WOMBS
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WOMBS(ウームズ)
ジャンル
SFミリタリー
漫画
作者白井弓子
出版社小学館
掲載誌月刊IKKI
レーベルIKKI COMIX
発表号2009年6月号 - 2012年6月号
巻数全5巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『WOMBS』(ウームズ)は、白井弓子による日本漫画植民惑星における移民間の戦争を描いたミリタリーSF作品。女性の妊娠する機能兵器へと転用された世界で、軍の切り札として戦う女性たちの物語である。

2010年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品となり、2017年には第37回日本SF大賞で大賞を受賞した。

2020年8月からは、本作品の前日譚となるスピンオフ作品『WOMBS クレイドル』が双葉社webアクションにて連載された。
作品誕生経緯

作者が1990年代ごろに見たテレビ番組での妊婦に対するハラスメント的な発言や、ママ友が妊娠中に夫から受けたドメスティックバイオレンスの話が切っ掛けとなって戦う妊婦のイメージが生まれ、それがさらに年月をかけて本作品へとつながっていった[1]。また、妊婦であることによって批判される場合がある状況から、逆に国家の存亡を握る存在にするという着想に至った。作者自身が2児を出産した経験を持ち、その体験が本作品に大きな影響を与えている。[2]
出版経緯

『WOMBS(ウームズ)』は、月刊漫画雑誌『月刊IKKI』において2009年6月号から連載され、2012年6月号に掲載の第17話をもって連載を終了した。以降は描き下ろしによる制作となり単行本第4集まで出版されたが、母体である『月刊IKKI』が2014年11月号をもって休刊することが決定され、WOMBSは次巻第5集で完結することが決定された。それまで本作はさらに数巻継続することが予定され、その前提による第5集の制作が終盤まで進行していたが、この方針転換に伴い大幅な原稿の描き直しが行われて2016年1月に最終巻第5集が発売された。

なお、第5集の1、2話目として収録される第33話「幸福なポイント」および、第34話「ドクター・リン」は、発売に先立ち2014年12月から2015年1月にかけてウェブサイト『イキパラ』で先行公開された。

また『月刊IKKI』にて2011年に始まった1ページのWOMBSコーナーとして『特別転送隊レポート』、『碧王星博物誌』、4コマ漫画などが掲載され、本編連載終了後も同誌が休刊になるまで続けられた。

同コーナーに掲載されたこれらの作品は、後に作者が自費出版した『WOMBS REMNANTS』(ウームズ レムナンツ)に収録された。
あらすじ

植民惑星・碧王星(へきおうせい)では、20年続く第二次移民(セカンド)との戦争でほとんどの国々が制圧される中、第一次移民(ファースト)で抵抗を続けるのは「ハスト」一国だけになっていた。

ハスト国軍に徴兵されたマナ・オーガが配属されたのは、子宮に現地生物「ニーバス」の体組織移植することにより空間転送能力を得た女性たちで編成される「特別転送隊」だった。
登場人物
特別転送隊(ハスト)
マナ・オーガ
本作の主人公。ハストに住む第一次移民(ファースト)の女性であり、青果生産部として
ブドウを生産する一家の娘だったが、ハスト国軍に徴兵され転送兵となる。
アルメア軍曹
アルメア隊を指揮するベテランの転送兵。転送隊設立当初からのメンバーであり、転送能力がある『戦闘期』維持の合計最長記録を持つ。
チーフ・ミミ
探索者のチームを率いる、4サイクル目のベテラン転送兵。
サウラ中佐
第一特別転送隊隊長。人間として初めて座標空間を認識し、転送をコントロールした。現在は転送器官を移植されておらず、転送能力を持たない。
ドクター・ニコルズ
軍医中佐。特別転送隊移植培養総責任者。15年前転送部長に引き抜かれるまでは産科医だった。
ドクター・ダイヤモンド
心理カウンセラー。転送兵経験者と思われる。
国立生命科学研究所(ハスト)
転送部長
医療研究者であり、特別転送隊の実現に尽力した。
ドクター・ハーマン
ナノマシンにより座標空間へのアクセスをコントロールする技術を開発した。現在は、現場での作業担当に左遷されている。
用語
碧王星(へきおうせい)
本作の舞台となる惑星。第一次移民(ファースト)により
テラフォーミングが行われ、人類可住惑星となったが、現住生物も共存している。

碧王星唯一の衛星でいびつな形をしている。公転周期はおよそ4週間で自転周期と一致しているため、常に同じ面を碧王星に向けている[3]。碧王星の動植物に様々な影響を与えている。
第一次移民(ファースト)
亜光速航行を繰り返して宇宙を彷徨った後、碧王星にたどり着いて入植した人々。
第二次移民(セカンド)
ファーストよりも後に碧王星に正式な移民としてやって来た。ファーストが宇宙を彷徨う間にセカンドのいた世界では200年が経過しており、その間に科学技術は大きく進歩したと思われる。
ハスト
第一次移民(ファースト)が築いた碧王星の国の一つ。物語の時点では、第二次移民(セカンド)に対して唯一独立を保っているものの国土の半分をセカンドに奪われている。国民皆兵軍事教練言論統制など、軍国主義的な体制となっており、軍事利用が重要視されている女性の妊娠も国によって管理制限されている。ハストとセカンドには絶対的な物量差がある。
碧王連合
第二次移民(セカンド)が設立した国家。
汎人類協会中立ステーション
碧王星の大気圏外に浮かぶ宇宙ステーション


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