Windows_Vista
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Windows Vista
Microsoft Windows ファミリー

開発者
Microsoft
リリース情報
RTMリリース2006年11月9日 (2006-11-09)[1][2]
一般リリースVL 2006年11月30日 (2006-11-30)[3]
小売 2007年1月30日 (2007-01-30)[3]
最新の安定版6.0 Service Pack 2 (Build 6002) - 公開は2009年5月27日 [ ⇒info]
ソースモデルクローズドソースシェアードソース
ライセンスマイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項
カーネルハイブリッドカーネル
プラットフォームx86, x64
先行品Windows XP
後続品Windows 7
サポート状態
延長サポート終了
メインストリーム サポート終了日:2012年4月10日
(米国日時・終了済み)
延長サポート終了日:2017年4月11日
(米国日時・終了済み)[4][5]

Microsoft Windows Vista(マイクロソフト ウィンドウズ ビスタ)は、マイクロソフトが2006年にリリースした、Windowsシリーズに属するパーソナルコンピュータ用のオペレーティングシステム(OS)である[6][7]
概要

開発時のコードネームは Longhorn (ロングホーン)[8]。2006年11月30日にボリューム ライセンス契約者へ提供が開始され[9]、2007年1月30日に全世界で発売された[10]

Vista の名称は「見通し」「展望」という意味を持つ[11]。マイクロソフトは「混乱を解消し、あふれる情報を整理し、未来を垣間見せる」ということとしている。

2017年4月11日(日本時間12日)を以って延長サポートが終了した。(しかし、当時Windows Server 2008のサポートがまだ終了していなかったため、一部ではServer 2008のパッチをそのままVistaに適用する取り組みも行なわれていた。)その後は企業向けの有料契約者に限定したカスタマーサポートおよび、それまでの古い更新プログラムやQ&A情報のウェブ掲載を当面継続するというオンラインセルフヘルプサポートのフェーズに入った[12]。しかしこれらは事後処理程度の意味合いしかなく、新たな更新プログラムは(ごく一部の例外を除き)提供されないため、一般ユーザーにとっては事実上のサポート終了となる。なお新たなライセンスの取得手段はボリュームライセンスのダウングレード権という形で残されてはいるものの、インストールメディアの提供は終了している。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、延長サポート終了済のWindows Vistaのセキュリティ上の危険性を指摘しており、新たな脆弱性が発見されても更新プログラムが提供されず、ソフトウェアの使用を継続している場合、「PC の乗っ取り」や「機密情報の漏洩」「業務停止」などといった円滑な事業継続を損なうリスクが発生する可能性があるため、事業を継続する場合、企業など組織の管理者、および一般ユーザーはリスクを認識し、後継システムへの速やかな移行が必要としている[13]
開発

2001年5月、Windows XPをベースにLonghornとして開発を開始した。当初は、Windows XPと、そのメジャーアップグレードとなるBlackcomb(後のWindows 7)の中間にあたるマイナーアップグレードとして位置づけられ、2003年にリリースされる計画であった。
しかし、2002年4月頃、Longhornはメジャーアップグレードに格上げされた上で、2004年までリリースされないように、計画が変更された。

コンピューターウイルスの大規模な感染を契機にWindowsのセキュリティに関する動きが起こった。マイクロソフトは根本的な対処にあたるため、Windows開発の全てを中止して、従業員のセキュリティ研修に時間を割くことになった。
そして、セキュリティが強化されたWindows XP SP2を開発するにあたり、Longhornの開発にも影響を及ぼした。セキュリティ分野に関してLonghornの開発にあたり、セキュリティ機能の検査や検討などにNSAも関与し、その後NISTNATOからも申し出を受けたことを後に明かした[14]

2003年頃から、Longhornは従来とは違う開発プロセスが用いられるようになり、MinWinと呼ばれるものを基本として開発されるようになった。その間に、Longhorn開発チームのビルドプロセスが変更された。
2004年頃、それまでの開発中であったLonghornはリセットされ、Windows Server 2003をベースに開発が再開された。2005年6月、Windows Vista Beta 1が公開された。2006年にはBeta 2、RC1、RC2がリリースされ、2006年11月8日に開発が完了した。

製品名は候補としてWindows Seven、Windows 7.0、Windows 7等が挙がったが、2005年7月、Windows Vistaに決定した[15]。同年9月にはエディションが現在に近いものに決定された。

