VHS
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信号方式

映像信号:周波数変調(FM)シンクチップ:3.4 MHz/白ピーク:4.4 MHz:クロマ信号:低域変換方式(VHS方式)

映像信号:周波数変調(FM)シンクチップ:5.4 MHz/白ピーク:7.0 MHz:クロマ信号:低域変換方式(S-VHS方式)

音声信号:2チャンネル長手方向記録(ノーマル音声トラックの場合)


VHSテープを利用したシステム
コンピュータ用ストレージ

VHSが普及するにつれ量産効果が上がり、テープ価格が大幅に値段を下げた。オープンリールを多用していたコンピュータ業界はテープの安さからデータカートリッジとしての利用を推し進めた。富士通などは大型コンピュータの補助記憶装置として用い、数百本のVHSテープを筐体内ラックに納め、コンピューター制御によりジュークボックスさながらのオートローディングを行わせ大型磁気ディスク装置のバックアップ装置として活用した。この際使用したテープは市販のビデオ用テープと同じ規格の物を使用した。
家庭用オーディオ

「PCMプロセッサー」(ソニーSONY PCM-501ESなど)を使い、音楽CD等のデジタル音声信号を75Ωのコンポジットビデオ信号に変換し、PCMオーディオレコーダー(デジタルオーディオレコーダー)として活用することができた。記録時間は通常のVHSの長さと同じで三倍モードにも対応した(ただし、後発の5倍モードへの対応に関しては不明)。
プロオーディオユース

1991年(平成3年)、米ALESIS社がS-VHSテープに8トラックのデジタル録音を可能にしたMTR、ADAT(ALESIS DIGITAL AUDIO TAPE)を発売。機器ばかりでなくメディアも安価、かつ、16台までの同期動作も可能ということで、中小のスタジオやホームスタジオで急速に広まった。いくつかのメーカーから互換機も発売されるなど、この規格は一定の普及を見、adat(エーダット)として、Hi8テープに同様の録音ができるティアック社のDTRS規格とともに、ユーザーの根強い支持を得ている。

初期の機種ではデジタルがゆえに事前にフォーマット作業が必要だった(後に録音と同時フォーマットが可能になる)。120分の録画テープに対し、約41分の録音が可能。デジタル記録はヘッドとの物理的接触などによる損耗に弱いため、ベース・フィルムを強化したADATロゴ入りの推奨S-VHSテープも存在する。当初のTypeIフォーマットでは、サンプリングレートは44.1kHzや48kHz、サンプリングビット16bitsであったが、後のTypeIIフォーマットで24bitsにも対応した。さらに、1チャンネルにつき通常の2トラック分を使って96kHzの記録・伝送を実現するS/MUXという規格もある。一方、デジタル入出力インターフェイスは、これも普及している角型オプティカル(TOS-Link)のジャックとケーブルを用いて、8チャンネルまでの同時伝送が可能なものを搭載していた(ADAT Optical Interface:こちらも後にレコーディング機器のディジタル入出力用として一定の地位を築いた)。もちろん、民生機で広く普及しているデジタル音声インターフェイスであるS/PDIFとは、論理フォーマット上の互換性はない。
エピソード

VHSカセットから派生されたものとして、
PVC(Premium Video Cassette)がある。プレミアムボックスという開閉できる透明な蓋がカセットの背ラベル部分に付いている。ここにはセルビデオの特典物の小物(模型やキーホルダーなど、重量40gまで)を収納することができる。ジャケットの背ラベルにも穴がくり抜かれていて、ボックス内が少し見えるようになっている。ボックスの開閉に支障となる物、その他同梱に不適当な物(粉類、水、油、磁気性のあるもの、溶けやすいもの、膨張するもの、液漏れしやすいもの、食品や菓子類、電池、壊れやすいもの)は収納できない。

1990年(平成2年)に任天堂が発売した家庭用ゲーム機「スーパーファミコン」は、そのゲームソフトのパッケージ寸法がVHSテープと全く同じであった。この時点ではすでに多くの一般家庭にVHSが普及しており、VHSのビデオテープ収納棚(ビデオラック)においても安価なものが出回っていたため、ゲームカセットの保管場所としてVHSのビデオラックが好まれた[要出典]。

1980年代 - 1990年代にかけて、映画や音楽ビデオテープのダビングサービスが商売として横行していたが、現在は著作権の問題からそれらのダビングを@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}政府が法律で禁止[要出典]している。

