WorldWideWeb
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この項目では、世界初のウェブブラウザについて説明しています。インターネット上の分散ハイパーテキストシステムについては「World Wide Web」をご覧ください。

WorldWideWeb
WorldWideWeb(1993年ごろ)
開発元ティム・バーナーズ=リーCERN
初版1990年12月23日 (32年前) (1990-12-23) [1]
プログラミング
言語Objective-C [1]
対応OSNeXTSTEP[1]
対応言語英語
サポート状況終了
種別ウェブブラウザ、ウェブオーサリングツール
ライセンスパブリックドメイン
公式サイトwww.w3.org/.../WorldWideWeb.html
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WorldWideWeb(ワールドワイドウェブ)は、世界初のウェブブラウザであり[1]WYSIWYGHTMLエディタである[2]。後に World Wide Web との混同を避けるため Nexus と改称している。それが書かれた当時、ウェブを閲覧する手段は WorldWideWeb しかなかった[1]

ソースコードが1993年にパブリックドメインとしてリリースされている[3][4]
歴史

1990年後半、CERNに勤務していたティム・バーナーズ=リーNeXT製コンピュータ上で[4] WorldWideWeb を書き始めた。2カ月後の1990年12月25日、最初の全体のビルドが成功した[5]。その後もバーナーズ=リーや同僚が修正とビルドを繰り返し、インターネットのニュースグループで公表したのは1991年8月のことである[5]。その時点でプロジェクトには、Bernd Pollermann、ロバート・カイリュー、Jean-Francois Groff[6]ラインモードブラウザを書いた Nicola Pellow といった人々が参加していた[5]

NeXTのシステムから他のオペレーティングシステムへの完全な移植は難しかったため、チームは編集機能を省いた「パッシブ・ブラウザ」を開発した[2]X Window System はチーム内の誰も使ったことがなかったため、移植できなかった[2]

バーナーズ=リーとGroffは多くのWorldWideWebのコンポーネントをC言語で書き直し、libwww APIを作り上げた[7]

他にも ViolaWWW のような初期のブラウザもあったが、1993年には NCSA Mosaic がそれら全てに取って代わった。最初の創造に関わった人々は別の仕事に取り掛かっていった。World Wide Web に関する開発についての標準やガイドラインの制定など(たとえば、HTMLや、様々な通信プロトコル)である。

1993年4月30日、CERN は WorldWideWeb のソースコードパブリックドメインとして公開し、フリーソフトウェアとした。いくつかのバージョンは evolt.org's browser archive からダウンロード可能である。バーナーズ=リーは当初これをGPLライセンスでリリースしようと考えていたが、結局商用での利用を考慮してパブリックドメインとした[8][9]
技術的情報

WorldWideWebは NEXTSTEPプラットフォーム上で開発されたため、プログラムはNEXTSTEPのコンポーネントを利用している。たとえば、WorldWideWebのレイアウトエンジンはNEXTSTEPのTextクラスを活用している[1]
機能

WorldWideWebは基本的なスタイルシートを表示することができる[4]。NeXTシステムのサポートするいかなるファイルタイプ(PostScript[2][4]、動画[4]、音声[4])でもダウンロードしたりオープンしたりでき、ニュースグループを閲覧したり、スペルチェックしたりできる。最初、NEXTSTEPのTextクラスが画像オブジェクトをサポートするまでは、画像は別ウィンドウで表示されていた[4]

このブラウザはWYSIWYGエディタとしても機能する[1][2]。複数のウィンドウでウェブページを表示しつつ、同時にそれらを編集したりリンクしたりできる。Mark Selection という機能でアンカーを生成し、Link to Marked という機能で選択したテキストを直近にマークしたアンカーとリンクすることができる。リモートからページを編集することはできなかった。HTTP PUT メソッドがまだ実装されていなかったためである[1]。ファイルはローカルなファイルシステム内で編集され、その後HTTPサーバによってウェブとして公開される。

WorldWideWebの操作パネルにはNextとPreviousというボタンがあり、これにより最後に見たページの次か後のリンクをたどることができる。Operaの Rewind と Fast Forward ボタンに近い。つまり、リンクの並んだページからあるページを選んで表示させたとき、Previousボタンを押すとリンクの並び順の前のリンクが指しているページが表示される[1]。これは当時は便利な機能だった。というのは、多くのページがそのような一覧でリンクされていたからである。しかし World Wide Web が成長するにつれ、そのような習慣はなくなり、後のWebブラウザからもそのようなボタンはなくなった。

WorldWideWebにはブックマークのような機能はないが、似たような機能なら備えていた。あるリンクをセーブしておきたい場合、それをユーザー自身のホームページにリンクしてセーブすることができる。ホームページを階層化してブックマークのフォルダーのようにすることもできる[2]

WorldWideWebは、FTP[1]HTTP(バーナーズ=リーが1989年に発明)[1]NNTP[1]という複数のプロトコルを使っており、URLでローカルファイルも扱える。
名称

バーナーズ=リーは当初 The Mine of Information[10] や The Information Mesh[10] という名称を提案していたが、最終的に WorldWideWeb が選ばれている[1]
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e f g h i j k l m Berners-Lee, Tim. “ ⇒The WorldWideWeb browser”. World Wide Web Consortium. 2010年7月23日閲覧。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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