UボートVII型
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UボートVII型

基本情報
運用者 ナチス・ドイツ海軍
要目 (VIIC型)
排水量浮上時: 769トン
潜航時: 871トン[1]
長さ全長: 67.1 m[2]
耐圧殻: 50.5 m[2]
幅全幅: 6.2 m[2]
耐圧殻: 4.7 m[2]
吃水4.74 m[2]
高さ9.60 m[2]
推進器

MAN M6V40/46ディーゼルターボエンジン×2 出力1,400-1,600HP×2 最大回転数: 470-490RPM[2]
速力浮上時: 17.7ノット[2]
潜航時: 7.6ノット[2]
航続距離浮上時: 10ノットで16,000 km (8,600 nmi)[2]
潜航時: 4ノットで150 km (81 nmi)[2]
潜航深度230 m[2]
計算された圧壊深度: 250 - 295 m[2]
乗員44 - 52人[2]
兵装? 533mm魚雷発射管 5基 (艦首4基、艦尾1基)[2]
? 魚雷14本、TMA機雷26個、TMB機雷39基のいずれか
? C35 88mm砲/L45砲 1基 (弾丸220発)
? 多数の FLAK 兵器 (本文参照)
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キールのラボー(Laboe)で展示中のU-995(VIIC/41型)

UボートVII型 (U-Boot Typ VII) は、ドイツ海軍潜水艦で、第二次世界大戦で用いられた。
概要

1935年イギリスとの海軍協定(英独海軍協定)で潜水艦の保有トン数が制限された(イギリス海軍の45%)事により、制限内で大量建造するために排水量500tの小型航洋型潜水艦が計画された。これがVII型である。

設計に当っては第一次世界大戦時のUC III型を基本に海軍技術会社(IvS)がフィンランド向けに設計したヴェテヒネン級を改良したものとした。完成した艦は500tを上回る600?700tとなったが、他国の航洋型潜水艦と比べるとはるかに小型であった。船体は単殻式とされ、船体の両舷に取り付けられたバラストタンクが特徴だった。

実際に運用する艦隊からの評価も高かったので、改良を重ねながら約700隻が建造され、名実ともにドイツ海軍潜水艦の主力となった。
バリエーションU-52(VIIB型)
VIIA型
VIIA型は最初の量産型で、より小型のII型と比較して強力な存在だった。また、艦尾魚雷発射管が艦外に装備されており、本型の外見上の特徴となっている。1936年に計10隻が建造・配備され、全没まで25秒という優秀な急速潜航能力、水中での良好な舵の反応とそれによる高い水中安定性が評価され、将兵から好意を持って迎えられた。1941年以降は全艦が練習艦となった。
VIIB型
VIIB型はVIIA型の船体を2m延長し、燃料搭載量の増加を計った型で、航続距離を2,500海里増加させることに成功した。同時にエンジンが新型に変更され、出力が700馬力増加している。また、VIIA型では艦外にあった艦尾発射管が艦内に移されており、潜航中の再装填が可能となった。本型は1938年から1940年にかけて24隻が建造された。U-570(VIIC型)
VIIC型
VIIC型はVII型の主力量産型で、燃料搭載量がわずかに増加し、搭載魚雷数が12本から14本になった点以外はVIIB型とほぼ同じである。本型ではブロック建造の導入と使用部品の共通化が大量建造を可能にした。本型は1940年から1944年にかけて655隻が建造され、そのうち626隻が竣工した。
U-Flak
対空戦闘を重視し、機銃を増設した艦。航空機による被害が増大した事から、通常型のUボートに付き添って護衛(対空戦闘)を行うことを目的に、VIIC型のU-256、U-441、U-621、U-953が改造された。甲板の8.8cm平射砲を撤去し、艦橋前部に一段、後部に二段の張り出しを設け、前後に2cm4連装対空機銃を一基ずつ、後部の一段下がった場所に3.7cm単装対空機関砲を一基装備している。3.7cm機関砲の予定がつかない艦は、すべて2cm4連装を装備した。U-Flakは1943年5月より活動を開始しているが、英軍が1943年7月以降はUボートに対して航空機の集中攻撃を加える様になったこと、通常のUボートも8.8cm平射砲を下ろして対空兵装を充実させたことから陳腐化し、追加で三隻の改造が予定されていたが中止されている。増設した張り出しと対空兵装により水中運動性が悪化し、搭載魚雷数も減少しているために乗員からの評判は悪かったといわれている。
VIIC/41型
VIIC/41型は1941年度計画で計画された艦で、船殻に使用する鋼材の厚さをそれまでの18.5mmから21mmに変更し、最大安全潜航深度を100mから120mとした型である。1943年から1945年にかけて183隻が計画・建造され、74隻が竣工し、残りの109隻はXXI型建造のため建造中止となった。
VIIC/42型
VIIC/42型はVIIC/41型の船殻をさらに厚くし、最大安全潜航深度を200mとするなど、大規模な改良が加えられた艦となる予定だったが、1943年7月、XXI型建造のため建造中止となった。
VIID型
VIID型はVIIC型をベースとした機雷敷設潜水艦である。機雷敷設用の機雷筒5本を設置するために司令塔後方に10.4mのブロックを挿入している。これにより燃料搭載量も増加し、11,200海里という長大な航続力を持つ艦となった・また、機雷敷設用の設備を追加した他はVIIC型と同じであったので、船団攻撃にも使用された。本型は1941年から1942年に6隻が建造された。
VIIF型
VIIF型はVIIC型をベースとした魚雷補給用潜水艦である。司令塔後方に11.1mのブロックを挿入し、ここに補給用魚雷21本を搭載した。この型も魚雷補給用の設備を追加した他はVIIC型と同じであったので、船団攻撃にも使用された。本型は1943年に4隻が建造された。1944年以降は洋上での補給が難しくなったこともあって、14,700海里という長大な航続距離と魚雷搭載用のスペースを生かして貨物輸送に用いられた。
主な戦歴U-47のモデル

