U.S.S.ヴォイジャー
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なお、日本での放映が決定した際の邦訳呼称は「ボイジャー」であったが、当時ヒットしていた『新世紀エヴァンゲリオン』にあやかり、「ヴォイジャー」となったという経緯がある[1]
来歴
デルタ宇宙域深部から惑星連邦までの帰還詳細は「スタートレック:ヴォイジャー」を参照

『スタートレック:ヴォイジャー』は完全に未知の領域であるデルタ宇宙域深部から惑星連邦までの帰還を描くロードムービーである。

2371年、キャスリン・ジェインウェイ大佐は当艦の艦長に就任し、処女任務において反連邦組織マキを追跡しプラズマストームの荒れ狂う領域・通称バッドランドに赴く。その際、突如謎のテトリオンビームに捉えられ、偏光磁気変動波に飲み込まれる。そして、75,000光年の彼方、デルタ宇宙域深部まで一気に移動させられてしまう。この移動により船体は深刻なダメージを受け、さらに副長や医療主任、機関主任といった一部の主要クルーを失うこととなる。移動させたのは「管理者」と呼ばれる異星人のアレイ型ステーションであったが、管理者は死期が迫っていた。ステーションの放置が近隣のオカンパ人の危険になると知ったジェインウェイ艦長は、ステーションを破壊する決断をするが、それは同時に帰路が断たれたことを意味していた。ジェインウェイ艦長は管理者に同じく捕えられていたマキのメンバー、現地のタラクシア人のニーリックスとオカンパ人のケスを主要クルーに迎え入れ、彼らと団結する。かくして当艦は、惑星連邦への通信すら届かない、星図すらまったくない未知の領域で、地球圏まで70年以上もかかる苦難の旅を強いられることとなる。
退役

2377年に地球に帰還したヴォイジャーは2382年までのどこかの時点で退役する。清掃と整備が行われた後にU.S.S.セリトスNCC-75567によって地球まで運搬され、可能性の未来と同様に船自体がミュージアムとして展示されることになった(LD31話「Twovix」)。

2401年時点では、ジョーディ・ラ=フォージ准将が館長を務めるエイサン・プライム軌道上の宇宙艦隊ミュージアムにU.S.S.エンタープライズNCC-1701-AやU.S.S.ディファイアントNX-74205らとともに展示されている(PIC26話「バウンティ」)[2]。宇宙艦隊のどの艦よりも、遥か遠くまでその名を轟かせた艦として、静かに眠っている。PIC最終話にてエンタープライズD同様、ディファイアントとともに稼働する案もあったものの実現はしなかった。

VOY最終話に登場した可能性の未来においては、2393年に帰還、2403年時点においてサンフランシスコのプレシディオに展示され船自体がミュージアムになっていた。
性能
恒星間宇宙航行仕様
インパルスドライブ(通常速度推進)

インパルスエンジン(通常エンジン)は左右のワープナセルパイロン船尾側に1基ずつ設置されている(赤い発光部分)。劇中の邦訳では「インパルスエンジン」、「通常エンジン」とふたつの単語が使われるが同じものである。船体の姿勢を変更するスラスターは第1船体外縁部に4箇所設置されている(オレンジ色の部分)。インパルスドライブは主に、スラスターのみ、1/4インパルス(推力4分の1)、1/2インパルス(推力2分の1)、フルインパルス(推力最大)が運用される。フルインパルスの速度は他の連邦艦同様、光速の25%(時速2億7千万km)である。

なお、ワープナセルの先端には、船外の燃料粒子を収集するバサードラムスクープが設置されている(赤い発光部分)。第44話「伝説のミスター・カトー」では星雲内の可燃性物質シリリウムを、第127話「亜空間制圧戦争」ではヴァードワー星大気中の放射性粒子を集めた。
ワープドライブ(超光速推進)

当艦は最新型のクラス9のワープコアから毎秒4,000テラダインのパワーを産出し(第96話「新生ボーグの悲劇」)、惑星連邦宇宙艦隊屈指の高速ワープを実現する。またボーグやヴォスなどのトランスワープ艦を除けば、惑星連邦内のみならず、同時代同時期のあらゆる種族の宇宙艦と比較してもトップクラスのワープスピードを持つ。

他艦には見られない当艦のワープドライブの特徴に、マイクロメートル単位での角度調整が可能な「可変静翼ワープナセル(Variable geometry pylon)」が挙げられる。艦がワープジャンプをする際に、水平だったワープナセルパイロンが30度ほどの角度に持ち上がる。これにより艦は常に最適で鋭い形状のワープフィールドを張ることができ、航路となった時空連続体にワープ痕跡によるダメージを与えることなくハイワープ速度を出すことができる。ワープ痕跡の重複が宇宙空間に徐々にダメージを与え最終的に深刻な亜空間断裂を引き起こしてしまうという現象は、『新スタートレック』第161話「危険なワープ・エネルギー」によって語られ、惑星連邦は「緊急時以外はワープ5(光速の214倍)以下での航行速度を義務づける」というヘカラス条約を制定した。以後宇宙艦隊技術部は、宇宙空間にダメージを与えず高速ワープを実現する技術の開発に尽力する。この可動式ワープナセルは「艦に可動する部分がほしい」というプロデューサーの注文によるものであり、いくつかの候補からワープナセルが選ばれたのだが、結果として「宇宙艦隊がヘカラス条約を教訓に新たに開発した新型ワープドライブ」という記号を当艦に与えることとなった。

ワープ速度に関しては、通常巡航速度ワープ6(光速の392倍)?ワープ8(光速の1024倍)で航行する。デルタ宇宙域での航海は1年で約1000光年進むとされており、数ヵ月単位の長時間にわたってワープ8もの速度を維持できる性能を示している。また緊急を要する場合には15光年の距離を2日で、40光年の距離を5日程度で移動可能であることから、ワープ9.9(光速の3053倍)に近い速度を数日間という長時間にわたって安定して出すことができる(ギャラクシー級はワープ9.6(光速の1909倍)の速度を12時間維持するのが限界である)。さらに最大でワープ9.975(光速の5754倍)もの速度を12時間維持することができ、プロメテウス級等と並び連邦艦の中で最速の部類に入る艦である。なお最高速度ワープ9.975というのはあくまで建造当時の仕様であり、ジェインウェイ艦長は就役時、「速度はもっと出せると思います」とパターソン提督と話していた(第118話「過去に仕掛けられた罠」)。
トランスワープ技術の追求

トランスワープとは、通常のワープとは似て非なる技術をもって驚異的なスピードを実現する夢の技術の総称である。惑星連邦においては23世紀のU.S.S.エクセルシオール(NX-2000)のプロジェクトから80年以上に渡って研究が続くもののまったく実用化に至っていない技術であるが、ヴォイジャーは帰還を早めるられるよう積極的にトランスワープ技術を模索する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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