結果として、マイクロソフトはWindows Vistaの開発に5年の歳月と60億ドルを費やした[16]
特徴

従来のWindowsにはない新機能が多数搭載され、これまでのWindowsとはかなり異なる印象を受ける。また、Windows XPまで存在した「マイ コンピュータ」や「マイ ドキュメント」などの伝統的なフォルダの名称から「マイ」が外れ、単に「コンピュータ」や「ドキュメント」と呼ばれるようになった。
ユーザインタフェース
Windows Aero
3D グラフィックを使用し、透過ウィンドウ、フリップ3Dなどの視覚効果が可能。詳細は「#視覚スタイル」を参照。これらの視覚効果は、従来の画像処理APIであるGDIに代わってDirectXを用いて処理されるようになっており、GPUを使用するようになっている。このため、高性能なGPUを搭載している場合においては、GDIを用いた従来の場合よりも高速な処理を期待できる。反面、パソコンのスペックによっては、Windows Aeroを有効にすることによりパフォーマンスが落ちることがある。また既存のアプリケーションが正常に動作することは保証されておらず、Aeroが有効になっていると描画に不具合が発生するアプリケーションも存在する。
リボン
従来のメニューに代わり、タブで切り替えアイコンを中心としたボタンをクリックすることで操作する手法。同時発売のOffice 2007から採用された。従来のメニューでの操作に慣れていた人からは分かりづらいという批判もある。
シェル
スタート メニューが整理され、表示方法やフォルダ ウィンドウの操作性などが変更された。これにより、マウスの移動距離そのものは若干だが少なくて済むようになった。タスクバーの内容がサムネイル表示できるようになった(ウインドウ プレビュー機能)。これによりフォルダの中身を表示したり、アイコンの大きさを自由に変更できるようになったため、ファイルやその内容の確認がしやすくなり可視性が向上した。
音声認識
音声認識技術の向上によって音声での文字入力および音声でのパソコンの操作が可能である。ただし、オーディオデバイスが正しく起動しないという不具合が多発しているため、使用できなくなることが多い。
タブレット機能
Home Premium、Business、Enterprise、Ultimate に搭載。Windows XP Tablet PC Edition から継承した機能。ペンタブレットタブレットPCで動作する。ペンの動きで簡単な操作を行う「フリック」が追加された。
日本語環境の充実
新デザインの日本語フォント「メイリオ」が搭載され、JIS漢字コードJIS X 0213:2004 (JIS2004) に対応した[17]。標準フォントセット(MS ゴシック類3種、MS 明朝類2種)も変更が加えられ、JIS X 0221:2001 の文字集合と JIS X 0213:2004 の追加文字が採用され、字形も旧来の JIS X 0208:1990 から、前記の文字集合・追加文字の2つを合わせた JIS X 0213:2004 に変更された[18]
Windows Search
検索インデックスサービスが常駐し、ユーザーのインデックスを作成することでファイル検索時に瞬時に結果が表示されるようになった。またdocファイルやテキストファイルはファイルの中身の検索にも対応し、アーティスト名や写真のExif情報を使った検索にも対応する。
セキュリティ
Windows Update
Windows XP以前で採用されていたWebベースでのインタフェースが廃止され、コントロール パネルから利用するようになった。
ユーザーアカウント制御 (UAC:User Account Control)
Windows Vistaでは管理者アカウントであっても通常は一般ユーザー以下の権限で動作し、管理者権限が必要なときにダイアログでその確認を求めるようになった[19]。これにより、システムに変更を与えるプログラムの動作の可否を確認する手順を設けることができるため、システムに重大な影響のある操作を不用意に行ってしまうことを防止できる。ユーザーアカウント制御は、ほかの管理者ではない標準ユーザーがログインした状態で管理者のパスワードを入力すると再起動の必要なくその場で管理者の権限を得ることができるため、標準ユーザーからでもソフトウェアなどをインストールすることができるようになった。Windows XPなどUACのないバージョンからアップグレードされたWindows Vista環境では、旧環境でインストールされたアプリケーションの動作互換性のために、UACが一部緩和されている。このため、クリーン インストールした環境とアップデートした環境とで、同じWindows Vistaでありながらアプリケーションの挙動が異なるといった事態が起きている。
Internet Explorer 7の保護モード
UACの関連機能の一つ。信頼済みサイトに登録されていないサイトを閲覧する場合、Internet Explorerを通常より低い権限で動作させ、悪意あるプラグインなどからコンピュータ内のファイルなどを操作されることを防いでいる。なお、副作用として保護モードで閲覧中はIMEのプロパティ変更や、辞書登録などが行えず、既に辞書登録済みの単語が変換候補に出ない、共有プリンタから印刷ができない[20]等の問題が起きている。なおこの機能は上記 UAC に依存するため、Windows Vista/Server 2008 で動作する IE7 にのみあり、UAC のない Windows XP や Windows Server 2003 用の IE7 にはない[21]
Windows リソース保護 (WRP:Windows Resource Protection)
WRPで保護されたファイルは、削除や変更ができなくなっている。これにより、システムファイルを削除したり改変するような操作の過失や、悪意あるアプリケーションから守られている。この機能は上記UACとは独立して動作しており、たとえ管理者権限を有していたとしても削除や変更が行えない。なお、Windows Updateが行う変更については例外的に許可されている。
