VIERA
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VIERAのロゴ

VIERA(ビエラ)とはパナソニック製の有機ELテレビ/プラズマテレビ/液晶テレビ/ポータブルテレビ、及びパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の一部のワンセグ携帯電話ブランド名でパナソニックの登録商標(日本第4727834号ほか)である[1]。テレビは2003年9月に、携帯電話は2007年11月に発売された。

本ブランド名は、日本国外においても用いられているが、本項では主に日本国内における製品について記述する。
概要「パナソニックのテレビブランドの変遷」を参照

「VIERA」の由来は、「Vision(映像)」の「Vi」と「Era(時代)」を組み合わせた造語である。

同社から薄型テレビが発売された2001年以降、薄型ブラウン管テレビのブランドとして使われたT(タウ)のセグメントで、「プラズマT(タウ)」や「液晶T(タウ)」の名称であったが、2003年3月にDIGAの登場後となる同年10月に薄型テレビは新たに作られたVIERAに変更され、T(タウ)ブランドはブラウン管テレビのみとなった。

2011年度の液晶テレビ(40インチ未満)の年間シェアが日本国内が15%前後の3位、プラズマテレビの年間シェアが約74%で1位であった。
プラズマテレビの撤退

日本国内では東北の一部(岩手県、宮城県、福島県)を除き2011年7月にアナログテレビジョン放送が終了したことで、テレビ受像機の買い替え需要が一段落、同業他社と共に2011年8月以降売り上げが落ち込んだ。

また、液晶テレビのLEDバックライト搭載と大画面化の成功に加えて、さらに海外でも機能を各国向けに細かく絞り込み価格を抑えた韓国勢などに押され、苦戦していた。

このため、パナソニック社長の大坪文雄(当時、現・同社取締役会長)は2011年10月の中間決算発表会見において「テレビ事業の大幅縮小による収益改善策」を明らかにし、これによってラインナップの見直しが避けられなくなった。自社生産していたパネルの生産規模縮小・外部調達拡大を主な柱に、売れ行きが悪いモデルを廃止し、集約を図ることにしている。

プラズマテレビに関しては、2013年10月31日にプラズマディスプレイの生産を同年12月をもって終了することを発表[2]したため、同年4月に発表されたGT60シリーズ・VT60シリーズがパナソニック製プラズマテレビの最終モデルとなった。これにより、2014年1月以降、同社製プラズマテレビは在庫分のみの販売となり、2013年度中に販売を終了した。
薄型テレビ
概要・主な特徴

「VIERA」のプラズマテレビ/液晶テレビはTH-65DX300・17LX8・L20/L17C1・L17F1・L22/L19C2・L19C21を除く全機種で地上・BS・110度CSデジタルチューナー内蔵。リモコンは登場当初から2011年モデルまでは「青色の放送切替ボタンが色に点滅することにより(リモコンの数字ボタンを押した時も含めて)今どの種類の放送を見ているかが一目で分かる」というパナソニック独自の工夫が施されていたが、2011年後半以降モデルになるとリモコンの放送切替ボタン点滅機構は廃止されている(DIGAリモコンにも同様のボタンがあるが、そちらは押しても点滅しない)。

37v型以上の「プラズマビエラ」にはBS・VU分波器(パナソニック純正、品番:K2HZ103Z0005)が付属されているが32v型以下の「液晶ビエラ」、及び2007年秋モデル(PZ750SK/PZ70/LZ75シリーズ)以降からは別売りに変わった(パナソニック純正品を使う場合はサービスルート扱いとなり、注文してから顧客への配送まで数日 - 数週間を要する)。

なお、以前の750/700/70/75シリーズまでは地上波アンテナ端子がアナログ・デジタル別々入力(BSと合わせて3系統)だったが2008年春モデル以降は地上波アンテナ端子はアナログ・デジタル混合入力へと改められ、BS・110度CSアンテナ端子と合わせて2系統に集約された(DIGAも同様にDMR-XP22Vなど同時期以降発売の機種より地上波アンテナ入出力をアナログ・デジタル混合化)。

2007年9月30日を以てBSアナログハイビジョン放送が終了し、同年12月1日にBS11TwellVが新規開局したことに伴い、同年春モデル以降のビエラ&DIGAはリモコンのBSデジタルボタン11及び12が(2006年モデルまでの)NHKデータ1及び2からBS11・TwellVに差し替えられて出荷されている(NHKデータ1及び2の視聴は2007年以降の機種でも3桁入力「700及び701」やお好み選局登録により従来通り可。また2006年以前の機種でも3桁入力「211及び222」やお好み選局登録によりBS11やTwellVを視聴可)。

