またMicrosoftはVulkan APIをDirect3D 12 API上で使うためのMesaのDznバックエンドの開発を推進している[28]。なおそれ以前も同種のものとしてVulkanOnD3D12[29]やRostkatzeが存在していた[30]もののどちらも開発停止中となっていた。 アップルのmacOS/iOS上では、Vulkanは2021年6月時点でネイティブサポートされていないが、Metal APIを利用してVulkanを実現するMoltenVK(旧称MetalVK)の開発が ⇒Brenwill Workshop によって進められている[31][32]。 2018年2月26日に、クロノスはValve、LunarG、Brenwill Workshopとの協業によるMoltenVKのオープンソース化を発表した[33][34][35]。これによりmacOS/iOSでもVulkanおよび開発ツールを無償で利用可能になった。SPIR-V/GLSLをMetal Shading Language (MSL) に変換するコマンドラインのツールMoltenVKShaderConverterも用意されている[36]。 GLFWはバージョン3.3にて、MoltenVKを経由することでmacOS上でVulkanをサポートするようになった[37]。 初期の仕様では、VulkanはOpenGL ES 3.1またはOpenGL 4.x以上をサポートする現行ハードウェアで動作することが述べられていた[38]。Vulkanをサポートするために新しいグラフィックスドライバーが要求されるようになると、OpenGL ES 3.1またはOpenGL 4.x以上をサポートするすべての既存デバイスが必ずしもVulkanドライバーを利用できるわけではなくなった。 主要なPC向けGPUベンダー3社はすべて、LinuxおよびWindowsシステム向けのドライバーの形で、無料のVulkan API実装を提供している[39]。Vulkan 1.2は比較的新しいハードウェアでサポートされており、Intel Skylake以降(Linuxの場合はBroadwell以降)、AMD GCN第2世代[40]以降、NVIDIA Kepler以降などで利用できる[41]。AMD、Arm、Imagination Technologies、Intel、NVIDIA、Qualcommは、2018年後半以降の実際のハードウェアをVulkan 1.1ドライバーにてサポートしている。Mesa 18.1は、RADVとANVILドライバーにてAMDとIntelのハードウェアをサポートしている。Mesa 3Dにおける実際のRADVおよびANVILの状態については、Mesamatrixを参照のこと[42]。 多くのAndroid搭載ハードウェアは、OpenGL ES仕様をサポートしているが、前述のようにVulkan対応状況はハードウェアとデバイスドライバー、そしてOSバージョンに左右される。Android 7.0 (Nougat) 以降でVulkan 1.0を、またAndroid 9.0 (Pie) 以降でVulkan 1.1をサポートする。 2021年6月時点で、AppleデバイスによるVulkan APIのネイティブサポートはない[43]。iOSおよびmacOS向けのサポートもAppleからは発表されていない。この問題に対する回避策として、前述のようにオープンソースライブラリのMoltenVK Qualcomm Snapdragonプラットフォーム向けのAdreno 5xx(2018)および6xxシリーズのGPU(Snapdragon 820など)は、Vulkan 1.0をAdreno GPU SDK経由でサポートしている[45][46]。SDKはAndroid Studio IDEをベースとしており、すべての機能を利用するにはAndroid NDKが必要である[47]。
MoltenVK
ベンダー横断のサポート
Intel、NVIDIA、AMD
Google Android
Apple
Qualcomm
脚注^ “VulkanR 1.3.261 - A Specification
^ ⇒OpenGL 3Dの次世代規格の策定作業がKhronos Groupの指揮下に始まる…ハードウェア重視、マルチスレッド、共通シェーディング言語など - TechCrunch
^ [GDC 2015]Khronos,新世代グラフィックスAPI「Vulkan」を正式発表。OpenGL時代のしがらみを捨てた,スリムでハイエンドなAPIに
^ SPIR - The first open standard intermediate language for parallel compute and graphics
^ [GDC 2015]Khronos,新世代グラフィックスAPI「Vulkan」でAMDの「Mantle」を採用
^ Vulkan: the Official Name of glNext (Next Generation OpenGL) 。Geeks3D
^ Khronos targets DirectX 12 with next-generation Vulkan API - ExtremeTech
^ 「Android」、低オーバーヘッドのグラフィックスAPI「Vulkan」をサポートへ - CNET Japan
^ 新世代の低オーバーヘッドなグラフィックスAPI「Vulkan」,ついに正式始動 - 4Gamer.net
^ Qualcomm Announces Vulkan API Support on the Adreno 530 GPU | Qualcomm
^ Vulkan の実装 。 Android オープンソース プロジェクト 。 Android Open Source Project
^ ⇒Vulkan on NVIDIA GPUs; Piers Daniell, Driver Software Engineer, OpenGL and Vulkan
^ Benefits of the Vulkan macOS SDK - LunarG
^ NDK Revision History 。 Android NDK 。 Android Developers
^ Google Developers Japan: Android Q ベータ版の概要
^ GLFW: Release notes 。Release notes for 3.2 。New features in version 3.2 。Support for Vulkan
^ google-admin/vulkan-cpp-library
^ GPUOpen-LibrariesAndSDKs/V-EZ
^ V-EZ: AMD Releases New Easy-To-Use Vulkan Middleware, Simplified API Phoronix 2018年3月26日
^ GPUOpen-LibrariesAndSDKs/Anvil: Anvil is a cross-platform framework for Vulkan