VirtualBox
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VirtualBox
Windows 10上のVirtualBoxでUbuntu 20.10を動かしている様子
作者Innotek GmbH
開発元オラクル
初版2007年1月17日 (17年前) (2007-01-17)

最新版7.0.18[1]  - 2024年5月3日 (27日前) [±]
リポジトリ

www.virtualbox.org/browser/vbox/trunk

プログラミング
言語C, C++, x86 Assembly, Python
対応OSWindows8.1(64bit)以降、MacOS_Catalina以降、Linux[2]
種別ハイパーバイザ
ライセンスプロプライエタリ(3.xまで) / GPLv3[3]
公式サイトwww.virtualbox.org
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Oracle VM VirtualBox (オラクル ブイエム バーチャルボックス)とは、x86ならびにAMD64/Intel64にかかる仮想化ソフトウェアパッケージの一つ[4]。当初はドイツのInnotek[5]により開発され、現在の開発は米国オラクルが行っている。
概要

既存のオペレーティングシステム(ホストOS)上にアプリケーションの一つとしてインストールされ、この中で追加のオペレーティングシステム(ゲストOS)を実行することができる。例えば、Microsoft Windowsが「ホストOS」として動作しているマシン上で、Linuxをゲストとすることができる。あるいは、Solarisが実行されているマシン上で、Microsoft Windowsを「ゲストOS」として実行することができる。

サポートされるホストOSはLinuxmacOSMicrosoft Windows、そしてSolaris。また後述するようにソースコードが配布されているため、他のUnix系のオペレーティングシステムでも導入できる。例えばFreeBSDではportsで導入することができる。

ゲストOSとしてサポートされるのは、FreeBSD、Linux、OpenBSDOS/2 Warp、Windows、Mac OS X Server[注 1]、Solarisなど多岐にわたる[6]が、x86/x64アーキテクチャのOSであれば基本的には動作する。

DesktopLinux.comの2007年の調査によると、VirtualBoxは、Linuxデスクトップ上でWindowsプログラム群を走らせる三番目に人気のあるソフトウェアパッケージであった[7]
歴史

当初はプロプライエタリライセンスで提供され、製品VirtualBoxのある版は、個人的あるいは評価の使用に対してのみ無料であり、「VirtualBox Personal Use and Evaluation Licence (PUEL)」が適用された。[8] 2007年1月、数年の開発の後、VirtualBox OSE(Open Source Edition)がフリーソフトウェアとして、商用と個人的な使用のためにリリースされ、GNU General Public License (GPL) version 2が適用された[9]

VirtualBoxの開発元であったInnotekは、コネクティクスの仮想化製品(後にマイクロソフトにより買収)に対して、OS/2Linuxの仮想化のサポートの開発[10]や、OS/2への移植[11] にも貢献した。特に、InnotekはMicrosoft Virtual PCMicrosoft Virtual Serverの両方に含まれる「付加」コードを開発し、これはホスト・ゲスト間の相互作用を大いに進歩させた。OS/2は拡張されたリングプロテクションが複雑であり、仮想化で実行するのは困難だった。

2008年2月にInnotekはサン・マイクロシステムズにより買収され[12][13][14]、これに伴ってバージョン1.6より製品表記がSun xVM VirtualBoxに改められた。

その後、2010年1月にサンもオラクルに買収された。これに伴ってバージョン3.20より権利表記の変更が再び行われ、また製品表記がOracle VM VirtualBoxに改められ、現在に至っている。
配布形態の変遷

バージョン4.0以降のVirtualBoxはGNU General Public License (GPL) Version 2でライセンスされる完全なオープンソースソフトウェア (OSS) であるが、バージョン3.x以前ではプロプライエタリ版とOSS版の2つの配布形態があった。

プロプライエタリ版はバイナリのみの配布で、個人や教育あるいは評価目的の製品の利用は無料であった[15]。商業目的のためのライセンスはサン及びオラクルから購入することができた。

OSS版はVirtualBox Open Source Edition (OSE) - オープンソース版と呼ばれ、GNU GPLの元に公開されているフリーソフトウェアであった。4.x以降はこちらがベースとなっている。プロプライエタリ版と比較すると、特許等の都合でソースが非公開となっている機能が欠けていた[16]

バージョン4.0よりOSS版にプラグイン機能が搭載され、機能の追加が可能となった。これに伴い、オラクルにより提供されていた上記二つの版は統合され、本体をオープンソースで、追加機能をプラグイン(ライセンスは提供元の都合でプロプライエタリでもオープンソースでも良い)として提供する形態となった。3.x以前でプロプライエタリ版のみに含まれていた機能はオラクルから「Oracle VM VirtualBox Extension Pack」として提供されている(詳細は後述)。
機能VirtualBox Webコンソール

VirtualBox本体により提供される基本機能は次の通り。

スナップショット

シームレス・モード

クリップボード

共有フォルダ

シリアルデバイスと、システム間の切替えを支援するユーティリティ

コマンドラインからの操作(GUIに追加)

GUIでサポートされていない機能が一部ある。


リモート・ディスプレイ(ヘッドレス:モニターのないホストマシンの場合に有用)


64ビットゲスト

AMD-VVT-xのための、入れ子(ネステッド)・ページング

3Dアクセラレーション(ゲストOSが32ビットWindows XPおよびVistaの場合)

3Dアクセラレーションはバージョン2.0で追加され、3.0で実験的にDirectX 9のサポートがなされている。ただし、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}現状[いつ?]では32ビットのWindows XPおよびVistaゲスト環境に限定されており、64ビット環境ではサポートされない(Windows 7の64bit版から起動した場合はWindows XPのゲスト環境でDirectX 9が一応動作する)。また、4.0系まではWindowsゲスト環境におけるビデオドライバがWDDMのものではないため、Windows Vista以降のDesktop Window Managerによるデスクトップコンポジション機能やAeroテーマを動作させることはできなかったが、4.1系から実験的にWDDMドライバサポートが開始されている。
エミュレートされる環境

複数のゲストOSを管理・起動することができ、同時に起動することもできる。それぞれのゲストOSは、独立して開始、稼働の一時停止、起動したままの状態を保っての保存と復帰(後述のGuest Additions(ゲストがXP以降)を入れないと時間同期の問題が生じる場合がある)、終了することができる。

複数のオペレーティングシステムを同時に走らせる場合、使用可能なメモリ量が重要な要素となる。理論上の割り当て限界はホストOS側のメモリ容量までとなるが、実際はシステムやホストOS側で動作しているアプリもあるので、そのぶんを計算して割り当てる必要がある。割り当て論理CPUコア数やメモリ割り当て容量は仮想マシン停止中であれば容易に調整可能である。

※ただしWindows XPと2000の場合、OSインストール後はCPUコア数は通常の方法では変更できないので、OSインストール時にあらかじめCPUコア数を設定してインストールを行うのが最も簡単な方法である。(ちなみにインストール後の変更には適切なドライバのインストールやboot.iniの編集などいくらかの手間のかかる方法で行う必要がある。)
ハードウェアエミュレーション

VirtualBoxは、ハードウェアによる仮想化支援機能として、VT-xインテル)と、AMD-VAMD)への対応を含む。対応当初はデフォルトでどちらも有効となっていなかったが[17]、現在[いつ?]のバージョンで提供される機能の一部(x86_64対応、マルチコア対応)には、これらの仮想化支援機能を必要とするものがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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