U.S.エージェント
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U.S.エージェント(U.S.Agent)、またはジョナサン・F.・”ジョン”・ウォーカー(Jonathan F. "John" Walker)は、マーベル・コミックが出版するコミック作品に登場するキャラクター、スーパーヒーローである。マーク・グルーン・ウォルドとポール・ニアリーによって創造されたこのキャラクターは『キャプテン・アメリカ』第323号(1986年11月)で初登場した。

U.S.Agent
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場キャプテン・アメリカ #323(1986年11月)
クリエイターマーク・グルーン・ウォルド
ポール・ニアリー
作中の情報
本名Jonathan F. "John" Walker
所属チームボールド・アーバン・コマンドーズ
超人活動委員会
ザ・ジュリー
ウエストコースト・アベンジャーズ
フォース・ワークス
シークレット・ディフェンダーズ
マイティ・アベンジャーズ
サンダーボルツ
オメガ・フライト
ニュー・インベーダーズ
S.T.A.R.S.
ダーク・アベンジャーズ
パートナーバトルスター
著名な別名スーパー・パトリオット
キャプテン・アメリカ
ジャック・ダニエル
ザ・キャプテン
能力卓越した白兵戦能力
超人的な強さ、敏捷性、反射神経、反応および持久力
超人的なスタミナ
高度な訓練を受けた体操選手としてのアクロバット能力
優れた速度、器用さ、調整、バランス
堅牢な盾と銃器の使用

2012年には、IGNの『ザ・トップ・50・アベンジャーズ』で29位にランクされた[1]
発行履歴

ジョン・ウォーカーは、『キャプテン・アメリカ』第323号(1986年11月)で“スーパー・パトリオット”(2代目)として初登場した。マーク・グルーン・ウォルドは、キャプテン・アメリカの愛国心が常に良いものであるという一般的なメッセージに対抗するためにウォーカーを設定し、「キャプテン・アメリカがしなかった方法で愛国心を具現化した、愛国的な悪役」・「キャップは今古いので、この男は本当の若い新星になります。高潔な理想を持つキャップに対し、スーパー・パトリオットはより現実的で実用的にします。だから、私は反対のゲームをして、彼の背景とキャラクターの特徴をまとめました」と説明した[2]

『キャプテン・アメリカ』第333号でグルーン・ウォルドは、ウォーカーを新キャプテン・アメリカとして再登場させた。グルーン・ウォルドは、新たなキャプテン・アメリカを登場させる動機はコミックスの売り上げを伸ばす動機付けであると公表した。

ウォーカーがキャップを引き継ぐことで、グルーン・ウォルドは「キャプテン・アメリカのコンセプトが何であるかをより良く定義したい」と述べた。グルーン・ウォルドは、『キャプテン・アメリカ』第321号のベストセラーカバーで、ウォーカー/キャップが銃器を撃っているイメージに対し、これはキャプテン・アメリカというキャラクターの原則違反と考えていたので、「ファンに欲しいものを与えるが、ウォーカーはスティーブ・ロジャースのようにはなれない」と決めた。それでもシリーズの売り上げを大幅に押し上げるほどの人気を高めたウォーカーは[3][2]、『キャプテン・アメリカ』 第333?350号までの主人公であり続け、同作第354号でコードネームを“U.S.エージェント”に変更され、新しいコスチュームも与えられた。

『U.S.エージェント』シリーズも確かな人気を誇り、『Maximum Security』のストーリーでは、U.Sエージェントは機動隊の制服のような新しいコスチュームを与えられ、2001年の短編各種でそのコスチュームを使い続けた。
キャラクター経歴
オリジン

ジョン・ウォーカーは、アメリカジョージア州“カスターズグローブ”で果樹園を営むアメリカ陸軍の退役軍人父ケーレブ・ウォーカーと母エミリー・ウォーカーの次男として生まれた。 彼は愛国心を教えられながら過ごしていた幼少期の1974年に火事に遭うも、アメリカ陸軍のヘリコプターパイロットである兄のマイク・ウォーカーに救われ、その直後、両親から兄がベトナム戦争で戦死したと聞かされて育ったことから、マイクを崇拝するようになった[注釈 1]。そんな兄に近づくべく自身もアメリカ陸軍に入隊し、フォートブラッグで訓練を受けたが[4]、それも間もなくベトナム戦争が終わり、国のための実戦に参加させられないまま、終始基地での内勤に従事していたことから軍務に飽きてしまい、名誉除隊という形で軍を去った。
スーパー・パトリオット

