VF-31_ジークフリード
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.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}マクロスシリーズ > 可変戦闘機 (マクロスシリーズ) > VF-31 ジークフリード

VF-31 ジークフリード (ブイエフ さんいち[1] ジークフリード / Siegfried) は、2016年に放送されたテレビアニメマクロスΔ』、および2018年と2021年に公開されたアニメーション映画劇場版マクロスΔ』2部作に登場する架空の兵器。「バルキリー」の通称で呼ばれる可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター、VF)のひとつで、ファイター(航空機)とバトロイド(人型ロボット)、両者の中間形態であるガウォークの三形態に変形する。

劇中では主人公が所属する「ケイオス」の一部隊「Δ小隊(デルタしょうたい)」の配備機として登場し、ヒロインが所属する戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の護衛とサポートを担う。愛称(ペットネーム)の「ジークフリード」は、叙事詩ニーベルンゲンの歌』の主人公にちなむ。Δ小隊以外が運用する一般機は、「カイロス」の愛称で呼ばれる。

メカニックデザインは、総監督でもある河森正治
概要

PlayStation 3用ソフト『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』に登場する「YF-30 クロノス」の制式採用型という設定[2]。2015年9月25日の『マクロスΔ』の正式発表とともにキービジュアルとして公開された。

『マクロスΔ』は主人公側の「ケイオス」と、敵側である「ウィンダミア王国(風の王国)」が戦う物語になっているが、両陣営の機体を新規にデザインするには時間が足りないと判断した河森は、新規の機体をウィンダミア側の「Sv-262 ドラケンIII」のみとし、ケイオス側のVF-31にYF-30の変形機構を流用することで時間短縮を図った。このため、ほかのVFと違って変形機構検証用のレゴブロックモデルは製作されず、既売品のYF-30のDX超合金をベースにして検証が行われた。設計上では、YF-30のテーマであった「玩具製品を変形させやすく、遊びやすくする」という路線を継承している。

当初はYF-30と同じクロースカップルドデルタ翼を採用する予定だったが、ダブルデルタ翼のSv-262とシルエットが被る(映像での判別がつきにくい)という理由や、主役メカとしてのキャラクター性を高める意味合いから、Δ小隊機は前進翼が採用された。前進翼の途中に垂直尾翼が内側に傾けて配置されている(正面から見ると「Δ」に見える)のがポイントである。そのほかの一般機(カイロス)は当初どおりのクロースカップルドデルタ翼機となり、劇中でも端役として登場する。

翼以外では「機首の折りたたみ方」「手や主脚の収納方法」「腕部機銃(ミニガンポッド)」「カナードの大型化」「足先の分割方法」などがYF-30から変わっている。カラーリングに関しては、従来作品の主人公機は赤をパーソナルカラーにすることが多かったが、本作では初めて青を採用している。最終的にはYF-30から大きく変わったため、「VF-30」ではなくナンバーをひとつ進めた「VF-31」とした[3]

劇場版2作目の『絶対LIVE!!!!!!』では途中でジークフリードが破壊されるため、カイロスにジークフリードのパーツを組み込んだ機体「カイロスプラス」が登場。登場メカのカラーコーディネイトを担当しているビジュアルアーティストの天神英貴は、河森から「テレビ版のときからカイロスを攻撃的な機体にしたかった」という話を聞かされており、その一部が腕部に装備されたミニガンポッドの大型化に反映されていると語っている。プラモデルがすぐに売り切れるなどカイロスはジークフリード以上に人気が高く、それがカイロスを主役機にするきっかけにもなった。デザインの特徴としては、変形機構のために細くなってしまう上腕部分を隠すためにカバーパーツを追加することで力強さを強調し、カラーリングもジークフリードより派手さを抑えたミリタリー調のグレーを基本とし、配色のバランス自体も見直している。各部の形状もかなり変更されており、それによって従来のオプションパーツが装着できなくなったため、新規にオプションのデザインを起こしている[4]
機体解説

