Xボソン(X boson)とYボソン(Y boson)は、素粒子物理学における仮説上の素粒子である。ハワード・ジョージとシェルドン・グラショーの SU(5) 大統一模型で導入される新たな相互作用を媒介するゲージ粒子である[1]。まとめてXボソンとも呼ばれる[2]。
XボソンとYボソンはスピン1のベクトルボソンである。両者はウィークアイソスピンの下で2重項を為し、ウィークハイパーチャージは ±5/6 である。従ってXボソンは ±4/3、Yボソンは ±1/3 の電荷をもつ。XボソンとYボソンはそれぞれにカラーチャージの下で3重項を為し、クォークと結合する。
XボソンとYボソンの質量は 1015GeV 程度であると推定されている。 XボソンとYボソンはクォークをレプトンと結びつけ、バリオン数を破り、陽子崩壊を可能にする。 XボソンとYボソンは次のような崩壊過程をもつ[3]。 X + 4 / 3 → u + 2 / 3 + u + 2 / 3 {\displaystyle X^{+4/3}\to u^{+2/3}+u^{+2/3}} X + 4 / 3 → e + + d + 1 / 3 {\displaystyle X^{+4/3}\to e^{+}+d^{+1/3}} X + 4 / 3 → d + 1 / 3 + e + {\displaystyle X^{+4/3}\to d^{+1/3}+e^{+}} Y + 1 / 3 → d − 1 / 3 + u + 2 / 3 {\displaystyle Y^{+1/3}\to d^{-1/3}+u^{+2/3}} Y + 1 / 3 → e + + u − 2 / 3 {\displaystyle Y^{+1/3}\to e^{+}+u^{-2/3}} Y + 1 / 3 → d + 1 / 3 + ν ¯ {\displaystyle Y^{+1/3}\to d^{+1/3}+{\bar {\nu }}} ここで、それぞれの過程の2つの崩壊生成物は互いに逆のカイラリティを持ち、1番目の崩壊生成物は左手型、2番目の崩壊生成物は右手型である。u+2/3はアップクォーク、u-2/3は反アップクォーク、d-1/3はダウンクォーク、d+1/3は反ダウンクォーク
詳細
これらの反応では、レプトン数(L)もバリオン数(B)も保存しないが、その差B-Lは保存する。Xボソンとその反粒子の分岐比
の違いにより、バリオン生成が説明できると期待されている。