UHFアニメ
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第1期はフジテレビ系列各局で異例となる全国規模の再放送が行われ、「無限列車編」(劇場版の総集編)以降の続編の本放送は第1期を放送したTOKYO MX・群馬テレビとちぎテレビ・BS11・AT-Xでもフジテレビ系列と並行して実施している。
放送エリアと放送局

全国独立放送協議会に加盟するテレビ局は三大都市圏に合計13局存在するが、その放送対象地域はいずれも1都府県のみである。大阪府愛知県茨城県の3府県には独立局が存在しないが、隣接する府県に存在する独立局をスピルオーバーによる直接受信やケーブルテレビによる区域外再放送を通じて視聴できる地域も少なくない。また、こうした独立局の無い地域では在京キー局の系列局も自局・自系列番組でない「UHFアニメ」を数多く放送しているため、「UHFアニメ」の放送エリアは三大都市圏のほぼ全域をカバーしていると言える。

以下、北海道福岡県を含む五大都市圏の地域と衛星放送のBS・CS放送局に分けて「UHFアニメ」の放送状況について大まかな傾向や特徴を述べる。

なお、2020年代現在は大多数の作品でインターネットによる配信が行われており、作品を視聴可能な放送局がない地域であっても、インターネットの接続環境を整えれば作品を視聴できるようになっている。

関東広域圏 - TOKYO MX / テレビ神奈川(tvk) / テレビ埼玉(テレ玉) / 千葉テレビ(チバテレ) / 群馬テレビ / とちぎテレビ

関東広域圏では、「UHFアニメ」の草創期から2000年代にかけてはtvk・テレ玉・チバテレのいずれかまたは全てで放送されるケースが多かった。前述の『LEGEND OF BASARA』を含む草創期のアニメ数本も、関東広域圏ではこの3局体制で放送された。

TOKYO MXは、本社の移転やそれまでの「東京MXテレビ」から愛称の切り替えを行なった2006年頃から「UHFアニメ」の放送に注力するようになった[6][12]。さらに2011年の地上デジタル放送への完全移行[注釈 9]や、2012年の送信所親局の東京タワーから東京スカイツリーへの移転を機に東京都外を含む受信可能な地域が拡大したことが追い風となり、放送番組の規模が拡大。2014年には社内に「アニメ事業部」を新設し[12]、この頃になると新作UHFアニメの放送をほぼ独占、作品の製作委員会にも多数参加している[6]。一方で前述のtvk・テレ玉・チバテレの各局では、この頃を境に新作アニメの放送番組数が減少に転じている。現在では「関東圏ではTOKYO MX独占放送、近畿圏では広域放送局で放送される」という作品が珍しくない。

群馬テレビやとちぎテレビでは、TOKYO MXから週末の深夜ないし未明を中心にアニプレックスが製作に関与する番組枠の同時ネットを一定数行なっている。その他の放送番組は前述の他局よりも限定的である。

近畿広域圏 - サンテレビ / KBS京都 / 毎日放送(MBS) / 朝日放送テレビ(ABC) / 関西テレビ(KTV、カンテレ) / 読売テレビ(ytv)/ テレビ大阪 (TVO) / 奈良テレビ / びわ湖放送 / テレビ和歌山

近畿広域圏では、サンテレビとKBS京都が草創期から「UHFアニメ」の主要なネット局となっている。サンテレビは本来兵庫県域局だが、大阪府全域を含む周辺府県の多くのケーブルテレビ局で区域外再放送が行われており、地理的条件[注釈 10]により直接受信が可能な地域も広いため、広範囲を1局でカバーできるサンテレビのみでネットされる作品も少なくない。

しかし、上記2局では古くからプロ野球阪神タイガース戦の完全中継『サンテレビボックス席』(KBS京都では『KBS京都エキサイトナイター』)が春から秋にかけてのシーズン中に連日放送されるため、「UHFアニメ」を含む野球中継の後続の番組の放送時間が不安定になりやすいという特有の事情を抱えている(EPGを搭載した録画機器が普及する以前は、地元の視聴者にとっては悩みの種であった)。放送休止に入る時間帯も、野球中継の延長に備えて1 - 3時頃と他局より早めに設定されているため、「UHFアニメ」の放送番組の規模が拡大するに連れて、競合するキー局系列局の5局でも「UHFアニメ」が一定数放送されるようになった。テレビ大阪を除く4局は近畿2府4県全てを放送対象地域とするため、サンテレビやKBS京都の放送エリア外の地域でも「UHFアニメ」を視聴できるケースが増加した。

