U・ロイ
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U・ロイ
出生名エワート・ベクフォード
別名ダディ、ジ・オリジネーター、ナッティ・レベル、ゴッドファーザー
生誕 (1942-09-21)
1942年9月21日(76歳)
出身地 ジャマイカキングストン市ジョーンズタウン地区
ジャンルレゲエルーツ・ロック・レゲエダンスホール・レゲエ
職業DJ、サウンド・システム・オーナー
活動期間1961年 -
レーベルトロージャン、ヴァージン・レコード、ras他
共同作業者キング・ステレオグラフ
カウント・マチューキ
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U・ロイ(U-Roy、1942年9月21日 - )は、ジャマイカレゲエディージェイ(以下「DJ」と表記)である。本名、エワート・ベクフォード(Ewert Beckford)。愛称はダディ、ジ・オリジネーター他。

世界で初めてヒットチャートの1位を獲得し、個人名義のシングル及びアルバムを発表したDJとして知られる。レゲエにおけるトースティング技法を完成させた一人であることから、しばしば「ラッパーの元祖」と評価される[1]
目次

1 略歴

2 作品

2.1 アルバム


3 関連項目

4 脚注

5 参考文献

6 外部リンク

略歴

1942年9月21日キングストン、ジョーンズタウン地区に生まれる。1961年頃、ドクター・ディッキーズ・ダイナマイト・サウンドシステムでDJとしての活動を開始する。もっとも、初期の活動はレコード運びなど裏方的なものであったようで、本格的な活動は1965年頃にサー・ジョージ・ジ・アトミック・サウンドでマイクを握り始めてからであった[1]。1968年頃、サー・コクソン・ザ・ダウンビート第二セットで活動しているところをキング・タビーによりスカウトされ、ホームタウン・ハイファイ・サウンド専属となった。ルイ・ジョーダンらのジャイブトークに影響を受けたU・ロイのトースティングは好評を博し、ダンスホールで人気を獲得していった[2]。このU・ロイ人気に目をつけた音楽プロデューサーたちは彼をレコーディングに参加させ始める。1969年、キース・ハドソンの下で録音された「ダイナミック・ファッション・ウェイ」は彼のデビュー曲であっただけではなく、世界初のDJによるレコードであった[3]。この曲はヒットには至らなかったが、当時のトップ・プロデューサーであったデューク・リード1970年に録音し、発表された「ウェイク・ザ・タウン」と「ルール・ザ・ネーション」の2曲は立て続けに4万枚以上を売上げ[1]、RJRとJBCの二つのラジオ局のチャートで1位を獲得[3]。さらに数週間後に発表された「ウェア・ユー・トゥ・ザ・ボール」は12週間連続1位を記録する大きなヒットとなった[1]。この時期、彼はバニー・リーリー・ペリー、ソニア・ポッティンジャー、フィル・プラット、ルーピー・エドワーズ、アルヴィン・GG・ラングリン、ロイド・デイリーといったプロデューサーの下でも多くの録音を残した。

それまでの合いの手(トーク・オーバー)的なトースティングではなく、曲の全編にわたってメッセージを押し出すU・ロイのDJスタイルは革新的であったため、I・ロイ、ニュー・ロイ(U・ブラウン)、U・ロイ・ジュニアら多くの模倣者(フォロワー)を生んだ。U・ロイ自身はそのことを快く思ってはいなかったようで、「Don't imitate because I originate(真似をするな。俺がオリジナル。)」という曲を発表したこともある。

U・ロイはリードの下で約30曲を録音し、1971年には世界初のDJによるアルバム『ヴァージョン・ギャロア』を発表した。1975年ダリル・ホール&ジョン・オーツが彼らのアルバム『サラ・スマイル』においてU・ロイの「ソルダリング」をカバーしたことでU・ロイは国際的な注目を集め、ヴァージン・レコードと契約するに至った。同年ヴァージンから発表されたアルバム『ドレッド・イナ・バビロン』で彼はメジャー・デビューした。

その後、彼は自身のサウンド、キング・ステレオグラフ(キング・スター・ガフ)を立ち上げ、チャーリー・チャップリン、ジョジー・ウェイルズら後進DJを育成した。近年はキングストン郊外のワシントン・ガーデン地区に在住しているが、キング・ステレオグラフを運営し続けている[1]

2007年10月15日にはDJという新たな音楽表現を開拓した功績を称えられ、ジャマイカ政府から名誉勲章 (Order of Distinction) の叙勲を受けた。

2006年と2008年に来日公演を行った。
作品
アルバム

Version Galore - 1971年 - Trojan

U-Roy - 1974年 - Trojan

Dread in a Babylon - 1975年 -
Frontline

Natty Rebel - 1976年 - Virgin

Dreadlocks in Jamaica - 1977年 - Live&Love

Jah Son of Africa - 1977年 - Live&Love

Rasta Ambassador - 1977年 - Virgin

With Words of Wisdom - 1979年 - Frontline

Crucial Cuts - 1983年 - Virgin

Line Up and Come - 1987年 - Tappa

Music Addict - 1987年 - RAS

With a Flick of My Musical Wrist - 1988年 - Trojan

Version of Wisdom - 1990年 - Frontline

True Born African - 1991年 - RAS

The Teacher Meets the Student - 1992年 - Sonic Sounds

Rock With I - 1992年 - RAS

Smile a While - 1993年 - RAS

Babylon Kingdom Must Fall - 1997年 - Ariwa

U Roy Live - 1998 年

Serious Matter - 2000年 - Tabou

The Lost Album - 2000年 - Soundsystem

Now - 2001 - Beatville

Rightfull Ruler - 2002年 - Recall

Rebel in Style - 2005年 - Nocturne

Old School New Rules - 2007年 - Ariwa Sounds

関連項目

ピーター・トッシュ - 「ライトフル・ルーラー」等を共作

ジョン・ホルト - 「ウェア・ユートゥー・ザ・ボール」他の原作者

UB40 - 「ウェア・ユー・トゥ・ザ・ボール」をカバー

ジョー・ストラマー - BBCでのラジオ番組「ロンドン・コーリング」でU・ロイを頻繁に選曲

クール・ハーク

ダブ

リディム

ディスクジョッキー

脚注

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^ a b c d e 石井"EC"志津男監修『ラフン・タフ ジャマイカン・ミュージックの創造者たち』リットーミュージック、2006年、88 - 104ページ
^U・ロイの語る"Wake the town"誕生ストーリー - ワールドレゲエニュース、2010年6月5日、2010年6月15日閲覧。
^ a b 牧野直也『レゲエ入門』音楽之友社、2005年、149 - 159ページ

参考文献

石井"EC"志津男監修『ラフン・タフ ジャマイカン・ミュージックの創造者たち』リットーミュージック、2006年。ISBN:978-4845613649。

牧野直也『レゲエ入門』音楽之友社、2005年。ISBN:978-4276352063

ロイド ブラッドリー著 高橋 瑞穂訳『ベース・カルチャー レゲエ?ジャマイカン・ミュージック』シンコーミュージック、2007年。ISBN:978-4401631452

鈴木 孝弥著『ルーツ・ロック・レゲエ』シンコーミュージックエンタテイメント、2004年。ISBN:978-4401618958

外部リンク

vh1.comバイオグラフィ(英語)

myspace.com - 試聴、バイオグラフィなど(英語)

jahworks.org - インタビュー(英語)

roots-archives.com - ディスコグラフィなど(英語)


更新日時:2014年8月2日(土)04:51
取得日時:2019/08/08 10:15


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