Wachovia
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ワコビア・コーポレーション
Wachovia Corporation市場情報
NYSE: WB
本社所在地 アメリカ合衆国
ノースカロライナ州シャーロット
設立1879年
業種金融業
総資産5207億5500万USドル
従業員数約9万6000人
主要子会社Wachovia Bank, N.A.
Wachovia Mortgage
Wachovia Securities, LLC
外部リンク ⇒http://www.wachovia.com/
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ワコビアセンター(シャーロット)

ワコビア(Wachovia Corporation)は、かつてノースカロライナ州シャーロットに本拠を置いていた、米国の大手金融機関である。多様で幅広い金融業務を展開しており、一般的な預金のほか、資産管理、コーポレートバンキング、投資銀行業務などを行った。

リテール分野ではワコビア銀行(Wachovia Bank)として、コネチカット州からフロリダ州、西はテキサス州まで、東部を中心とした15州で活動。西部においても、合併・統合処理中のウェスタン・フィナンシャルバンクをカリフォルニア州にもっていた。また、ワコビア証券(Wachovia Securities)は全米、およびラテンアメリカ6ヶ国において、リテール証券売買仲介業務を行う。このほか、世界各国に40の支店を構えていた。

2009年より、ワコビアの商標がウェルズ・ファーゴに3年間で順次転換していくことが発表され[1]、2011年10月15日にノースカロライナ州の最後の支店がウェルズ・ファーゴに転換され、消滅した[2]。この衰退期には、メキシコの麻薬カルテルに関係した資金洗浄が摘発されて、2010年3月にワコビアは1.6億ドルの科料を払うことになった(英語版該当節)。
前身

今日のワコビアは、ファーストユニオン社と旧ワコビアの合併により誕生した。両社はこれを対等合併と発表したが、ファーストユニオンの本拠シャーロットが現在も引き継がれていることから分かる通り、実際のところはファーストユニオンによる旧ワコビアの買収だった。
ファーストユニオン

ファーストユニオン(First Union Corporation) ⇒[1]はシャーロットに本拠を置く巨大金融機関であった。2001年に旧ワコビアを買収し、存続会社の商号にはワコビアを残した。

かつてはファーストユニオン・ナショナルバンク・オブ・ノースカロライナと名乗っていた。1958年に金融機関3社(ユニオン・ナショナルバンク、ファースト・ナショナルバンク、トラストカンパニー・オブ・アッシュビル)の合併により設立された。

同行はワコビア買収以前にも80以上の金融機関を買収している。
コアステート買収の失敗

フィラデルフィアに本拠を置くコアステート・フィナンシャル(CoreStates Financial Corporation) ⇒[2]は、1998年にファーストユニオンに買収された。この買収は、結果として大失敗に終わった。

ファーストユニオンはコアステート買収後、両社のコンピュータシステム統合を迅速に終了させようとした。しかし、旧コアステート社員は新システムに不慣れであったため、旧店舗間の取引ではトラブルが続発。預金振込や貸出しなどに支障を来たし、大量の顧客(当時の全体の2割近く)を失った。

さらにその後、合併にあたって、実際の帳簿価格の4倍もの費用をかけていたことが判明している。

コアステートを含めた相次ぐ金融機関買収、それに伴う失敗が重なり、ファーストユニオンの成長は鈍化。1999年には数千人の行員解雇を迫られた。
旧ワコビア

ワコビア・バンク・アンド・トラスト(Wachovia Bank and Trust)は1911年、ワコビア・ナショナルバンク(1879年設立)とワコビア・ローン・アンド・トラスト(1893年設立)の合併により誕生した。両社はノースカロライナ州ウィンストンセーラムに本拠を置いていた。

1986年12月12日、旧ワコビアはファースト・アトランタを買収。アトランタ・ナショナルバンクとして1865年9月14日に設立された同行は、アトランタの最古参の銀行であった。これにより、旧ワコビアは米国でも珍しい、本社機能を2都市(ウィンストンセーラムとアトランタ)に置く体制となる。

1998年、旧ワコビアはジェファーソン・ナショナルバンクとセントラル・フィデリティ・バンク(いずれもバージニア州地盤)を買収。

2000年には旧ワコビアとして最後の買収となる、リパブリック・セキュリティ・バンクを手に入れ、フロリダ州の営業網を獲得した。
ファーストユニオンと旧ワコビアの合併

2001年4月16日、ファーストユニオンが旧ワコビアとの経営統合を発表した。形式としては共同出資による対等合併だったが、前述の通り、事実上ファーストユニオンによる旧ワコビア買収である。この発表は金融関係者に大きな衝撃を与えた。旧ワコビアが2000年に経営危機に陥り、買収対象として見なされ始めた頃、サントラストに身売りする、いわゆる「タバコ・コーラ」合併の観測が強かったためである(これは、旧ワコビアがタバコメーカーと長年協力関係にあり、対してサントラストがコカ・コーラ社のIPO以来の大株主であることに由来する)。

ワコビアの前CEOバッド・ベーカーは、ファーストユニオンとの合併を秘密裏に進めるため、ファーストユニオンCEOケン・トンプソンとの交渉をモーテルで行っていた、と後に語っている。

この合併に対しては、各方面から批判の声も上がった。特にアナリストらは、ファーストユニオンによるコアステート買収時の悪夢が繰り返されることを恐れていた。

また、ウィンストンセーラムの市民政治家からは、地元の有力企業が買収されることによって、雇用面などで市にマイナス影響を及ぼすことを懸念していた。ウィンストンセーラムは、シャーロットに比較し極めて小規模の都市であり、新銀行の本社機能がシャーロットに集中されるのは明らかだった。

結局、ファーストユニオンは、資産管理部門とカロライナ地区の本部をウィンストンセーラムに置くとしたことで、こうした不安を沈めた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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