TH-P65VT3・P55GT3・L37/L32RB3以降の2011年秋冬モデルより地上アナログチューナーは非搭載となっている。

パナソニックは2021年現在も自社ブランドアンテナ販売を続けており、これは国内大手電機メーカーで唯一の存在となった(「TA-20/14DU7」・「TA-DUF200」・「TA-BCS45R3/RK3」は2018年限りで生産終了となり、ビエラカタログへの「Panasonic」ブランドアンテナ掲載は廃止。現在はパナソニックセールスマン用カタログと同社HPに自社ブランドの4K/8K対応衛星アンテナ現行モデル「TA-BCS45U1/UK1」が掲載されるのみ[3]。)。

初期モデル?2006年モデルの上位機(26V型以上の大型モデル)は背面端子カバーを搭載していたが、年式が進むにつれ本体が次第に薄くなってきたことと・背面端子レイアウト変更に伴い、2007年(32V・26V型は2006年)以降モデルより背面端子カバーは(上位機種も含め)廃止されている。さらに前面や天面にあった端子・操作ボタン&扉・B-CASとSDスロットも2007年以降モデルより廃止および側面への移設が進み、2009年以降モデルより前面端子・本体操作ボタン・B-CASとSDカードのスロットは全て側面へ移設された。

本体内蔵スピーカーは登場当初、26v型以上の上位モデル(Wチューナー)が「サイドスピーカー(スマートサウンドシステム。65v型以上の大型プロジェクションタイプはスピーカー外付け式または別売り)」・普及モデル(シングルチューナー)が「アンダースピーカー」方式だったが、こちらも本体が薄くなったため・2009年以降モデルは上位機も含め「アンダースピーカー」へ統一されてウーハーが撤去され、フルレンジスピーカー1対のみとなった。加えて普及機はスピーカーが前向き配置から下向き配置に変わっている。

2019年以降モデルは40V型以上の大型機種が全て「4Kチューナー内蔵」となり、4Kチューナー非搭載機種は32V型以下の小型モデルと「プライベートビエラ」のみになっている(ただし「8Kチューナー」内蔵ビエラ・ディーガは現時点で発売予定なし)。4K非対応の据置ビエラ現行モデルは2021年発売「TH-32/24J300」と「TH-32J350(系列店限定モデル)」のみとなっており、ビエラカタログは2023年夏号より「4Kチューナー内蔵機種のみの掲載」へ変更。量販店用・系列店用のカタログ区別が無くなると共に、4K非対応据置機種(TH-32/24J300・TH-32J350)はパナソニックHPと系列店用特選品カタログにのみ掲載。プライベートビエラは別冊発行「ポータブルテレビカタログ」に掲載されている。

なおディーガ・ホームシアターと組み合わせる場合、シアターが4Kパススルー非対応機種の場合は「ビエラとディーガの間にシアターを挟む」方式で繋げないので・4Kディーガと4Kビエラは直接HDMI接続し、シアターは別系統で独立させてビエラのARC対応HDMI端子に繋ぐ(ビエラリンクメニューで「音声をシアターから出す」に設定した場合、ビエラ本体のモニター出力端子とヘッドホン端子からは音声が出力されない)[4]。2005年以前製造のHDMI端子非搭載機種でも「光デジタルまたはアナログオーディオ(モニター)出力端子」が搭載されていればホームシアターと組み合わせ可能だが、この場合はTV本体の音量を手動で最小にし、シアターの音量調節・電源入/切・音声メニュー&入力切替はシアターに付属のリモコンで行う(アナログ音声入力端子非搭載のシアターと組み合わせる場合は光デジタルケーブルでしかつなげない)。

4Kまたは8Kチューナー内蔵モデルは・着脱式の従来型B-CASカードに代わり「ACASチップ」を本体に内蔵しており、デジタル放送視聴時に必須となる「B-CASまたはmini B-CASカード」を紛失・損傷する心配が解消されている。

4K非対応モデル(32V型以下のパーソナルモデルも含む)に付属されているB-CASカードは(同業他社が「mini B-CASカード」への切り替えを進める中にあっても)フルサイズカードが発売当初から今日まで維持されており、フルサイズのB-CASカードを用いる据置型液晶テレビを発売する国内メーカーは現在パナソニックのみとなった(無線伝送式「プライベートビエラ」に付属のB-CASカードはフルサイズではなく、切手およびSDカード大の「mini B-CASカード」をチューナー部背面にある「mini B-CASスロット」へ差し込む方式。地デジ専用「青B-CASカード」を用いるビエラの生産は「DMP-BV/HVシリーズ」を最後に2011年限りで終了し、現行モデルは全機種「デジタル3波対応の赤B-CASカード」を使用)。
SDメモリーカードスロット