諸元VF-31 ジークフリード / カイロス / カイロスプラス
開発スーリヤ・エアロスペース
(ジークフリードはケイオス・ワルキューレ・ワークスによる独自改装機)
全高3.85m(ファイター)
15.33m(バトロイド、頭部レーザー機銃含まず)
全長19.31m(ファイター)
全幅14.14m(ファイター、ジークフリード)
13.70m(ファイター、カイロス)
空虚重量8,525kg(J型)、8,533kg(C型)、8,531kg(F型)、8,542kg(S型)、8,250Kg(A型)
(いずれもマルチパーパスコンテナ装備なし)
スーパーパック装備時標準運用重量:約38,000s
(ロケット燃料16,875s、ミサイルなどの重量含む)
アーマードパック装備時標準出撃運用重量:約47.5t
(ロケット燃料・酸化剤合計15.5t、 ただし燃料や装備の数量・種類は用途ごとに変化する)
エンジン(主機)新星/P&W/RRステージIIC熱核タービンエンジン×2
FF-3001/FC2(ジークフリード)、FF3001A(カイロス)
(副機)P&W高機動バーニアスラスター HMM-10A
スラスト・リバーサー、3D機動ノズル
(スーパーパック)飛鳳航天 ブースターエンジン SLE-6B(メインブースター)×4、
SLE-3B(サブブースター)×4、バーラト SLE-1F(高機動バーニアエンジン)×18
(アーマードパック)飛鳳航天 ブースターエンジン SLE-9A/E(メインブースター)×2、
バーラトSLE-1B(高機動バーニアエンジン)
エンジン推力1,875kN+×2(ジークフリード、
フォールドウェーブシステム稼働時に最大15%程度のオーバーブーストが可能)
1,645kN+×2(A型)
(宇宙空間瞬間最大推力)
スーパーパックブースター合計推力:2,194kN
アーマードパックブースター合計推力:2,530kN
最高速度M5.5+(高度10000mにおける耐熱限界速度、
ノーマル仕様のまま衛星軌道上に進出可能)
HMI新星/LAI EX-ギアEGP-03 05
ISC新星/LAI ISC-TO21C
攻撃兵装マウラーROV-127E 12.7mm対空ビーム機銃
(S型×4、C型、E型、F型×2、J型、A型×1)
ラミントンLM-25s 25mm / LM-27s 27mmレールマシンガン(ミニガンポッド)×2
(ジークフリードはLM-25s、カイロスはLM-27s)
ガーバー・オーテックAK/VF-M11 アサルトナイフ×2
ハワードLU-18A ビームガンポッド×1
エンジン上面ランチャー×2
ビフォーズCIMM-3B マイクロミサイル×36
防御兵装防弾シールド×2
センチネルSWGA-F20B エネルギー転換装甲システム
オーテックVPB-S24 ピンポイントバリアシステム
ビフォーズECS-09A アクティブステルスシステム
LAI CCFD-11 対光学兵器用チャフ・フレアー・スモークディスチャージャー
特殊装備フォールドウェーブシステム(ジークフリード)
MDP-001W シグナス×16(ジークフリード、脚部マイクロミサイルと選択装備)
選択式装備マルチパーパスコンテナ各種装備
スーパーパック
(ビフォーズCIMM-5A/A マイクロミサイルランチャー×10、
ラミントンHMM-7C 近接マイクロミサイルCIWS 15連装ランチャーポッド×2)
フォールドブースター
アーマードパック
(ラミントン近接マイクロミサイルランチャーポッド22発コンテナ AMC-22×1、
17発コンテナ AMC-17×1、
40mmビームカノン×1、
ラミントンマイクロミサイルランチャー(内蔵型)×3(マイクロミサイル15発携行)
ブースター外側追加大型複合ミサイルコンテナ 
(14発コンテナ AMC-14×2、
12発コンテナ AMC-12×3、
後方コンテナ AMC-12×2、
反応弾頭対艦ミサイル連装格納コンテナ×1、)
35mm6銃身ガトリング重機関砲×2
105mm連装対艦対空両用速射ビーム旋回砲塔ASAWB-M55×1
脚部追加マイクロミサイルポッド 
(外側34発コンテナはAMC-34×2、内側16発コンテナはAMC-16×2)
(『激情のワルキューレ』のみ)
乗員人数1人+1人(※後部座席展開時)
搭乗者ハヤテ・インメルマン(J型→F型→J改型(テレビ版) / AX型(劇場版))
ミラージュ・ファリーナ・ジーナス(C型→AX型(劇場版))
チャック・マスタング(E型→AX型(劇場版))
メッサー・イーレフェルト(F型)
アラド・メルダース(A型→S型→AX型(劇場版))
ボーグ・コンファールト(AX型(劇場版))

各宇宙移民船団や植民惑星の独立・地方分権化による支配力低下を危惧した新統合政府が、各方面が独自配備している新型VFに対抗すべく開発させた機体[5]。民間軍事プロバイダー「S.M.S」のウロボロス支社が開発した高性能試作機「YF-30 クロノス」をベースに、新星インダストリー、L.A.I、飛鳳航天工業公司、バーラトの4社による合弁企業「スーリヤ・エアロスペース」によって最初の型式である「VF-31A・B カイロス」が完成した[5]

後部中央(ガウォーク・バトロイド形態時の背部)にはYF-30から継承された「マルチパーパスコンテナユニット」を備え、これを換装することでマルチロールな運用を可能としている。YF-30自体が「YF-24 エボリューション」から派生した機体であることから、「ISC(慣性蓄積コンバーター)」や「EX-ギア・システム」などの耐G装置も標準装備されている。ただし、YF-30に搭載されていた高純度の「フォールドクォーツ」は調達困難な希少物質であるため、より小型のクォーツや、人造クォーツである「フォールドカーボン」で代用している。このため、基本性能はYF-30から大きく低下しているが、それでもマクロス・フロンティア船団製の「VF-25 メサイア」と同等以上の水準は維持されている[5]

星間複合企業体「ケイオス」の軍事部門にも複数の機体が供給され、各部隊で評価試験を兼ねた実戦運用が行われている。そのひとつであるラグナ支部所属のΔ小隊には、対ヴァール・シンドローム用戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の護衛任務に特化した改修機が配備され、「ジークフリード」の愛称で呼ばれている。


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