンX」に迎えられた。そこにはミュータントである事を隠している若い科学者ハンク・マッコイが所属していた。そして、チャールズがCIAと共にヘルファイア・クラブの逮捕のために彼らのクルーザーを追った夜、時を同じくしてショウと名を変えたシュミットの居場所を突き止めたエリックもクルーザーを襲撃し、ついに若き二人のミュータントが運命の出会いを果たす。

チャールズはショウの野望を食い止めるために、ハンクが作ったテレパシー増幅装置「セレブロ」(スペイン語で「脳」の意味)を使って各地のミュータントを探索し、仲間になるよう個別に説得を始める。彼とエリックは、ストリッパーのエンジェル・サルバドーレ、タクシードライバーのアーマンド・ムニョス(ダーウィン)、刑務所に収容されていたアレックス・サマーズ(ハヴォック)、そしてショーン・キャシディ(バンシー)の勧誘に成功した。しかしチャールズとエリックがソ連の将軍宅を訪れたエマを捕えている隙に、アザゼル、リップタイト、ショウの3名はディヴィジョンXを襲撃して若いミュータントたちをヘルファイア・クラブに勧誘する。エンジェルはヘルファイア・クラブへと寝返り、そしてダーウィンはショウに殺されてしまった。ショウ打倒の為、残ったミュータントたちはチャールズの自宅で能力をコントロールし使いこなすための特訓を開始する。またハンクは防護ユニフォームとステルス・ジェット機の開発を進めた。

一方モスクワでは、ショウが核ミサイルをキューバに運ぶようソ連の将軍を脅迫していた。やがてキューバ危機を迎えると、ジョン・F・ケネディ大統領はソ連の貨物船が核弾頭ミサイルをキューバに移すのを防ぐために封鎖網を敷いた。チャールズのテレパシーを防ぐヘルメットをかぶったショウは、ミサイルの移動を確実なものにするためにソ連の船隊に同伴する。彼の目的は第三次世界大戦を引き起こし、それをきっかけにミュータントが支配する世界を築くことだった。
キャスト
チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX
演 - ジェームズ・マカヴォイ[4]、日本語吹替 - 内田夕夜[5]X-メンのリーダーにして創設者。史上最高のテレパス。後のマグニートーとなるエリックとは唯一の親友関係にある。同時に、人類とミュータントの関係に対する意見は全く違う。本作で、後に彼が車椅子の姿になるきっかけとなる事件が起きる。
若年期のチャールズ
演 - ローレンス・ベルチャー(英語版)、日本語吹替 - 冨澤風斗[5]
エリック・レーンシャー / マグニートー
演 - マイケル・ファスベンダー[6]、日本語吹替 - 三木眞一郎[5]後のブラザーフッド・オブ・ミュータンツ(英語版)のリーダーであり創設者[7]。磁力で金属等を操るミュータント。家族を奪われながらもホロコーストを生き残った。ミュータントという同胞を知り、ミュータントを拒絶する人類などを憎悪しはじめる。当初は母親を殺したセバスチャンへの復讐を目的としていたが、次第に彼と同じ様な思想を持ち始める。
若年期のエリック
演 - ビル・ミルナー(英語版)
クラウス・シュミット / セバスチャン・ショウ(英語版)
演 - ケヴィン・ベーコン、日本語吹替 - 安原義人[5]ヘルファイア・クラブ(英語版)のリーダー[8][9]。ミュータントのための世界を作るべく、米ソ両軍の背後で暗躍することでキューバ危機を引き起こす。あらゆるエネルギーを体内に吸収、蓄積することができ、さらには吸収したエネルギーをカウンター攻撃のように放出する能力を持つ。また、吸収したエネルギーにより年をとらない。テレパスとは相性が悪く、精神支配を防ぐためのヘルメットを着用している。ナチス党時代の名はシュミット[3]
モイラ・マクタガート(英語版)
演 - ローズ・バーン、日本語吹替 - 桑島法子[5]CIAエージェントで、チャールズ・エグゼビアの恋人[10]。バーンの前はロザムンド・パイクが演じる予定だった[11]
レイヴン・ダークホルム / ミスティーク
演 - ジェニファー・ローレンス[12]レベッカ・ローミン[13](カメオ出演)、日本語吹替 - 牛田裕子[5]変身能力をもつ[14]。幼い頃にチャールズに保護され彼にずっと思いを寄せていたが、妹としてしか見てもらえずにいた。その後、CIAで出会ったハンクと惹かれ合うが、青い肌のありのままの自分を認めてもらいたいという想いが故に、ミュータントの外観を“正常”に戻すべきという彼の考えとの違いに悩み傷つく。やがてその想いを肯定するエリックへと心は移っていく。
若年期のレイヴン
演 - モーガン・リリー、日本語吹替 - 明野響香[5]
エマ・フロスト / ホワイト・クイーン(英語版)
演 - ジャニュアリー・ジョーンズ、日本語吹替 - 甲斐田裕子[5]ヘルファイア・クラブのメンバーで、ブロンドの美女。テレパシー能力と身体をダイヤモンド化する能力をもつ[15]。また幻想を見せる能力も持つ。ダイヤモンド化している間はテレパスは通用せず、チャールズに苦戦を強いる。ジョーンズの前はアリス・イヴが演じる予定だった[16]


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