ウィキペディアにおけるフィクション作品の記事の中では、あらすじを説明するセクションとは別に登場人物を説明するセクション(「登場人物」や「登場キャラクター」のような見出しを持つもの)が設けられている記事が多数あります。そのほうがうまく物語を説明できるような場合には、もちろんこのようなセクションを設けることになんの問題もありません(もっとも、すべての作品記事に必要なわけでもありません)。たとえば、物語に深く関与する登場人物が多数いるために、あらすじのセクションの中では詳しい説明が困難な場合や、それぞれの登場人物が重要なサブ・プロットを持っているような場合には、登場人物欄を設けたほうがうまく作品を説明できるでしょう。
しかしながら、現在の日本語版では、このような登場人物欄が個別のエピソードで膨れ上がっていく一方、本来されるべきあらすじの説明はほんの数行しかない、という記事が多数存在するということがあります。こうした記事ではしばしば「あらすじ」では作品のごく始めの部分しか書かれておらず、物語の重要な展開は登場人物節を読まなければ何もわからない構造になってしまっています。
作品を主題とした記事を作る以上は、作品の内容は「あらすじ」節において物語全体の構造を示しながら説明すべきであり、登場人物欄はあくまでその補足であるべきです。あらすじの記述は、たとえ登場人物節の記述をまったく読まなかったとしても、その物語の全体的な流れを理解できるように記述してください[注 5]。この場合、あらすじの内容と登場人物節の内容とはある程度重複してもかまいません。
最後に[ソースを編集]
以上でウィキペディアにおいてあらすじを書く際の注意事項を説明しました。しかし「基本的な考え方」で述べたように、ウィキペディアにおける作品記事の目的は、それが現実社会のなかでどのように位置づけられるかを読者に理解させることにあります。したがって記事の中では、あらすじや登場人物など、作品内容の解説があるだけでは不十分です。記事を書く際には、その作品の成立や発表の経緯、その作品に対する専門家の批評、社会的影響など、その作品に関わる作品外部の情報をしるし、作品内の情報との間でバランスを取ってください。もし作品内容のほかにさほど書くことがないようなものであれば、その作品を記事にすることはさしあたり思いとどまったほうがよいかもしれません。
注釈[ソースを編集][脚注の使い方]^ 必要があって作中の台詞や文章を引用しているような場合はもちろん例外です。
^ 英語版では、3-4段落(小説)、400語から700語(映画)、200語以下(TV番組のエピソードリストの中の1エピソード)、400語以下(TV番組の1エピソードごとの記事)。(いずれも単語数であって文字数ではない)のように、分野別のウィキプロジェクトごとにあらすじの長さの目安が設けられているものがあります。
^ 記事内のネタバレの存在に注意を促すテンプレートは、百科事典的でないものとして廃止されました。
^ このような細部まで書かれた(しばしば非常に長い)あらすじは、多くの場合執筆者が自分の作品体験をそのまま再現しようとすることによって書かれます。しかし「基本的な考え方」にも示したように、あらすじで必要なのは作品の魅力を伝えることではなく、作品の説明を行うことなのです。ウィキペディアの記事は作品の代替物ではないのだということを忘れないようにしてください。
^ とはいえ、登場人物節を持つ作品記事で、そのセクションが肥大化したために登場人物欄を独立した記事として分割する場合には、分割元の体系性が損なわれないよう、特に主要な人物の基本的な情報を残すようにしてください。分割元の記事と子記事との間である程度記述が重複してもかまいません。
関連項目[ソースを編集]
文書
Wikipedia:スタイルマニュアル (フィクション関連)
Wikipedia:特筆性 (フィクション)
プロジェクト:フィクション/登場人物と設定の記述
Wikipedia:ネタバレ
Wikipedia:過剰な内容の整理
プロジェクト:フィクション/過剰な内容の整理
テンプレート
Template:要あらすじ
Template:不十分なあらすじ
Template:長すぎるあらすじ
Template:エピソードリスト/base