Unicode(ユニコード)は、符号化文字集合や文字符号化方式などを定めた、文字コードの業界標準規格。文字集合(文字セット)が単一の大規模文字セットであること(「Uni」という名はそれに由来する)などが特徴である。
従来、各国の標準化団体あるいは各コンピュータメーカーによって独自に開発されていた個々の文字コードの間には互換性がなかった[1]。ISO/IEC 2022のように複数の文字コードを共存させる方法も考案されたが、例えば日本語の漢字と中国語の漢字のように、文字が重複する短所がある。一方Unicodeは、微細な差異はあっても本質的に同じ文字であれば一つの番号を当てる方針で各国・各社の文字コードの統合を図った規格である[1]。1980年代に、Starワークステーションの日本語化(J-Star)などを行ったゼロックスが提唱し、マイクロソフト、Apple、IBM、サン・マイクロシステムズ、ヒューレット・パッカード、ジャストシステムなどが参加するユニコードコンソーシアムにより作られた。国際規格のISO/IEC 10646とUnicode規格は同じ文字コード表になるように協調して策定されている[2]。 Unicodeは世界で使われる全ての文字を共通の文字集合にて利用できるようにしようという考えで作られ、Unix、Windows、macOS、Plan 9[注釈 1]などの様々なオペレーティングシステムでサポートされている。Javaや.NETのようなプログラミング環境でも標準的にサポートされている。現代の文字だけでなく古代の文字や歴史的な文字、数学記号、絵文字なども含む[3]。 Unicode以前の文字コードとの相互運用性もある程度考慮されており、歴史上・実用上の識別が求められる場合には互換領域がとられ、元のコード→Unicode→元のコードというような変換(ラウンドトリップ変換)において、元通りに戻るよう配慮されている文字もある。しかし、正規のJIS X 0208の範囲内であればトラブルは少ないが、複数の文字集合が混在していたり、文字集合の亜種ごとにマッピング(対応づけ)が異なる文字(機種依存文字)を含んでいたりする場合[注釈 2]、変換テーブルによるマッピングが不可逆変換となり文字化けを起こすことがある。
概要
Unicode文字符号化モデル