UMDPG
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日本におけるDVDゲームは、レーザーディスクの開発元であったパイオニアのDVD部門であるパイオニアビデオが初期より展開しており、1998年7月10日にテレビゲームソフト『時空探偵DD?幻のローレライ?』の移植作を発売している。1998年8月15日にはDVDゲームのオリジナル作品として美少女合コンゲーム『プロポーズ大作戦』も発売された。開発はどちらもINNER BRAIN。この当時はこの規格に対する決まった呼び方は特になかった。

成人向けアドベンチャーゲームとしては、当時実写のアダルトDVD販売会社に在籍していた現イーアンツの有田昭久の発案により2000年4月21日にNOISEから『コレクター 檻の中の美少女達』が発売された[3]。その後アダルトゲームアダルトビデオのメーカー各社が発売するようになり、2001年コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)主導で「DVDプレーヤーズゲーム」の統一名称が使われるようになった。略称はDVDPG。

ソフ倫がこの呼称を提唱した背景には、PCを持っていないユーザーに対応することによってアダルトゲームの裾野を広げたい、という期待があった。また、DVDPGはPCゲームの流通ではなくアダルトビデオの流通で販売されるため、PCゲームとは違う客層の人に手に取ってもらうという目的もあった。初期には『誰ひとり?常世の里?』『訪問者』『夏迷宮?サマーラビリンス?』『夢魔 ?Succubus?』などのDVDPGオリジナル作品もあったが、やがてほとんどがPC用の移植作品となった。

初期は『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』(デジターボ)のようにアダルトゲームの原作から性描写を削除した作品も見られたが、やがて発売されるタイトルのほとんどがアダルトゲームとなった。その多くがPC版のCGやキャラクターボイスなどの流用であり、『水月』などボイスを新規収録する作品は少ない。

PC用の移植作品もあればアダルトビデオ系メーカーが発売する実写タイトルもあり、PC用のアダルトゲームとは異なる客層を形成している。主な顧客は、「PCを持っておらず、アダルトゲームのためにパソコンを買うわけにもいかない」という、どっちつかずの成人向けゲームユーザーとされている。もっとも、開発意図は顧客のためというより、メーカーが持っている「データの再利用」を主な目的としており、低コストで作っている。

PC版ではDVD-ROM1枚に収録されている作品が多いのに対し、DVDPGではメーカーによってはDVD-ROM2枚かそれ以上の枚数を使って収録されることも珍しくない。中には、上下巻や別ルートによる分割で1本の原作から2本以上の移植作を作られることもある。

アメリカでは、日本のビジュアルノベルを翻訳してアメリカ向けにリリースする「AnimePlay」(AnimePlay PC)シリーズを2000年より展開していたヒラメキインターナショナルというメーカーが、同じく日本のDVDPGを翻訳して展開する『AnimePlay DVD』シリーズを展開し、日本のDVDPGをそのまま、あるいは『魔女のお茶会』(2004年)など日本の家庭用ゲームをDVDPG化して発売していたが、アメリカ市場に受け入れられたとはいいがたく、2008年に事業を停止した。
BDプレーヤーズゲーム(BDPG)

BDプレーヤー/レコーダー用にBDを用いたBDPGも2006年以降に登場している[4]。操作方法はDVDPGそのままに、DVD以上の画質や音質でゲーム内容を楽しめる。

BD-J(Blu-ray Disc Java)を使うことにより、DVDPGでは不可能だったPCゲームにより近い複雑な内容も実現可能である。ただし、BDプレーヤー/レコーダーの性能によっては動作が重くなることもある。

アダルトゲームに関してはDVDPGが広く定着していたため長らく開発されなかったが、2010年5月21日にはmintsより『After... BDPG』と『真章 幻夢館 BDPG』がアダルトゲーム初のBDPGとして同時発売された。これらには、DVDPG版では不可能だったセーブ機能なども実装されている。

アダルトゲームメーカーのビジュアルアーツは、『あそべる!BD-GAME』シリーズ第1弾として『Kanon』など6タイトルを2011年12月16日に発売した。これら6タイトルは『あそBD』の動作環境において、PCではPowerDVD11以降やTotalMedia_Theatreでもプレイ可能と表記されている[5]。しかし、2012年前半までに発売された初期8作品以外についてはこれらを含むPC上でのプレイはサポート対象外となっている[6]。サポートページやスペック情報ページにてBD-Liveを使用していることが明記されている[7][6]
UMDPG

PlayStation Portable用にUMDを用いたUMDPGも2005年以降に登場している。UMD自体は一般規格であるが、現状ではUMDを再生可能な機器がPSP(PSP-1000/2000/3000型)しかないため、UMDPGは事実上「PSP用アダルトゲーム」となっていた。

レインソフトウェアなど他社は共同でPalaceを立ち上げ意欲的にUMDPGを販売していた。また、UMDPGのほとんどは18禁であるが、JIN企画のオリジナル作品は、(CEROやソフ倫などから審査は受けておらず)自主規制の一環として「15歳?18歳以上推奨」となっていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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