UHFアニメ
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前者は『食戟のソーマ[注釈 18]など、後者は前述の『鬼滅の刃』(無限列車編以降、フジテレビ系列)や『まりあ†ほりっく[注釈 19]などが該当する。また、『進撃の巨人』(第3期以降)や前述の『ラブライブ!』のように、NHKが続編の放送や(実質)再放送を行うケースもある。
UHFアニメにおける同時放送の進展「ANIME+#TOKYO MXを中心とした各放送局との関係」も参照

2023年4月期現在、週末の深夜ないし未明の番組を中心に、TOKYO MXに合わせる形で群馬テレビ・とちぎテレビ・サンテレビ・KBS京都・BS11が一部の「UHFアニメ」を同時ネットに準じる形で放送している(番組自体は各局別で送出され、提供クレジット視聴時の注意喚起のテロップなども各局側で挿入される)。同時放送は独立局およびBS放送局のみで行われ、キー局系列局は所属する系列の番組編成(特別番組による後続の番組の放送時間繰り下げなど)に対応する必要があるため、必ず遅れネット(または前日までに先行ネット)となる。

また、地上波の地上デジタル放送への移行と共にBS放送の受信環境が次第に拡大したこともあり、2014年頃から地上波はTOKYO MXの1局のみでの放送とし、BS11を中心とした民放系BS放送局との組み合わせで「TOKYO MXの電波が届く範囲(東京都とその近郊)は地上波、それ以外はBS放送局」といった分担を行い、日本全国同時放送を行う「UHFアニメ」も登場している。キングレコード製作(KING AMUSEMENT CREATIVE、『ポプテピピック』など)や、ワーナー ブラザース ジャパン製作(『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』など)といった番組枠で見受けられる。ただし、個々の番組によっては近畿・中京広域圏を中心にネット局が追加される場合もある。

在京キー局でも2020年頃からテレビ東京がBSテレ東(およびAT-X)との組み合わせでTOKYO MX+BS11同様のネット形態で放送する番組がある。

2016年にサービスを開始したABEMAなどのインターネットテレビでも、テレビ放送(地上波の最速放送)に合わせた日時に「UHFアニメ」の配信を行なったり、テレビ放送より早く配信を行なったりする作品もある。
製作・放送に関する事項
製作委員会方式「製作委員会方式」も参照

多くの作品では製作委員会方式が採用されており[26]、製作委員会が放送局の番組枠を買い取り、番組スポンサーとなって放送されるというケースが多い[注釈 20][27]。放送局の組み合わせは製作委員会の意向により決定される場合が多く、対象から外れた放送局では番組販売を通じて放送局側が番組を購入し放送する形となるため、特に前述した三大・五大都市圏以外の地域ではテレビ放送が少なくなっている[28]

コミックマーケットAnimeJapanといったアニメに関連する大規模イベントなどでは、製作委員会に参加する企業が出展した上で「UHFアニメ」として放送される作品のプロモーションや関連する商品(キャラクターグッズなど)の販売が度々行われている。

放送局が製作委員会に出資したり、放送局が主体となって製作している作品も年々増えている[1]。特に2013年頃から、TOKYO MXが製作委員会への参加に積極的である[6]。中には系列の垣根を超えて、関東地方以外(主に近畿地方)を中心としたキー局系列局、BS・CS向けの衛星放送局が連名で同一のアニメ作品の製作に参加するケースも増えている(いずれも各局の子会社なども含む)[注釈 21]。作品によっては独立局が参加せず、各地の放送局や衛星放送局(または子会社)のみが参加して「UHFアニメ」に準じたネット形態で放送されるという逆転現象のようなケースも見受けられる[注釈 22]

この他、TBSなどのように在京キー局やキー局系列局が製作に参加しながらも自局で放送せず、「UHFアニメ」に準じる形態で独立局や系列内外の衛星放送局で放送されたケースもある[注釈 23][29]
幹事局

製作委員会には参加しないが、複数の放送局の動向を取りまとめる幹事局と呼ばれる放送局が存在し、主に放送倫理に抵触しそうな描写や表現など、最低限のチェックを絵コンテ段階などで行っている[30]。個々の作品によっては、放送局が納品段階で独自にチェックを行い、内容によっては自局のみでも放送を自粛するなど独自の規制がなされるケースもある[9]。アニメ評論家藤津亮太は「キー局およびその主な系列局と比べて規模の小さい独立局の場合、人手も予算も足りないことから、局側は放送を受け入れた番組内容の倫理面で問題が無いかをチェックするのが主な役割となる傾向にある」と解説している[29]
テレビ放送で発生したトラブルの例「東日本大震災のイベント等への影響#アニメ番組」も参照

前述したように、主に放送当時に発生した事件・事故などを理由に一部または全ての放送局でテレビ放送が延期されたり、放送が打ち切られたりした作品が幾つか存在する(『ひぐらしのなく頃に解[31]・『School Days[31][32][33]・『こどものじかん[34]など)。

「UHFアニメ」を含むアニメ全体の市場が年々拡大していることもあり、おおむね2010年代半ば以降になると、アニメ本編の制作の遅延などのトラブルが発生し、ある週の放送内容を放送済みのエピソードを編集した総集編や再放送などにやむを得ず差し替える事態が散見されるようになった。これにより放送スケジュールが後ろ倒しとなり、最終回を後日放送したり、次のクール以降に第1話から放送し直したりするなどの対応がなされることがある。

以下、各種問題ごとに主な事例を挙げているが、作品そのものについての具体的な概要は各作品の記事も参照のこと。
劇中の描写に関する問題


らいむいろ戦奇譚2003年1月期)
アダルトゲームを原作としているが、サンテレビが夕方(18時台)に放送したことから、BPO(放送倫理・番組向上機構)でも取り上げられる事態となった[35][36]

シゴフミ2008年1月期)
第3話と第8話にてJ.C.STAFFがテレビ放送向けに映像を修正。また、第6話はサンテレビが神戸市内で発生した事件により放送を取り止めた[37]

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。2014年1月期)
TOKYO MXとサンテレビが当初22時台後半に2局同時ネットで放送していたが、「中高生の青少年が視聴しやすい時間帯にもかかわらず、過激な性表現が含まれている」としてBPOへ苦情が寄せられ、2月から各局別に深夜帯で放送することになった[38]

異種族レビュアーズ2020年1月期)
人間以外の種族の性風俗をテーマとしている作品ゆえに、全ネット局でテレビ放送向けに映像や音声が修正されたバージョン(AT-Xのみ、年齢制限付きで他局よりも自主規制を緩和したもの)を放送した。BPOには「遅い時間帯の子どもの視聴については、保護者にも配慮してもらうという民放連の規定も踏まえて検討する必要がある」「テレビは子どもだけを視聴者として対象にしているものではないので、深夜帯に大人向けのアニメを、表現の自由の範囲内で放送することはできるというスタンスでテレビ局は制作しているのだと思う」などの意見が寄せられた[39]。本作の放映に関して否定的な意見も寄せられたが、TOKYO MXでは「編成上の都合」として第5話以降の放送を中止することとなった[40]。サンテレビでも同様の理由により第6話以降の放送を中止した[41]。なお、KBS京都BS11では最終回まで放送を継続したほか、同年2月以降になるとぎふチャンびわ湖放送奈良テレビでも遅れネットが開始された[注釈 24]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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