VOCALOID
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インターネット社は2012年11月9日に発売したDAW「Singer Song Writer 10」に「VOCALOID3 Editor」とReWire接続を行うプラグインを搭載、2013年12月19日にAHSが発売したMAGIX製のDAW「Music Maker MX2 Producer Edition」には、VOCALOID3 Editorを連携して操作できる「V3Sync」機能が搭載されている[34]。Windows版のみ。
Tiny VOCALOID3 Editor
ライブラリ付属の機能限定版のエディタ。17小節まで、1トラックのみといった制限つきながら、ライブラリ単体のみの購入でも歌声を出力することは出来るようになっている[31]。Windows版のみ。
VOCALOID Editor for Cubase

VOCALOID Editor for Cubase NEO
Steinberg社のDAW「Cubase」に「VOCALOID3 Editor」の機能を組み込むことができる。2013年1月にWindows専用の「VOCALOID Editor for Cubase」が発売され[35]、同年8月に、Windows/Mac OS X両対応となった「VOCALOID Editor for Cubase NEO」が発売された[19]
Piapro Studio
ヤマハではなくクリプトン・フューチャー・メディア製のエディタで、VSTインストゥルメントやAUインストゥルメントとして動作する[32]。VOCALOID Editorのデータファイルであるvsq、vsqxファイルを読み込んでそのまま使用することも可能。2013年2月15日発売の「KAITO V3」から、同社製音源に付属する形で提供されている。2013年8月31日にWindows/Mac OS X両対応となった。
VOCALOID4
2014年11月20日に発表され、同年12月17日より歌声編集ソフトウェアである「VOCALOID4 Editor」と「VOCALOID4 Editor for Cubase」、歌声ライブラリ第1弾として「VOCALOID4 Library VY1V4」が発売された[36]。今回の特徴としては「表現力」と「使いやすさ」があり、新たに喉を震わせて唸るような声を出せる「グロウル」と、複数の音声ライブラリ[37]をブレンドして新たな音色を作り出したりライブラリ間で音声コントロールができる「クロスシンセシス」が搭載された[38][39]。また、ピッチやビブラートの掛かり具合が視覚的に分かるグラフを描画する「ピッチレンダリング」、これまでVOCALOIDの歌声合成エンジンが作成していたピッチカーブをオフにすることで、ロボットのようなボイスを生成することができる「ピッチスナップモード」、外部MIDI入力情報をもとに、子音を先行して発音させるために設定されている遅延を無くした発声を行ってVOCALOIDの編集画面に反映する「リアルタイムレコーディング」が搭載されている[40]。これらの新機能は専用の波形データが必要なグロウルを除き、VOCALOID3[41]の歌声ライブラリでも使えるようになっている[36][38][39]。歌声ライブラリとしてはヤマハ以外からもクリプトン・フューチャー・メディア、AHS、インターネットの各社が既存製品のVOCALOID4対応版の開発を進めていると発表されている[42]。なお、Piapro Studioの歌声合成エンジンについては、2015年3月19日に発売された「巡音ルカ V4X」を導入することでVOCALOID4対応のエンジンにアップグレードできる[43]。また、今バージョンより歌声ライブラリへのTiny VOCALOID Editorの添付が無くなった[36]
VOCALOID5
2018年7月に発表、発売された。VOCALOID4からUIを刷新したほか、初のMacでのスタンドアロン対応製品である。またこのバージョンから、同Steinberg社製のDAW「Nuendo」でも動作するようになった。2000個以上のプリセットフレーズやオーディオをドラッグ&ドロップするだけで歌のベースが出来上がる新しい制作フローを採用し、あらかじめ歌詞が入った調整済みのフレーズから、試聴して気に入ったものを選んで貼り付けるだけで歌声制作が行えるようになった。ユーザーが細かく調整する形式だった歌唱表現の調整も、わかりやすくビジュアル化されたアイコンを選択するだけで、よりすばやくダイレクトにクリエイターの感性を反映できるようになった。また、好みの歌い方、声色に一発変換する「スタイル機能」、自力では調整が難しかったビブラートなどの歌唱表現技法を、アイコンを選んで貼り付けるだけで反映できる「アタック&リリースエフェクト」、歌い方の抑揚やスピード、音素の長さなどを波形を見ながらマウス操作を行うだけで調整できる「エモーションツール」を搭載している。販売形態はスタンダードとプレミアムの2種類となっており、どちらもボイスバンクをあらかじめ搭載している。スタンダードはAmy(女声英語)、Chris(男声英語)、 Kaori(女声日本語)、 Ken(男声日本語)の4種。プレミアムはこれに加え既成品4種(CYBER DIVA II、CYBER SONGMAN II、 VY1、VY2)を加えた8種)。
VOCALOID6
2022年10月に発売された[44][45]。今回のバージョンは事前に発表せず突発的に発売された。このバージョンから「VOCALOID:AI」が搭載され、AIの技術によりVOCALOID5の時よりも作り出せる歌声の幅がこれまでより圧倒的に広がった。また、このバージョンよりハイクオリティーなボーカルが製作可能になる「ダブリング」、歌唱データを取り込むことで、歌声をそのままVOCALOID6用ボイスバンクで再現できる「VOCALO CHANGER」が実装された。さらに、マルチリンガルにも対応しており、1つのボイスバンクで日本語、英語、中国語[注 4]を織混ぜた歌詞を歌えるようになった。発売形態はダウンロード版1種類となっているが、VOCALOID5からのアップグレードも可能となっている。ただし、アップグレードした場合「Steinberg Cubase AI」は付属されないので注意が必要となる。歌声ライブラリとしてはインターネットが「Megpoid」のAI対応アップデート版となる「AI Megpoid」をパッケージ版・ダウンロード版双方でヤマハと同日発売している[46]
ライブラリの収録

歌手ライブラリの音声素片は必要な音素の組み合わせを効率的に採取するために作られたスクリプトと呼ばれる専用の歌を録音し、そこから必要な部分を切り出して作成される。英語用のライブラリでは日本語に比べ必要な音声素片が多いことから必要とする録音も多く、データベースの容量も大きくなる[47]スクリプトは多くの製品では歌詞に特に意味の無い「呪文」のようなものが使用されているが[48]、2010年9月に発売されたVY1で提供者のストレス軽減を狙い歌詞に意味のある単語を混ぜるといった工夫が取り入れられるなど、常に改良は進められている[2][49]

また、過去の人の歌声を再現する試みも行われており[49]、2011年に昭和を代表する歌手である植木等(2007年没)のライブラリが発表されている[50]。ライブラリを作成するにはボーカルのトラックだけで、かつ必要な音素がそろった録音が必要であることから、亡くなった歌手の声を使ってライブラリを作るといったことは基本的には出来ないとされていたが[51]、植木のライブラリでは、植木の長男比呂公一の歌声で作られたライブラリに、両者の声の違いを数学的に抽出して作成した変換関数をかけるという方法で植木の声を再現している[50]。2014年には、シンガーソングライターhide(1998年没)の歌声をVOCALOIDを活用して再現した楽曲の発売が発表されている[52]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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