UHFアニメ
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テレビ放送に影響するトラブル(クレームなど)を防止するため、各放送局の判断で内容に修正が加えられる場合があるほか、DVDなどのビデオソフトの販売促進を狙うことも兼ねて、あらかじめ劇中の描写に修正が施された状態でテレビ放送がなされるケースも珍しくない[注釈 6][注釈 7]
放送時間帯「東京メトロポリタンテレビジョン#アニメ番組」も参照

草創期から現在に至るまで深夜帯(おおむね0時台以降)での放送が主流である。前述の通り、独立局はキー局および同系列局と比べて表現の自主規制の制約が比較的緩く、かつ深夜枠の放送料が比較的安価であることによる[6][10][11]。深夜帯の番組を充実させたい独立局側と、制作・放送コストを安く抑えつつ多様なジャンルの作品を放送したい製作委員会側の双方にメリットがあったことが、「UHFアニメ」が拡大した要因にもなっている。

後述の経緯により、TOKYO MXはアニメや関連する情報番組の放送に熱心であり、ゴールデンタイムやプライムタイムを含む0時以前の時間帯にも積極的に深夜帯向けのアニメを放送している(TOKYO MXと同時ネットを行う機会が多いBS11も同様)[10][12][13]。その他の独立局でも、おおむね22・23時台に関連情報番組を含んでアニメを放送しているケースが一定数見受けられる。

この他、朝夕を中心とした時間帯(全日)での放送を前提とした児童向けの作品も見受けられるが、制作・放送の実績は限定的かつ散発的な水準に留まっている。1996年の『わんころべえ』がTOKYO MX単独で放送された後(後に一部の独立局でも遅れて放送)、2006年7月期に『まもって!ロリポップ』が「朝夕の時間帯向けのUHFアニメ」として放送された[注釈 8]
テレビアニメ以外での展開

灼眼のシャナ』・『魔法少女リリカルなのは』・『Fate/stay night』・『涼宮ハルヒの消失』など、「UHFアニメ」として放送された作品の続編・番外編・総集編映画化される機会もある。必ずしも日本全国でロードショー上映されるとは限らないものの、中には実写作品と肩を並べるヒットを記録する作品もある。『涼宮ハルヒの消失』は、上映開始から2か月で7億2千万円の興行収入を計上した[14]。なお『なのは』と『Fate』はそもそもアダルトゲームを原作としているが、テレビアニメ化以降はそのイメージから脱却するような展開を行っている。また、テレビ放送の代わりに非映画コンテンツ(ODS)として、短編ないし中編程度のエピソードの劇場公開もしばしば行われている(具体例は同記事を参照のこと)。

主題歌などがアニメソングではなく楽曲として注目を浴びる機会も年々増えている[2]。前述の『ラブライブ!』はテレビアニメ化後に各種メディアでしばしば紹介され、リリースしたCDがオリコンランキングの上位にたびたび入るようになり、2015年4月22日発売の『ミはμ'sicのミ』は同年5月4日付の週間シングルランキングにて初登場5位につけ、2013年4月発売の『No brand girls/START:DASH!!』(最高5位)からμ's名義のシングルが「10作連続で上位5位」を記録[15]。さらに2015年5月27日発売のベストアルバム第2弾『μ’s Best Album Best Live! Collection II』が週間アルバムランキング初登場1位という快挙を達成した[16]。また、オリコン顧客満足度ランキングによるとスマートフォン向けソーシャルゲームにおいて『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』が2年連続で男女共に総合満足度1位を獲得した[17]。さらに劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』も観客動員数200万人を突破し、興行収入が28億円以上に達する大ヒット作となり、民放で放送されたテレビアニメとしては異例のNHK Eテレでの実質再放送も実施された[18][19]。この他、『ラブライブ!』や『魔法少女リリカルなのは』、『WHITE ALBUM』といった作品の主題歌がNHK紅白歌合戦や民放の各種音楽番組で歌唱されることもある。

2019年4月期に第1期(竈門炭治郎 立志編)が放送された『鬼滅の刃』は、従来は「UHFアニメ」として放送された一つのテレビアニメ[6]に過ぎなかったが、2020年10月に公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が日本歴代興行収入1位を記録するなどの世界的な人気作となり[20]、官僚からも言及を受ける[21]などの社会現象を巻き起こした。第1期はフジテレビ系列各局で異例となる全国規模の再放送が行われ、「無限列車編」(劇場版の総集編)以降の続編の本放送は第1期を放送したTOKYO MX・群馬テレビとちぎテレビ・BS11・AT-Xでもフジテレビ系列と並行して実施している。
放送エリアと放送局

全国独立放送協議会に加盟するテレビ局は三大都市圏に合計13局存在するが、その放送対象地域はいずれも1都府県のみである。大阪府愛知県茨城県の3府県には独立局が存在しないが、隣接する府県に存在する独立局をスピルオーバーによる直接受信やケーブルテレビによる区域外再放送を通じて視聴できる地域も少なくない。また、こうした独立局の無い地域では在京キー局の系列局も自局・自系列番組でない「UHFアニメ」を数多く放送しているため、「UHFアニメ」の放送エリアは三大都市圏のほぼ全域をカバーしていると言える。

以下、北海道福岡県を含む五大都市圏の地域と衛星放送のBS・CS放送局に分けて「UHFアニメ」の放送状況について大まかな傾向や特徴を述べる。

なお、2020年代現在は大多数の作品でインターネットによる配信が行われており、作品を視聴可能な放送局がない地域であっても、インターネットの接続環境を整えれば作品を視聴できるようになっている。

関東広域圏 - TOKYO MX / テレビ神奈川(tvk) / テレビ埼玉(テレ玉) / 千葉テレビ(チバテレ) / 群馬テレビ / とちぎテレビ

関東広域圏では、「UHFアニメ」の草創期から2000年代にかけてはtvk・テレ玉・チバテレのいずれかまたは全てで放送されるケースが多かった。前述の『LEGEND OF BASARA』を含む草創期のアニメ数本も、関東広域圏ではこの3局体制で放送された。

TOKYO MXは、本社の移転やそれまでの「東京MXテレビ」から愛称の切り替えを行なった2006年頃から「UHFアニメ」の放送に注力するようになった[6][12]。さらに2011年の地上デジタル放送への完全移行[注釈 9]や、2012年の送信所親局の東京タワーから東京スカイツリーへの移転を機に東京都外を含む受信可能な地域が拡大したことが追い風となり、放送番組の規模が拡大。2014年には社内に「アニメ事業部」を新設し[12]、この頃になると新作UHFアニメの放送をほぼ独占、作品の製作委員会にも多数参加している[6]。一方で前述のtvk・テレ玉・チバテレの各局では、この頃を境に新作アニメの放送番組数が減少に転じている。現在では「関東圏ではTOKYO MX独占放送、近畿圏では広域放送局で放送される」という作品が珍しくない。

群馬テレビやとちぎテレビでは、TOKYO MXから週末の深夜ないし未明を中心にアニプレックスが製作に関与する番組枠の同時ネットを一定数行なっている。その他の放送番組は前述の他局よりも限定的である。

近畿広域圏 - サンテレビ / KBS京都 / 毎日放送(MBS) / 朝日放送テレビ(ABC) / 関西テレビ(KTV、カンテレ) / 読売テレビ(ytv)/ テレビ大阪 (TVO) / 奈良テレビ / びわ湖放送 / テレビ和歌山


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