WordStar/Wordstar 2000 +CP/M のエミュレーター上で動くWordstar 3.0
開発元Rob Barnaby
初版1978年
最新版WordStar 7.0d / 1999年
対応OS初版は CP/M,
その後 DOS や Windows
種別ワープロソフト
公式サイト ⇒www.wordstar.org
WordStar(ワードスター)は、マイクロプロ・インターナショナル(英語版)がCP/M用に開発したワープロソフトである。後にMS-DOS向けに移植され、1980年代中盤まで市場を独占した。同社のオーナーはシーモア・I・ルビンシュタイン(英語版)だが、WordStarの作者はロブ・バーナビーである。WordStar 4.0 以降はピーター・ミーローが全面的に書き直したものをベースとしている。
WordStarはテキストベースのワープロソフトであり[1]、基本的にマークアップ言語風のフォーマットコマンドを付与したテキストファイルを扱うため、ファイル自体もその後のワープロソフトに比べて小さい。対照的に現代のワープロソフトの多くはコードベースであり、セーブファイルが大きくなる[2]。 1976年、ロブ・バーナビーはCP/M のコマンドラインエディタ ED.COM の拡張版コマンドモードを設けた単純なテキストエディタ WordMaster を開発した。操作体系は後のWordStarによく似ている。これも広く普及し、MS-DOS/PC-DOS版も発売された。 WordStar は1978年、MS-DOS以前の時代には最も一般的だったオペレーティングシステム (OS) である CP/M向けに開発された[3]。CP/M上では最も機能が豊富で使いやすいワードプロセッサであったため、デファクトスタンダードとなった[4][5]。1981年には WordStar 2.26 がポータブルコンピュータ Osborne 1 に同梱されている[6]。WordStarは間もなくCP/Mで使えるワープロソフトの標準となった。CP/M対応版の最後となった Release 4 は5.25インチフロッピーディスク版がデフォルトで、オプションとして8インチ版も販売されていた。 DOS版の WordStar 3.0 は1982年4月にリリースされた[3]。DOS版はCP/M版とほぼ同じである。IBM PC には方向キーやファンクションキーが追加されているが、いわゆるダイヤモンドカーソルなどのコントロールキーを使った操作がそのまま採用されており、CP/M版のユーザーにとって使いやすくなっていた。WordStarにはフォーマット情報を組み込まない non-document モードがあり、プログラムなどを書くのに使われた。CP/M版と同様DOS版も IBM PC 専用として設計されておらず、任意のx86マシンで使用可能である(当時、PC/AT互換機ではないx86マシンが多数存在した)。そのため、DOSのOSコールしか使っておらず、BIOSやハードウェアに直接アクセスしないようになっている。 最初のDOS版は単純な移植であったため、メモリ空間が640kバイトに広がっていたにもかかわらず64Kバイトしか使っていない。ユーザはWordStarが使わないメモリをRAMディスクにすることによって劇的に高速化できることを発見し、それを利用した。つまり、フロッピーに入っているファイルをRAMディスクにコピーして使用したのである。WordStarは当時としては大型の実行プログラムであり、オーバーレイ方式をとっていたため頻繁にディスクにアクセスしたが、RAMディスクにすることによってこれが高速化されたのである。もっとも、最終的に編集したファイルはRAMディスクからフロッピーディスクに保存する必要があった。 当初から競合製品が存在したが(WordPerfectは1982年、Microsoft Word は1983年のリリース)、1985年ごろまではWordStarがx86向けワープロソフト市場を支配した。そのころ、マイクロプロは WordStar 4.0 をMS-DOS版としてではなくPC/AT互換機版としてリリースした。ただし対応OSは古い DOS 1.x であり、ディレクトリをサポートしておらず、ハードディスク関連機能も制限されていた。1980年代後半になると、最新機能を多数搭載した WordPerfect が市場を支配するようになる[7]。当時英米でのワープロ専用機では、IBMの Displaywriter System
歴史
IBMがそれをパーソナルコンピュータ(パソコン)に移植した DisplayWrite(英語版) を発表したのを受けて、マイクロプロはその機能をコピーした WordStar 2000 を開発することに注力した。