発売当初はビエラ全機種にSDカードスロットが搭載され、撮影したビデオ映像やデジカメ写真の視聴が可能だった(発売当初は前面扉内にあったが、本体薄型化に伴い側面へ移設。発売当初?2006年モデルはSDカードのみの対応、2007年?2009年モデルは「SDHCカード」にも対応、2010年以降モデルは「SDXCカード」までフルスペック対応。但しSDオーディオ再生は全機種非対応)。しかし2013年以降は普及モデルを中心にSDカードスロットの廃止が進んでおり、SDカードスロット搭載ビエラ現行モデルは4K対応機種を中心とした上位モデル(AXシリーズ/AS650シリーズ)のみとなっている。
ビエラアプリ

これは2011年以降製造の上位モデルに搭載されているインターネットコンテンツ(当初の名称は「ビエラコネクト」)で、当初「アクトビラ」のみだったものを大幅にリニューアルした(ディーガも2011年以降に製造されたWチューナー・トリプルチューナー上位モデル「BZT/BWT/BXT/BRZ/BRW/SWシリーズ」は「ビエラアプリ」を搭載しているが、コンテンツ構成はビエラと一部異なる)。リモコンの「ネット」又は「ホーム」ボタンを押すと「マイホーム」画面が登場し、この画面には様々なアプリを登録可能。なおコンテンツには有料・無料の両者が混在しており、事前にPC版サイトでの会員登録が必要なアプリもある。なおビエラ普及モデル「Cシリーズ及びAシリーズ」とシングルチューナーディーガ「BR/BRT/BRZシリーズ」はビエラアプリ非搭載で、ネット機能は「アクトビラ」のみ利用可能。
ビエラアプリの主なコンテンツ


Webブラウザ(上位機種&ポータブル機種の一部にのみ搭載)

もっとTV

hulu

DMM.com

TSUTAYA TV

ニコニコ動画

日本の楽しさ再発見「ビューティフルジャパン2020」

楽天ショータイム

アクトビラ

ひかりTV

ナショジオ「世界遺産スペシャル」

U-NEXT

YouTube(PC版サイトでアカウント登録しログインすれば「お気に入り登録」・「登録チャンネル」・「評価」の各機能をビエラ・ディーガでも利用可。なお2012年以前に製造されたビエラ・ディーガは2015年4月20日以降YouTubeアプリ利用不可となる)

radiko(地元ラジオ放送が聴ける据え置き薄型テレビはパナソニック「ビエラ」のみ)

ソリティア

電子チラシ「Shufoo」

Facebook

ツイッター

おうちレシピ検索(パナソニックオリジナル)

ダイエット&血圧メモ(パナソニックオリジナル)

スピーカー

本体内蔵スピーカーは発売当初は(これまでのブラウン管TV同様)画面の両サイドに取り付けられている「サイドスピーカー」と画面の下に取り付けられている「アンダースピーカー」の二通りあり、初期は高級モデルが「フルレンジ+ウーハー」の2ウェイ構成や「新スマートサウンドスピーカーシステム(初期の高級プラズマビエラのみに採用されていた超細型サイドスピーカー+パッシブウーハーの2ウェイ構成、総合出力31W)」、普及モデルが「フルレンジ1対構成(総合出力は機種により6W・10W・20Wの3種類)」に大別されていた。しかし発売年数が進む毎に本体が次第に薄くなり、音質よりも画質を重視して発売される機種が急増したため、サイドスピーカーモデルは(2007年モデルの750SKシリーズ及びLX75Sシリーズを最後に)廃止。現在発売中の(2008年以降製造の)ビエラは全て「アンダースピーカー」となっている(ただし2009年以降製造の機種よりスピーカーの向きはこれまでの正面から下向きに変更され、楕円型は廃止。上級機=総合出力30Wモデルは丸型スコーカー2対+丸型ウーハー1対の2ウェイ3スピーカー構成だが、中級機=総合出力20W以下の普及モデルは全て丸型フルレンジ1対の1ウェイ1スピーカー構成)。こうした構造上の制約のため、本体内蔵スピーカーのみでは迫力サウンド表現が難しくなり[5]、本体内蔵スピーカーのみで音が物足りないと感じる人はラックシアター・ホームシアターも併せて購入している。

なお2008年以降製造機種より、本体スピーカーの振動板には天然の竹素材を採用。


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