特に、古くから深夜帯に(旧作の再放送を含めた)テレビアニメを積極的に放送している毎日放送での放送本数が群を抜いて多い。次いで朝日放送(当時)・関西テレビ・読売テレビでも「UHFアニメ」のネットを開始し、2010年代までにはこれら4局全てが「UHFアニメ」の製作に参加した実績を持つ[注釈 11]

テレビ大阪はテレビ東京系列の深夜アニメを同時・遅れネットで放送することもあるが、「UHFアニメ」の放送番組数は限定的である。また、奈良テレビ・びわ湖放送・テレビ和歌山は「UHFアニメ」はもとより深夜アニメの放送数自体がごくわずかである[注釈 12]。なお、「UHFアニメ」とは逆に在京キー局製作の深夜アニメを独立局がネットするというケースもある(主にサンテレビやKBS京都における、毎日放送の番組編成から外れたTBS製作の深夜アニメなど)。

中京広域圏 - テレビ愛知 / 三重テレビ / 岐阜放送(ぎふチャン) / CBCテレビ(旧・中部日本放送) / メ?テレ / 東海テレビ / 中京テレビ

中京広域圏には三重テレビと岐阜放送の2局の独立局があるが、愛知県には大阪府と同様に全国独立放送協議会に加盟する独立局が存在しない。これらの2局では名古屋市周辺をカバーできない[注釈 13]ことから、本来はテレビ東京系列局である愛知県域局のテレビ愛知が中京広域圏における「UHFアニメ」の主要なネット局となっている[注釈 14]。同局はテレビ東京系列の深夜アニメも放送することから、「UHFアニメ」の放送番組の規模が拡大した2010年前後頃には、同局の深夜帯の多くの番組枠がアニメで占められたこともあった。

その他のキー局系列局でも一定数の「UHFアニメ」が放送されている。CBCやメ?テレでの放送実績が比較的多く、『やくならマグカップも』(CBC)や『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(メ?テレ)のように製作に参加した実績もある。東海テレビや中京テレビは「UHFアニメ」よりも所属する系列のキー局が製作した深夜アニメの方が放送実績が多い。

2010年代半ば頃からは民放系のBS各局に実質代替される形で、放送されない番組が増加傾向にある[22]

北海道 - テレビ北海道(TVh) / 北海道放送(HBC) / 北海道文化放送(UHB) / 北海道テレビ(HTB)/ 札幌テレビ(STV)「TXNネットワーク#北海道」も参照

北海道では草創期からテレビ東京系列局のTVhでネットされるケースが最も多い。同局はアナログ放送の中継局が道内全域をカバーしきれておらず、道北道東の大半の地域では同局を受信できなかったが、デジタル放送への移行後は順次中継局が整備され、2016年3月までには道内のほとんどの地域で受信・視聴できるようになった。

2020年代に入ると、HTBがキングレコードKING AMUSEMENT CREATIVE)やブシロードが製作に関与する番組を中心に放送実績を増やしている。

三大都市圏に比べると全体的に放送数は少ないものの、『RAY THE ANIMATION』(HBC)や『理系が恋に落ちたので証明してみた。』(UHB)のように道内の放送局が製作に参加した実績もある。

福岡県(および佐賀県) - TVQ九州放送(テレQ) / RKB毎日放送 / 九州朝日放送(KBC)/ 福岡放送 (FBS)「TVQ九州放送#放送エリア」も参照

福岡県も北海道と同様に、草創期からテレビ東京系列局のテレQでネットされるケースが最も多い。県内の他局と同様に、民放が1局しかない隣接する佐賀県も実質的な放送エリアとなっているほか、九州山口地区には同局の他にテレビ東京系列局が存在しない関係で、福岡県や佐賀県から比較的近い大分県長崎県・山口県でも多くのケーブルテレビ局を通じて視聴できる[注釈 15]。同局ではKADOKAWAが関与する番組の放送実績が比較的多いが、2010年代後半頃からは中京広域圏と同様に民放系のBS各局に実質代替される形で、放送されない番組が増加傾向にある。


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