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出典検索?: "VF-1 バルキリー" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2017年11月)
VF-1 バルキリー(ブイエフ ワン バルキリー、Valkyrie)は、1982年から1983年にかけて放送されたテレビアニメ『超時空要塞マクロス』および、それをもとに制作された作品群「マクロスシリーズ」に登場する架空の兵器。ファイター(戦闘機)とバトロイド(人型ロボット)、両者の中間形態であるガウォークの3形態に変形する可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター=VF)。
『超時空要塞マクロス』では主人公「一条輝」が所属する地球統合軍の主力機として登場し、敵陣営であるゼントラーディ軍と戦う。以降に制作されるシリーズ作品でもさまざまな改良機・後継機が登場し、VF-1はこれらの機体の始祖としてあつかわれる。
愛称(ペットネーム)の「バルキリー」は、北欧神話に登場する女性の半神ワルキューレ (独: Walkure) の英語名。実在の試作戦略爆撃機XB-70から、作中でVF-1の愛称に引用された。デザインモチーフは、同じく実在するアメリカ海軍の戦闘機F-14 トムキャット。以降のVFシリーズも慣例的に「バルキリー」と総称されるが、本項目ではVF-1とそのバリエーション機のみについて記す。
メカニックデザインは、以降の「マクロスシリーズ」制作の中心的存在となる河森正治。 人型に変形するアニメのロボット兵器のなかでも、実在の航空機に近いファイター形態と、そこから手足を展開したガウォーク形態という斬新さから、視聴者に人気を博した。当時のロボットアニメでは、主人公機はワンオフで強いのが当然だったが、VF-1は形状や色の違いこそあれ、基本的には大量生産された量産機であるという設定も斬新だった。 物語や設定を一部変更した劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では、宮武一貴によってディティールアップを始めとする設定のリニューアルがなされた。 根強い人気をもつ機体で、放送開始から28年が経過した2010年に『マクロスエース』で行われた人気投票でも、VF-1Jが3位、VF-1Sが4位を獲得した[1]。2019年にNHK BSプレミアムで放送された『発表!全マクロス大投票』のメカ部門では、テレビ版『超時空要塞マクロス』でロイ・フォッカーが搭乗するVF-1Sが第2位となり、ほかにもテレビ版・劇場版に登場する機体がベスト10以内に3機ランクインしている[2]。2021年3月20日から4月2日にかけて「ねとらぼ調査隊」が実施したアンケート「あなたが一番好きな『マクロス』のVFシリーズは?」では、VF-1が2874票中800票(20.6%)を得て第1位となった[3]。 「マクロスシリーズ」のメインクリエーターであるスタジオぬえの頃の河森正治が、宮武一貴の協力で約2年をかけてデザインした。原案は「飛行形態を持つ変形パワードスーツ」、つまり衣服や鎧の延長線上の位置づけで進められており、初期デザインの「ブレストファイター」まではアニメロボットらしい角張ったデザインであった。しかし、当初スタジオぬえによるハードSFアニメ企画『ジェノサイダス』を通すためのダミー企画として用意され、パロディ・ギャグ色の強かった『マクロス』の原型となる企画が本命となったことにともない路線が変更され、舞台となる宇宙戦艦(のちのマクロス)の腕部に用いられるのが本物の空母という設定になり、これに合わせてブレストファイターのデザインもリアル志向に転じた[4]。そして両腕の収納法をF-14から閃いたことをきっかけに、きわめて現用機に近いフォルムに至った。一般的に「F-14をモデルにロボットへの変形をデザインした」と表現されることが多いが、実際は「ロボットからリアルな戦闘機形態を生みだした」アプローチであったといえる。さらに、玩具の試作過程では『ジェノサイダス』で日の目を見なかった二足歩行兵器(ガウォーク)のアイデアも導入され、かつてない3段変形のメカニックデザインが誕生することになった。しかし、完成したデザインもスポンサーのタカトクトイス受けは悪く「飛行機と宇宙戦艦は売れたためしがないので、やめてくれ」と却下される。困った河森は、渡辺技研の協力で実際に変形するモックアップを製作する。この出来が非常に良かったため、スポンサーからの承諾を得ることに成功する[5]。 VF-1が変形することは放映開始直前のアニメ誌(9/1発売『アニメック』や9/26発売『月刊OUT』など)の記事でも三形態の設定画が掲載されており、一部で流布されている「放送まで伏せられていた」という説は事実とは異なる。 この「リアルな戦闘機がロボットに変形する」というコンセプトは続編やゲーム版などに登場する後継機種に受け継がれ、河森のライフワークともいえるものになっている。けれん味と兵器的なリアリティーという相反する要素を備えたVF-1の変形機軸は、ロボットアニメのデザイン史上に画期的な功績を残し、多数のロボットアニメに影響を与えた。 さらに、従来のロボットアニメになかった要素として、追加アーマーとミサイルポッドを装備したアーマードバルキリーがデザインされた。また、VF-1はF-14と似ているため、独自の形状の機体を作りたいということから、スーパーバルキリーがデザインされた。アーマードバルキリーでは変形ができなくなったため、その反省からスーパーバルキリーでは変形機構を阻害しないよう、デザインされている。これらの追加パーツは、タカトクトイスからバルキリーの可変トイの試作品が届いた段階で、河森が発泡スチロールを用いて作成することにより、実現した[6]。 本編の作画に入っても一部のデザインが上がってこず、作画監督の板野一郎が現場でデザインを起こし、あとから設定画が仕上がったものもあった[7][要ページ番号]。 諸元VF-1 バルキリー
概要
デザインネーミングのモチーフとなったXB-70 バルキリーデザインモチーフとなったF-14 トムキャット。河森正治は双発エンジンの間に両腕を収納する変形方法を見つけた。スーパーパックのモチーフとなったF-15イーグルのコンフォーマル・フューエル・タンク(通称FAST PACK)
機体解説
分類可変戦闘機
所属地球統合軍
開発ストンウェル・ベルコム、新中州重工、センチネンタル
生産形態量産機
全高3.84m(ファイター)
8.7m(ガウォーク)
12.68m(バトロイド)
全長14.23m(ファイター)
11.3m(ガウォーク)
4m(バトロイド)
全幅14.78m(主翼展張時)
8.25m(主翼後退時)
7.3m(バトロイド)
空虚重量13,250kg
エンジン(主機)新中州重工/P&W/ロイス FF-2001 熱核反応タービン×2
(副機)液体ロケットブースター×3