VOCALOID
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よりリアルな歌声が実現できるようノイズとしてカットしていた息遣いなどを原音のまま生かしており、ハスキーな歌声にも対応できるようになった[24]。日本語と英語の2言語に対応。ReWireに対応しており、他の楽曲制作ソフトと同期可能。DAWからVSTインストゥルメントとして、使用することも可能となっている。あらかじめ歌詞を入力しておきMIDIキーボードを使ってリアルタイムに歌を「演奏」することも出来る。
VOCALOID3
2011年6月に発表され[30]、同年10月より提供が開始された。従来苦手とされていた早口の表現や、音色の変化の滑らかさなどの改良が行われているという[30]。VOCALOID3では、1から2の時のような信号処理の根幹に及ぶような大きな変更ではなく、不自然な箇所を直して良くするという方向性で開発されており、ライブラリの作りは基本的にVOCALOID2と変わらないため、2用のライブラリをコンバートして使うことも可能となっている。言語は従来の「日本語」「英語」に加え、新たに「中国語」「韓国語」「スペイン語」の計5言語に対応した[31]。2013年8月以降は、Windows/Mac OS X両対応のライブラリの発売も行われており、ライブラリによってはMac OS Xで使用することも可能となった[19]。2までは、販売形態はエディタとライブラリのセットでの販売のみであったが、3ではライブラリとエディタの別売りが行われている。エディタは、「VOCALOID3 Editor」、ライブラリに付属する機能限定版の「Tiny VOCALOID3 Editor」、DAW「Cubase」上で動作する「VOCALOID Editor for Cubase」、クリプトン・フューチャー・メディア製の「Piapro Studio」が提供されている[32]
VOCALOID3 Editor
「VOCALOID Editor」、「VOCALOID2 Editor」には無かった機能として、エディタ単独でのオーディオトラックの再生や、VSTエフェクトの使用に加えて、VOCALOID3エディタ独自のJob PluginというLuaスクリプト形式のエフェクタの実装および自作等が可能となっている[31]。VOCALOID3用だけでなく、VOCALOID2用のライブラリをVOCALOID3用に変換して使うこともできる[31]。また、2まで1回しか出来なかったアンドゥとリドゥが、3では無限となった[33]。一方で、2までと異なりReWireや、VSTインストゥルメントとしての使用は出来ず、「VOCALOID3 Editor」は完全なスタンドアローン音源となっている[31]。ただし、他のソフトウェアの側でVOCALOID3 Editorとの連携機能を用意しているものある。インターネット社は2012年11月9日に発売したDAW「Singer Song Writer 10」に「VOCALOID3 Editor」とReWire接続を行うプラグインを搭載、2013年12月19日にAHSが発売したMAGIX製のDAW「Music Maker MX2 Producer Edition」には、VOCALOID3 Editorを連携して操作できる「V3Sync」機能が搭載されている[34]。Windows版のみ。
Tiny VOCALOID3 Editor
ライブラリ付属の機能限定版のエディタ。17小節まで、1トラックのみといった制限つきながら、ライブラリ単体のみの購入でも歌声を出力することは出来るようになっている[31]。Windows版のみ。
VOCALOID Editor for Cubase

VOCALOID Editor for Cubase NEO
Steinberg社のDAW「Cubase」に「VOCALOID3 Editor」の機能を組み込むことができる。2013年1月にWindows専用の「VOCALOID Editor for Cubase」が発売され[35]、同年8月に、Windows/Mac OS X両対応となった「VOCALOID Editor for Cubase NEO」が発売された[19]
Piapro Studio
ヤマハではなくクリプトン・フューチャー・メディア製のエディタで、VSTインストゥルメントやAUインストゥルメントとして動作する[32]。VOCALOID Editorのデータファイルであるvsq、vsqxファイルを読み込んでそのまま使用することも可能。2013年2月15日発売の「KAITO V3」から、同社製音源に付属する形で提供されている。2013年8月31日にWindows/Mac OS X両対応となった。
VOCALOID4
2014年11月20日に発表され、同年12月17日より歌声編集ソフトウェアである「VOCALOID4 Editor」と「VOCALOID4 Editor for Cubase」、歌声ライブラリ第1弾として「VOCALOID4 Library VY1V4」が発売された[36]。今回の特徴としては「表現力」と「使いやすさ」があり、新たに喉を震わせて唸るような声を出せる「グロウル」と、複数の音声ライブラリ[37]をブレンドして新たな音色を作り出したりライブラリ間で音声コントロールができる「クロスシンセシス」が搭載された[38][39]。また、ピッチやビブラートの掛かり具合が視覚的に分かるグラフを描画する「ピッチレンダリング」、これまでVOCALOIDの歌声合成エンジンが作成していたピッチカーブをオフにすることで、ロボットのようなボイスを生成することができる「ピッチスナップモード」、外部MIDI入力情報をもとに、子音を先行して発音させるために設定されている遅延を無くした発声を行ってVOCALOIDの編集画面に反映する「リアルタイムレコーディング」が搭載されている[40]。これらの新機能は専用の波形データが必要なグロウルを除き、VOCALOID3[41]の歌声ライブラリでも使えるようになっている[36][38][39]。歌声ライブラリとしてはヤマハ以外からもクリプトン・フューチャー・メディア、AHS、インターネットの各社が既存製品のVOCALOID4対応版の開発を進めていると発表されている[42]。なお、Piapro Studioの歌声合成エンジンについては、2015年3月19日に発売された「巡音ルカ V4X」を導入することでVOCALOID4対応のエンジンにアップグレードできる[43]。また、今バージョンより歌声ライブラリへのTiny VOCALOID Editorの添付が無くなった[36]
VOCALOID5
2018年7月に発表、発売された。VOCALOID4からUIを刷新したほか、初のMacでのスタンドアロン対応製品である。またこのバージョンから、同Steinberg社製のDAW「Nuendo」でも動作するようになった。2000個以上のプリセットフレーズやオーディオをドラッグ&ドロップするだけで歌のベースが出来上がる新しい制作フローを採用し、あらかじめ歌詞が入った調整済みのフレーズから、試聴して気に入ったものを選んで貼り付けるだけで歌声制作が行えるようになった。ユーザーが細かく調整する形式だった歌唱表現の調整も、わかりやすくビジュアル化されたアイコンを選択するだけで、よりすばやくダイレクトにクリエイターの感性を反映できるようになった。また、好みの歌い方、声色に一発変換する「スタイル機能」、自力では調整が難しかったビブラートなどの歌唱表現技法を、アイコンを選んで貼り付けるだけで反映できる「アタック&リリースエフェクト」、歌い方の抑揚やスピード、音素の長さなどを波形を見ながらマウス操作を行うだけで調整できる「エモーションツール」を搭載している。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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