Windows Defender
スパイウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出・削除するアプリケーション。ほかにも、スタートアップアプリケーションの管理やアプリケーションが行った不正な変更の監視なども行うことができる。ちなみに、Windows Defenderのスパイウェア定義ファイルは定期的に自動で最新版に更新される。
保護者による制限
一部のゲームやアプリケーションの起動、インターネットにおける特定のコンテンツの閲覧を制限させる機能。
BitLocker
Enterprise、Ultimateに搭載。Windows XPまでに搭載されている暗号化ファイルシステムに加え、TPMもしくはUSBメモリと組み合わせて用いるBitLockerと呼ばれる暗号化機能が搭載される。
サービスとドライバのSession 0分離
Windows Vistaでは、以前のOSとは異なりサービスやドライバの動作するセッションと、フロントエンドのアプリケーションが動作するセッションが切り離された。これにより、ユーザーが実行した(もしくは、知らずに実行してしまった)悪意あるアプリケーションから実行中のサービスやドライバへ介入する手段が制限された。
カーネル修正の保護
64ビット版のWindows VistaはSP1からPatchGuardとして知られるカーネル保護機能がある。これでカーネルを不正な意図で書き換えられるのを防ぐ。コンピュータ セキュリティ企業は、これはセキュリティ対策ソフトなどシステムを防御するソフトの動作を妨げる物だと主張し、機能の改正を求めた。これに応え、マイクロソフトは正当な方法でカーネルにアクセスすることを可能にするAPIを追加すると発表した。これによって、サードパーティーは PatchGuard の動作を回避して、従来通りのセキュリティ機能を提供することが可能となる。ただし、このAPIにアクセスするためにはマイクロソフトと別途契約を結ばなければならない。
システムおよび環境
.NET Framework 3.0
Windows Presentation FoundationやWindows Communication Foundation、Windows Workflow Foundation、Windows CardSpaceは安全で高速かつ柔軟なアプリケーションの開発を可能にする。
Windows SuperFetch
ユーザーのアプリケーション利用パターンに基づいて必要なデータをメモリ上にキャッシュし、アプリケーションの起動や切り替えの時間を短縮する技術。
Windows ReadyBoot
Windows Vistaの起動時のブートプロセスを学習してそのシステムに最適化し、起動のパフォーマンスを向上させる機能。メモリが512MB未満のシステムの場合はWindows XP相当のプリフェッチを行い、システムに700MB以上のメモリが搭載されている場合は、メインメモリのキャッシュを利用してブートプロセスを最適化する。過去5回のトレース情報を元に、CPU の空き時間を利用し、次回のキャッシュ計画を生成する[22]
Windows ReadyBoost
フラッシュメモリの記憶領域をキャッシュメモリとして使用し、総合的なパフォーマンスを向上させる。PCに搭載している物理メモリと同じ容量か、それよりも多いものを使用することが推奨されているが、小容量でも効果が出ないわけではない。容量は空き容量が230MB以上のものが必要、設定可能な容量の上限は、32ビットのアドレス長の最大である4GBまで。
Windows ReadyDrive
ハイブリッドHDDをサポートするための機能、またハイブリッドHDDを活用した省電力機能。
DirectX 10.x
新しい表現能力とハードウェアの性能をフルに活用したDirectXの新バージョン。マイクロソフトによると、これによってゲームのスピードが向上し、ユーザーは新しい体験を手に入れることができるとしている。
シャドウ コピー
シャドウ コピーでは、作業中の任意の時点でファイルのコピーが作成されるため、誤ってドキュメントを削除してしまった場合にそのドキュメントの各バージョンを迅速に復元することができる。
IPv6
IPアドレス枯渇問題に対応するためIPv6が最初からサポートされている。IPv6のグローバルアドレスが設定されていない場合、マイクロソフトが無償提供しているTeredoによる接続サービスによるトンネリングを自動設定する。IPv4のグローバルアドレスが設定されている場合、マイクロソフトが無償提供している6to4による接続サービスによるトンネリングを自動設定する。ただし、ホスト名のアドレス解決においてホストにリンクローカルアドレスまたはTeredoアドレスしか割り当てられていない場合、DNSクライアントサービスはIPv4用のAレコードに関するクエリだけを送信するためIPv6アドレスが取得できず、URLで直接IPv6アドレスを指定したりしない限り、指定した相手にIPv6で通信することはない[23]。そのため、IPv6でインターネットを参照できる環境であっても、ホストにリンク ローカル アドレスまたはTeredoアドレスしか割り当てられていない場合、Internet ExplorerにIPv6のIPアドレスを持つサイトのURLをホスト名で指定しても、IPv6でアクセスすることはできない。この仕様は、IPv4を主に使用する環境での性能低下を回避するためのものである。
アプリケーションおよびエンターテイメント
Windows Internet Explorer 7
Low-Rights IE、フィッシング詐欺検出機能などによるセキュリティ対策の強化、アルファチャネル PNG への対応や、CSS2 への対応の強化、タブ ブラウズ機能、フィード リーダー機能が追加された。
Windows メール
Windows XPまで存在していた Outlook Express に替わってWindowsメールが搭載。


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