WARASHI
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この項目では、寺沢大介原作の漫画について説明しています。童子については「童子」をご覧ください。

『WARASHI』(ワラシ)は、寺沢大介による日本漫画および、それを題材にしたテレビドラマ
概要

週刊少年マガジン』(講談社)にて、寺沢の代表作の一つとなった『ミスター味っ子』の次回作として1990年35号から1991年27号まで連載。全37話、KCコミックス全4巻。#テレビドラマ化されている。少年少女が妖怪と戦う退魔もののホラー漫画で、作者のデビュー作にみられたファンタジーものをベースに後半は高校生活も織り交ぜている。妖怪のグロテスクな描写に加え、体の描写(サービスカット)も複数存在するなど、料理漫画が代表作であるなか異彩を放つ作品となっている。

序盤は勧善懲悪もので妖怪を退治する1話完結型のエピソードであったが、次第に主人公・ワラシの因縁の相手である天邪鬼とのシリアスな戦いが主なテーマとなる。連載終盤(コミックス3巻以降)は、天邪鬼との戦いから3年経過し、ワラシとの再会を待ち望む高校生となったあん子の物語となる。

画風は前作までの児童漫画風にデフォルメが効いたタッチであったが、あん子が高校生に成長した終盤からは頭身が高く少年漫画風のタッチへ変化し、次作「将太の寿司」へ引き継がれた。そのため作者の画風が変わる過渡期的な作品と言える。なお、4巻の袖部分で「成功作とはいえません―」や、別作品での4コマ漫画のコラムで「大コケだった」と後日談を述べており、打ち切りの示唆を伺わせている。

作者の講談社連載作品では喰わせモン!と並び電子書籍化が行われておらず(2021年6月現在)、単行本も絶版のため、長年古本以外での閲覧が困難な作品となっていたが、ピッコマで読むことができる(依然、他のプラットフォームでの電子書籍配信はない)。
あらすじ

友人に頼まれて祖母に妖怪の話を聞くため、友人と共に10年振りに田舎[1]へやって来た14歳のあん子。そこで祖母から「ワラシ様」の話を聞かされる。最初は妖怪を信じていなかったあん子だが、龍神堂の龍石を見に行った際に妖怪に出会ってしまい、襲われたところをワラシに助けられる。この事件を契機に妖怪の存在を知ることとなったあん子は、ワラシと共に妖怪がらみの事件を解決していく。

ワラシは正体を現した天邪鬼を道連れに野槌の口から無間地獄に落ちたことで、東京に平穏な日々が取り戻されたが、3年後、ワラシとの再会を待ち続けたあん子の周囲で再び妖怪による異変が起こる・・・。
登場人物
メインキャラ
ワラシ
主人公童子(わらし)の名が示す通り、茶髪でキバを生やした10歳程度の少年の姿をしている。あん子の祖母の住む田舎では「ワラシ様」と呼ばれ、一種の神様のように敬われていた。伝承では普段は滅多に人前に姿を現さず、いたずらをする音が時折聞こえるのみで、運のいい者のみがごくまれに出会えるだけという。あん子が幼いころに出会っており、その時に「あん子のおっぱいは俺が予約する」と約束するなどスケベでいたずら好きな性格。自然界のあらゆる精霊の力を借りて、その性質を自分の物にすることができる。善の妖怪を率いるワラシ一族の若様で、その長・カハクを父に、人間の女性・ウズミを母に持つハーフ。本来は妖怪として一人前の年齢だが、幼いころに天邪鬼の策略によって両親と別れており、そのショックのために成長が止まっている。天邪鬼との戦いで一度は死ぬが、あん子の愛情により成長した姿で甦り、天邪鬼を道連れに野槌の口から無間地獄に落ちる。3年後、無間地獄から精神のみ人間界に戻ってきたワラシは美童の体内に宿り、ピンチの時に美堂の肉体を短時間だけ借りて妖怪を退治する。最終話では美童の嫉妬心によって封印させられるが、美堂の自決によって無間地獄より肉体ともに完全復活し、あん子と共に日本各地へ悪鬼との戦いの旅に出る。
小萩野 あん子(おはぎの あんこ)
ヒロイン。黒髪でショートカットの活発な女の子。東京の笹原中学校の2年生。妖怪を信じていなかったが、田舎の龍神堂での事件に巻き込まれ、その際のワラシとの出会いにより妖怪の存在を知ることとなる。実は幼いころにワラシと出会っていたが、あん子は覚えていなかった。ワラシとの再会以降は、妖怪事件に首を突っ込むことになり、そのためワラシに呆れられることも。両親を失って一人ぼっちだったワラシにとって、幼いあん子との出会いはかけがえないことだった。ワラシが無間地獄へ落ちた後、ワラシが戻るまで髪を切らないと誓う。3年後、北沢高校2年生へ成長。妖怪・死人使いの仕業による異変を察知し、危機一髪のところで美童の体を借りたワラシと再会し、次々と妖怪事件を解決していく。最後は肉体とも完全復活したワラシと再会を果たし、もう別れたくないという強い意志でそれまでの生活を捨て、悪鬼との戦いの旅に出る。
美童 和彦(みどう かずひこ)
後半に登場するもう一人の主人公で、あん子の同級生・ボーイフレンド。お調子者な劣等生で、揶揄い半分であん子が好きなことを口にして行動を共にしている。あん子曰く言動などからワラシを思い出させる節がある。死人使いに巻き込まれたあん子たちを救うため、死人帰り(ゾンビ化)した同級生を鉄パイプで殴るなど勇敢な一面があるが逆襲され気絶。体内に宿っているワラシへ肉体を貸すことになる。肉体が乗っ取られている間はワラシとしてキリっとした目つきや言動となり、霊力も扱える。最終話で高校卒業後すぐにあん子と結婚することを決心し、デートに誘う準備をする。しかし完全復活が近づいたワラシへの嫉妬心から百目鬼に唆され、体内からワラシが出られないように封印。あん子に告白するがワラシへの想いは変えられないことを認め、電動ドリルで自ら体を刺して自決し、ワラシを完全復活させた。酒呑童子との決戦後、カハクの命を分け与えられて蘇生した。数年後、「あん子とワラシの幻を見る度に、古い傷が疼くように胸を痛くする」とエピローグで締めくくっており、記憶に留めて再会を待ち侘びている様子である。テレビドラマ版では北沢学院大学に通う大学生で名前が「洋」となり、既にワラシが体内に宿っている状態で活躍する。
人間
あん子の祖母
あん子の祖母。田舎に住んでいる。あん子たちにワラシ様の話を聞かせる。遠い昔、一度だけワラシと出会ったことがある。信心深い性格。大事にしていたワラシのお守りをあん子に授ける。
佳子(けいこ)・由里(ゆり)
あん子の友人。あん子と共に田舎へやってくる。龍神堂の事件に巻き込まれてしまい、蛟に精気を吸い取られてミイラになってしまうが、蛟を倒した後のワラシによって助けられる。
あん子の父
あん子の父。妻は怪死を遂げ、残った一人娘もその3年後に失踪してしまった不幸な男。
あん子の母
あん子の母。土蜘蛛に喰い殺されてしまう。
茨城のお姉さん(いばらきのおねえさん)
あん子の親戚。義父の遺産で新築の
タワーマンションに引っ越してきた。


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