VII型は1936年から45年にかけVIIA型?VIIF型まで各型合計で約700隻近くが建造され、ドイツ海軍潜水艦隊の中核として、大西洋の戦いの主力として活躍した。

特に、イギリス海軍の航空母艦カレイジャス」を撃沈したVIIA型のU-29、スカパ・フローに潜入し戦艦ロイヤル・オーク」を撃沈したギュンター・プリーン(Gunther Prien)指揮するVIIB型のU-47、大西洋北海での12回の作戦行動で54隻を撃沈したU-48、空母「イーグル」を撃沈したU-73、オットー・クレッチマー(Otto Kretschmer)の指揮したU-99やヨアヒム・シェプケ(Joachim Schepke)のU-100、空母「アーク・ロイヤル」を撃沈したVIIC型のU-81、戦艦「バーラム」を撃沈したU-331が有名である。

ちなみに、HX228船団を襲撃したU-444は、英海軍駆逐艦「ハーヴェスター」に体当たりを受け、互いのプロペラシャフトが絡み合って動けない所に、自由フランス海軍のフラワー級コルベット「アコニト」の体当たりを受けて沈没した[3]
性能諸元
VIIB型

水上排水量:753t

水中排水量:857t

全長:66.5m

全幅:6.2m

吃水:4.7m

全高:9.5m

出力:水上2,800hp(2,400 kW)、水中:750hp(560 kW)

最高速度:水上17.2kt(33 km/h)、水中:8kt(15 km/h)

水上航続距離: 10kt(19 km/h)で8,700海里(16000km)

水中航続距離:4kt(7 km/h)で90海里

燃料搭載量:重油108.3t

最大安全潜航深度:100m

兵装:53cm魚雷発射管×5(艦首4、艦尾1 搭載魚雷12本)、 45口径88 mm単装砲×1、20mm単装
機銃×1

乗組員数:44名(うち4名は士官)

VIIC型

水上排水量:769t

水中排水量:871t

全長:66.5m

全幅:6.2m

吃水:4.7m

全高:9.6m

最高速度:水上17kt、水中7.6kt

出力:水上2,800hp(2,400 kW)、水中:750hp(560 kW)

水上航続距離:10ktで8,500海里(約15750km)

水中航続距離:4ktで80海里/2ktで240海里

燃料搭載量:重油113.5t

最大安全潜航深度:100m

兵装:53cm魚雷発射管×5(艦首4、艦尾1 搭載魚雷14本)、 45口径88 mm単装砲×1、37mm単装
機関砲×1、20mm単装機銃×2

乗組員数:44名(うち4名は士官)

仕様一覧

艦級VIIA[4]VIIB[4]VIIC[4]VIIC/41[4]VIIC/42[4]VIID[4]VIIF[4]


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