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WYSIWYG(アクロニム: ウィジウィグ)とは、コンピュータのユーザインタフェースに関する用語で、ディスプレイに現れるものと処理内容(特に印刷結果)が一致するように表現する技術[1]。What You See Is What You Get(見たままが得られる)の頭文字をとったものであり、「is」を外したWYSWYG(ウィズウィグ)と呼ばれることもある[1]。
近年では、コンテンツ管理システムでも使われるようになり、この場合は、入力画面と出力画面が一致するよう表現する技術を指す。 元来の意味は、文書作成プログラムを使った時にコンピュータのディスプレイで見たままに、同じサイズで印刷結果が得られることを指す言葉であった。[2]文字の大きさや装飾などが印刷前に画面上でも確認でき、画像やグラフなどの文字以外の要素がある場合にはその配置状態も画面で確認できる。また、禁則処理や字詰めなどが画面と印刷でまったく一致するということも含まれる。 だが現実には多くの場合において、印刷結果が画面で見ていたものと完全に一致することは無い。これは、多くの場合に画面と印刷物では解像度や縦横比が異なることや、画面で見る場合にはスクロールバーなどのインタラクティブな要素が入ってくることが多いことに起因する。また、ソフトウェアによっては、これらの要因などにより画面描画時と印刷時にまったく同じアルゴリズムのプログラムを用いることができず、結果が異なることも多くある。さらに、色が関係する場合にはデバイスの特性の違いのため、まったく同じ結果を得ることが不可能であるということもある。 AppleのMacintoshは、当初は完全なWYSIWYGを目指して設計され、画面表示と印刷出力の両方でQuickDrawを開発して利用した。そのとき、文字のサイズの単位であるポイントがほぼ1/72インチであることに着目し、画面解像度が72dpiに近いディスプレイが標準で採用され、「1ポイント=1ドット=1ピクセル」という原則が打ち立てられた。プリンターも72の整数倍である144dpi、216dpiの解像度のものが用意されていたうえ、表示用の2倍、3倍の解像度の印刷フォントも搭載されていたため、画面に表示されたのとまったく同じ印刷出力を得ることが可能であった。グラフィックは印刷においても画面と同じ72dpiそのままでジャギーが目立ったが、当時はさほど支障とはならなかった。QuickDrawをストレートに実装したアプリケーションにMacPaintと MacDrawがあり、MacintoshのユーザはそれらによってWYSIWYGを体感できたのである。 その後はMacintoshでもモニタ解像度が任意となり、画面サイズと印刷出力のサイズが必ずしも一致しなくなった。 現在ではレイアウトやカラーマネジメントにおいて、編集中もしくはプレビュー時に画面に表示されるものとほとんど同じものが、最終結果(印刷結果に限らず、HTMLによる文書なども含む)として得られるようなアプリケーションや、その編集方法を指す場合も多い。また、画面上で文字などのオブジェクトを選択し、レイアウトや色彩などその属性を変更すると、即座に画面に変更結果が表示されるというユーザインタフェースのことを指す場合もある。つまり、ユーザのイメージがすぐ実現するということを重視するのである。さらには、コンピュータディスプレイ上で図形などを用いて表現される事物に対する操作が、実際の動作とできるだけ一致するように工夫されたユーザインタフェースのことを指す言葉としても用いられることさえある。具体的には、「ファイルはフォルダの中に入っているものなので、画面上でフォルダを開く操作をすると中のファイルを取り出すことができる」とか「ファイルを印刷機に入れる操作(ファイルアイコンを印刷機アイコンに重ね合わせる)によって印刷を実行できる」などという操作環境のことである。これらは一般にはデスクトップ・メタファと言われるものであるが、こういった概念も元来は無関係のWYSIWYGに含めて混同して考えるということもしばしば行なわれる。 なお、NEXTSTEPは画面出力にDisplay PostScript、印刷出力にPostScriptを採用し、画面・プリント出力とも同じ結果を得ることができた。NEXTSTEP/OPENSTEPとClassic Mac OSの後継であるmacOSでは、PDFベースのQuartzにより、解像度に依存しないWYSIWYGを実現している。
意味