W
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その名のとおり、古英語で使われはじめた二重音字「vv」または「uu」に由来する文字である[注釈 2]
字形筆記体ジュッターリーン体

Vを横に2つ連ねた形であり、大文字、小文字同形である。しばしば2つのVを重ねて(左のVの右斜線と右のVの左斜線を交差させて)書く。V同様、筆記体では下部を丸めて書き、右上で折り返す。フラクトゥールは W   w {\displaystyle {\mathfrak {W\ w}}} 。
呼称

二重のV

: doppia vu, doppio vu(ドッピャヴ/ドッピョヴ)

西: uve doble, ve doble(ウベドブレ/ベドブレ)

: ve dobrado, ve duplo(ヴェードブラド/ヴェードゥプロ)[注釈 3]

: dupla ve(ドゥプラヴェー)

: dublu ve(ドゥブルヴェ)

: kaksois vee(カクソイスヴェー)

: double ve(ドゥブルヴェ)

エス:duobla vo, ?ermana vo (ドゥオブラヴォ/ヂェルマーナヴォ(ゲルマン人のV))


二重のU

: double u(ダブリュー)  聞く[ヘルプ/ファイル]


音素名称

:ヴェー

:ウェー

:ヴ


音素

国際音声記号としては、小文字 [w] は有声両唇軟口蓋接近音

言語においてこの文字が表す音価は、

イタリア語エスペラント語スペイン語フランス語ポルトガル語などでは外来語にのみ使い、起源によって [w] または [v] (スペイン語では [β])で発音する。またこれらの言語において [w] は一般に、母音音素 /u/ の異音として解釈できるものである。

インドネシア語英語などでは 有声両唇軟口蓋接近音 [w]。

英語では、音素 /w/ は後続の短母音を変化させる。ただし、母音の後にさらに軟口蓋音(/k, ?, ?/)がつづく場合にはこの限りではない。


ウェールズ語では/w/のほかに母音/?, u?/をも表す。例:cwm /k?m/「谷」。

オランダ語では唇歯接近音 [?] (上の歯を下唇に接近させた [w])を表す。

スラヴ語でもおおむね [v] で、v と同じ音素を持つ。スラヴ語において、v と w は外来語を除いて片方しか使われない。チェコ語クロアチア語などでは v を、ポーランド語などでは w を使い、もう片方は外来語にのみ使われる。

中国語ピンインでは、介音 /u/ [?] が頭子音をともなわない(音節頭に来る)場合に用いる。頭子音をともなう場合は u を用い、書き分けを行っている。なお、「五」「烏」など主母音,尾音無しで介音/u/のみの場合、あくまで発音は/u/であり半母音/w/が(たとえば英単語のwoodやwolfなどのようには)発音されるわけではないが、子音(半母音)があるかのようにwuと表記する。

朝鮮語のローマ字表記では、母音字母の内、発音に/w/を含む?????はwa、wae、wo、we、wiとなりwを含む。なお、?も/w/を含む発音だがoeとなりwを含まない。

ドイツ語では有声唇歯摩擦音 [v]。

日本語のローマ字ではワ行の音写に用いる。ワ行の子音 /w/ は [w] に似るが、母音の/u/ と同様に円唇性が弱い。方言差や話者個人によっても変わるが、実際には後舌と軟口蓋を接近させない両唇接近音[β?]として発音されることが多い。 /u/ の標準的な音価を [?] と記すような場合には、これを [?] と記述することがある。なお、訓令式およびヘボン式では「ゐ」「ゑ」「を」は「い」「え」「お」と同じ発音のため、子音無しのi、e、oとなり、実際にwが使われるのは「わ」のwaのみである。日本式では「ゐ」「ゑ」「を」もwi、we、woと表す。IMEにおけるローマ字入力では「を」は通常woになるが、「ゐ」「ゑ」はwyi、wyeと入力する場合や、直接入力出来ないがwi、weと入力して表れる「うぃ」「うぇ」、もしくはi、eと入力して表れる「い」「え」を変換すると候補に出てくるなど、IMEによってまちまちである。

歴史

古代ローマ人の時代のラテン語では、W の文字は存在せず、/w/ の音素V の文字を使って表記していた。しかし、V の文字は/w/と同時に母音の/u/を表しており、さらに英語などのゲルマン語には、元来のラテン語にない/v/の音素があったため、V は一文字で 3 音素を表すことになった。そこで、/w/の音素を表す場合は V を重ねてVVと表記する慣習が生まれ、やがて二つのVが繋がって一つの文字になり、Wとなった。一方で母音の/u/を表すにはVの字の底を丸くしたUを用いるようになり、これが各地域に定着した。さらにドイツ語では /w/ の音素が消滅したため、新しく作られたWの字は/v/の音素を示すようになった。

語頭に /w/ を含むゲルマン語の語彙がロマンス諸語に伝わると、werra→guerra のように /gw/ に変化した。
W の意味
一般的な略語

西 (west)。

ヒップホップにおいてアメリカ合衆国西海岸(ウエスト・サイド)。

西日本向け商品に示される記号(日清食品どん兵衛[1]など)。

新幹線W7系電車E7系JR西日本仕様)


女性(woman)。

女芸人No.1決定戦 THE W』などのタイトルにも使われる。


(width)。

ウエスト (waist)。人体のサイズを表示するときに、B(バスト)やH(ヒップ)とともによく使われる。

ウェイト (weight)(体重)。医療略語。

Week(週間)の略。主に医学の分野ではよく使われる。例:3W(3週間という意味)。

world(世界)。ワールドカップ(スポーツの国際大会)を「W杯」とするなど。

日本語では、「二倍の、二つの、二人の」などを意味するダブル(double)の意味で使われる(当て字[2]。これは英語名「ダブリュー」(double U)が「ダブル」と音が似ていること(また、俗に「ダブリュー」を「ダブル」と誤って発音されてしまうこともある)が起源である。この表現は日本語独自のもので、本来は誤用であり、日本人、もしくは、日本語に精通した外国人以外には当然ながら通じない。英語圏ではdoubleの略としてはDを用いる。

日本におけるインターネット上のチャット掲示板では、笑いを文字表現する際、"waraiの省略として「w」と表すことがある[3](用例: 面白いねw)。基本的に全角で、「ワラ」と読むのが一般的。「www」と並べて書くこともあり、草が生えているように見えることから「草」「草生える」「大草原」などと表現されることもある[4]。「芝」という表現もある[4]

英語の疑問詞における、"Who, What, When, Where, Why"の総称。詳しくは記事「5W1H」を参照のこと。

一般用照明器具の取付のうち壁付。構内電気設備配線用図記号 (JIS C 0303:2000) で用いられる。

科学分野

タングステンの元素記号。

物理学では仕事仕事関数を表す記号として用いられる。

仕事率電力など)の単位ワット

熱力学では、まぎらわしさ回避のため速度を v ではなく w と表す。


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