1990年代後半にDVDが発売された際、VHSをそのままDVDにしている作品が多かった[要出典]。

ハロー!プロジェクトの最筆頭グループであるモーニング娘。は2000年から2003年頃まではVHSとDVDを同時リリースしていた。

VHSカセット裏面中央に短辺と平行して刻まれた溝は、VHSデッキにベータのカセットを誤挿入することを防ぐためのものとされている。VHSデッキに誤ってベータのカセットを挿入しようとしても、デッキ内部に設けられた突起が障害となって挿入できなくなっている。VHSカセットを挿入する際はカセットの溝に突起が勘合して挿入できる。

1990年代頃からのVHSソフトの中には、コピーミスや不正コピーがないかどうかの確認のため、映像の末尾に「品質管理用の信号」として正弦波が記録されていたものが存在した。

関連映像

映画「
陽はまた昇る」(2002年)

ドキュメンタリー映画「VHSテープを巻き戻せ!」(2013年、米国、原題:Rewind This!)

NHK プロジェクトX:「窓際族が世界規格を作った?VHS・執念の逆転劇?」

フジテレビ カノッサの屈辱:「関ヶ原ビデオ合戦史 VHS対ベータ、そして8ミリへ」

V/H/Sシリーズ - オムニバス・ホラー映画のシリーズ

V/H/S シンドローム (2012年)

V/H/S ネクストレベル (2013年)

V/H/S ファイナル・インパクト (2014年)


脚注[脚注の使い方]
注釈^ 他社も、同じ商標を登録されている。
^ ただし、一部の高価格帯の機種に関しては標準モード・3倍モードにかかわらず、実際の再生可聴周波数帯域が最高で22,000Hz(DATレコーダーの48kHz/16bitによる標準モードと同等)まで達していたものも存在していた。
^ その後VHSでも、1980年代末期に入ると、中級以上の機種ではリニアタイムカウンターの搭載や操作性の改善のため、Uローディングに準じた方式が採用され、停止状態から再生開始時の出画時間の高速化を各社が競うようになった。
^ このため、ベータでも低価格機種ではMローディングが使われた事例がある。
^ D-VHSではハイビジョン記録に対応したが、こちらも2008年までに全メーカーが生産を終了している。
^ 正確には30/1.001Hz

出典^権威ある「IEEEマイルストーン」に認定 日本ビクター 2006年(平成18年)10月11日
^ 日経新聞 1978, p. 159.
^ 2000年4月4日放送 『窓際族が世界規格を作った VHS・執念の逆転劇』。さらに、2021年6月1日 プロジェクトX 4Kリストア版として放送された。
^ さよならベータ!日本の黒物家電を変えたVHSとの「ビデオ戦争」の顛末
^ “日経Bizアカデミー 第23回 VHS対ベータ 規格統一思惑外れる 録音時間の短さもハンディ”. 2018年5月4日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2021年6月12日閲覧。
^ 「どん底事業部、世界一を生み出す」日本経済新聞2014年11月13日夕刊14面
^ 日経新聞 1978, p. 85.
^ a b c “国内勢のVHSデッキ生産終了 最後の船井電機、時代に幕”. 産経新聞. (2016年7月26日). https://www.sankei.com/article/20160726-IXN63WSZCBKDFFWQW3L3SQA2BM/ 
^ a b “VHSのビデオデッキ、ついに生産終了…「続けて」とファンの声殺到、大切に撮りためた思い出ビデオはどうする?”. 産経新聞. (2016年8月17日). https://www.sankei.com/article/20160817-ZBTJN2XZEROBDLKE4T36G6A6W4/ 
^ “今後5年をかけて新“VHSデッキ”を開発…どんな需要を想定しているのか開発企業に聞いた”. FNNプライムオンライン. (2021年8月11日). https://www.fnn.jp/articles/-/222602 2021年8月14日閲覧。 
^ a b c d eSony History 第2部 第2章 規格戦争に巻き込まれた秘蔵っ子、ソニー
^[1] オタリ株式会社 製品情報
^ 日経新聞 1978, p. 64.
^ 日経新聞 1978, pp. 180?184.
^2007年度業績見直しについて (PDF) 日本ビクター 2007年5月30日
^S-VHSビデオデッキ販売終了のご案内 日本ビクター 2008年1月15日


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