ウォーカーは退役後に友人から、人々に超人的な能力を与えた謎の人物“パワー・ブローカー”について知らされ、彼との接触に成功。そこで友人と2人で放射線療法を受け、超人的な能力を得た[5]。そしてパワー・ブローカーへの借金返済と恩義のため、無制限級レスリング協会に選手として参加するつもりだったが、マネージャーになるイーサン・サームに会い、彼からプロレスラーではなく、キャプテン・アメリカに代わるヒーローとして国のために働くことを薦められると、サームの資本提供や衣装デザイン・アメリカ中での愛国的な集会とコミュニティサービスなどの支援を受け“スーパー・パトリオット”としてデビューした[5]

ここまでの宣伝活動で、アメリカと自身のイメージアップを果たしたウォーカーだったが、セントラル・パークでの集会では、キャプテン・アメリカを時代遅れだと公に批判したことに加え、「攻撃してきた過激派サポーターの“バッキーズ”(ボールド・アーバン・コマンドーズ)を打ち負かす」という密かにリハーサルされた危険なパフォーマンスを行なっており、それを知ったスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ本人の抗議を受けるも拒否し、逆にロジャースへ挑戦状を叩き付けた[6]

ウォーカーは、挑戦を拒否し続けるロジャースに自ら攻撃して決闘を誘発させると、長い激戦の結果は引き分けに終わった。だが、ウォーカーはロジャースに勝利したと思い込んで歓喜した[7]

後日ウォーカーは、ワシントン記念塔の頂上で核兵器を爆発させると脅迫するテロリスト“ウォーヘッド”に立ち向かい、戦闘に勝利して爆破を食い止めることに成功。この功績を高く称賛されたウォーカーは、民衆の間で英雄として称えられ[8]、一躍有名人になると、ワシントン・ポストや全国テレビに出演し、自らを“アメリカの未来”であると主張。大統領顧問を務める“超人活動委員会”のヴァレリー・クーパーの注目も得た[5]
キャプテン・アメリカ

ロジャースがキャプテン・アメリカのコスチュームとアイデンティティを放棄したことで、ウォーカーはクーパーからアメリカ政府の工作員としてキャプテン・アメリカを引き継ぐよう指名された。当初はロジャースとの対立もあって拒否していたが、やがて承諾すると、改めてキャプテン・アメリカの活動やこれまでの戦いについて研究し、尊敬の念を抱くようになった彼に近づくため、タスクマスターの元でキャプテン・アメリカの戦い方を習得する特訓を積み、バッキーズの一員であったレマー・ホスキンスを相棒の“バトルスター”に迎えて、キャプテン・アメリカとしての活動を開始した[5]

ウォーカーはホスキンスと共に、最初の任務として“ウォッチドッグス”に挑み[9]、以降は“タランチュラ”やスパイダーマンと共闘することもあったが[10]、タランチュラと任務中に対立するなど、自身の横暴な本質も手伝って、その活動は強硬な手段も厭わないものとなり、ついにはプロフェッサー・パワーとの戦いにおいて相手を馬乗りになって必要以上に殴り殺してしまった[11][12]。そして、クーパーが手配した記者会見でレフト・ウィンガーとライト・ウィンガーがウォーカーのプロフィールを公表したことが遠因となり[13]、両親をウォッチドッグスに拉致された末に奮戦虚しく喪ってしまい、精神的衰弱に陥りながらも怒りに任せて多くのウォッチドッグスを殺害[14]。さらに、レフト・ウィンガーとライト・ウィンガーにも報復として彼らの親を脅迫し、両者を爆発に巻き込んだ[15]。その後ウォーカーはフラッグ・スマッシャーの戦闘に敗れて捕まるが、ロジャーズ、ホスキンス、デモリションマンに救出された。しかし、この一件は自身にとって屈辱的な出来事となった[16]

ところが、ロジャースの解任から始まった一連の事件は、ウォーカーとロジャースの両者を潰し合わせることを目論んだレッドスカルが黒幕であり、彼はその仕上げとしてウォーカーに近づき、物事がうまく進まない元凶はロジャースであると吹き込むと、ロジャースのクローン体に精神を移した。ウォーカーはワシントンD.C.に誘き出され、現れた敵の大群を敵を全て死傷させた。そしてレッドスカルによってロジャーズ/ザ・キャプテンとの再戦に臨むも敗北し、事実を知って目を覚ますと、レッドスカルと対峙。ロジャースとの共闘で相手を敗走させた。その戦いの後、ウォーカーは委員会でキャプテン・アメリカの称号及びコスチュームと盾を手放し、ロジャーズへこの称号に相応しいのはあなたしかいないと説得した。ロジャースのキャプテン・アメリカの復帰会見においてウォーカーは、「ウォッチドッグによって暗殺された」とヘイワース将軍によって自身の現状を偽造された。新しいアイデンティティを設定するためであった[17]

それからウォーカーは、自分の精神病治療のため、両親がまだ生きていると信じる催眠術をかけられ、“ジャック・ダニエル”という名と言語療法を与えられた[18]
U.S.エージェント / ウエストコースト・アベンジャーズ


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