UHFアニメ
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作品によっては独立局が参加せず、各地の放送局や衛星放送局(または子会社)のみが参加して「UHFアニメ」に準じたネット形態で放送されるという逆転現象のようなケースも見受けられる[注釈 22]

この他、TBSなどのように在京キー局やキー局系列局が製作に参加しながらも自局で放送せず、「UHFアニメ」に準じる形態で独立局や系列内外の衛星放送局で放送されたケースもある[注釈 23][29]
幹事局

製作委員会には参加しないが、複数の放送局の動向を取りまとめる幹事局と呼ばれる放送局が存在し、主に放送倫理に抵触しそうな描写や表現など、最低限のチェックを絵コンテ段階などで行っている[30]。個々の作品によっては、放送局が納品段階で独自にチェックを行い、内容によっては自局のみでも放送を自粛するなど独自の規制がなされるケースもある[9]。アニメ評論家藤津亮太は「キー局およびその主な系列局と比べて規模の小さい独立局の場合、人手も予算も足りないことから、局側は放送を受け入れた番組内容の倫理面で問題が無いかをチェックするのが主な役割となる傾向にある」と解説している[29]
テレビ放送で発生したトラブルの例「東日本大震災のイベント等への影響#アニメ番組」も参照

前述したように、主に放送当時に発生した事件・事故などを理由に一部または全ての放送局でテレビ放送が延期されたり、放送が打ち切られたりした作品が幾つか存在する(『ひぐらしのなく頃に解[31]・『School Days[31][32][33]・『こどものじかん[34]など)。

「UHFアニメ」を含むアニメ全体の市場が年々拡大していることもあり、おおむね2010年代半ば以降になると、アニメ本編の制作の遅延などのトラブルが発生し、ある週の放送内容を放送済みのエピソードを編集した総集編や再放送などにやむを得ず差し替える事態が散見されるようになった。これにより放送スケジュールが後ろ倒しとなり、最終回を後日放送したり、次のクール以降に第1話から放送し直したりするなどの対応がなされることがある。

以下、各種問題ごとに主な事例を挙げているが、作品そのものについての具体的な概要は各作品の記事も参照のこと。
劇中の描写に関する問題


らいむいろ戦奇譚2003年1月期)
アダルトゲームを原作としているが、サンテレビが夕方(18時台)に放送したことから、BPO(放送倫理・番組向上機構)でも取り上げられる事態となった[35][36]

シゴフミ2008年1月期)
第3話と第8話にてJ.C.STAFFがテレビ放送向けに映像を修正。また、第6話はサンテレビが神戸市内で発生した事件により放送を取り止めた[37]

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。2014年1月期)
TOKYO MXとサンテレビが当初22時台後半に2局同時ネットで放送していたが、「中高生の青少年が視聴しやすい時間帯にもかかわらず、過激な性表現が含まれている」としてBPOへ苦情が寄せられ、2月から各局別に深夜帯で放送することになった[38]

異種族レビュアーズ2020年1月期)
人間以外の種族の性風俗をテーマとしている作品ゆえに、全ネット局でテレビ放送向けに映像や音声が修正されたバージョン(AT-Xのみ、年齢制限付きで他局よりも自主規制を緩和したもの)を放送した。BPOには「遅い時間帯の子どもの視聴については、保護者にも配慮してもらうという民放連の規定も踏まえて検討する必要がある」「テレビは子どもだけを視聴者として対象にしているものではないので、深夜帯に大人向けのアニメを、表現の自由の範囲内で放送することはできるというスタンスでテレビ局は制作しているのだと思う」などの意見が寄せられた[39]。本作の放映に関して否定的な意見も寄せられたが、TOKYO MXでは「編成上の都合」として第5話以降の放送を中止することとなった[40]。サンテレビでも同様の理由により第6話以降の放送を中止した[41]。なお、KBS京都BS11では最終回まで放送を継続したほか、同年2月以降になるとぎふチャンびわ湖放送奈良テレビでも遅れネットが開始された[注釈 24]

ぐんまちゃん2021年10月期)
群馬県公式のゆるキャラをアニメ化した作品。そのお膝元である群馬テレビが第11話の放送を見送り、第1話の再放送に差し替えた[42][43]。第11話ではボートレースを取り扱う内容があり、群馬テレビは「青少年の射幸心への影響を考慮した」と説明している。同作では第4話でも競輪をモチーフにしたと思われる競技が登場しており、群馬県内の視聴者から「子ども向けアニメなのに公営ギャンブルを扱うのは不適切」との意見がBPOの青少年委員会で採り上げられたことがあった[43][44][45]
制作上のトラブルによる問題
アニメ制作の国際分業化」および「作画崩壊」も参照

ここではアニメ本編の制作上の都合を理由に挙げている作品のみ記載する。

レガリア The Three Sacred Stars2016年7月期)
アクタス制作。製作委員会が「本来意図していたクオリティと相違がある」ことを理由に、第4話をもって一旦放送を打ち切りとし、制作体制およびスケジュールを仕切り直して同年9月より改めて第1話から放送を再開した[46]。これについては出演した緒方恵美が直接言及する異例の事態にもなった[47]

ろんぐらいだぁす!(2016年10月期)
アクタス制作。上記の『レガリア』から制作スケジュールの遅れを引きずる形となり、第3話と第5話の放送を延期し、それぞれ第1話の再放送と特別編(放送済みのエピソードの総集編)に差し替えた[48][49]。この結果、放送スケジュールが後ろ倒しとなり、第11話と第12話が同じ番組枠で放送できなくなったため、各ネット局共に翌2017年2月に別の番組枠で放送された[50][51]

ブレイブウィッチーズ(2016年10月期)
SILVER LINK.制作。制作スケジュールの遅れにより第4話の放送を翌週に延期[52]。同作を含む『ワールドウィッチーズシリーズ』の原典に当たる『ストライクウィッチーズ』のOVA「Operation Victory Arrow vol.1 サン・トロンの雷鳴」の再編集版に差し替えた。

メルヘン・メドヘン2018年1月期)
フッズエンタテインメント制作。作画クオリティ改善のため、第9話と第10話の放送を2週ずつ延期[53]。第1話と第2話の再放送に差し替えた。残る第11話と第12話は2018年12月を目処に公開するとしていたが、この予定にも間に合わず、2019年1月に「公開は(同年)4月以降」と改めて発表された[54]。放送局などの発表媒体は長らく未定となっていた[55]が、2019年4月にAT-Xでテレビ放送が行われた(第10話までの映像修正版の一挙放送も実施[56])。なお、他のネット局では未放送に終わっている。

はねバド!(2018年7月期)
ライデンフィルム制作。9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響で、撮影を担当していたグラフィニカ札幌スタジオが被災、停電も発生し撮影作業を継続することが不可能となったため第11話 - 第13話の放送延期が発表された[57]


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