以下、公式以外のものについて述べる。
OrbotOrbotのロゴ詳細は「Orbot」を参照
Orbotは、Androidユーザー向け匿名ネットワーククライアント。Android端末でTorに接続することを目指すThe Guardian Projectとの共同開発プロジェクト[33]である。これも公式アーカイブ[34]やGoogle Play[35]から入手できる。Tor経由でネット閲覧する場合、かつてはWebブラウザOrfoxを組み合わせて用いたが、現在はその後継のAndroid版Torブラウザに移行。
これ以外については、The Guardian Project (ソフトウェア)#運営するプロジェクトも参照。
Onion BrowserOnion-Browserのロゴ
Onion Browserは、Mike Tigas[36]氏がiPhoneやiPod touchなどのiOS端末向けに開発するWebブラウザ[37]で、2012年4月に公開されiOS 5.1に対応する初版よりApp Storeから入手可能[38]。ソースコードもGitHubにあり[39][40]、その内容を確認することができる。特に独裁国での使用時に真価を発揮するBridge接続に対応し、初期設定の検索エンジンもDuckDuckGoで、WebKitによる描画を除けばJavaScriptの制限やHTTPS Everywhereを含むその他の機能も概ねTor Browserに準ずる。
起動時には、動物のイラストとともにシュールなメッセージが表示される。また、Onion Browserの稼働中にiOS端末が待受画面になった場合、一旦閉じてブラウザを再起動する必要がある。
なお、iOS端末向けの純正Torブラウザは存在しないため、Tor公式サイトでこれの使用を推奨[41][42]しており、事実上の公認ブラウザとなっている。
iPadで稼働するOnion Browser
iPhoneで稼働するOnion Browser 2.8.1
BraveBraveのロゴ詳細は「Brave (ウェブブラウザ)」を参照
Brave[43]はChromiumから派生したウェブブラウザ。Microsoft Windows、macOS、Linuxの各環境向けのDesktop版では、Tor経由で接続できるプライベートブラウジングモードが利用可能。検索エンジンには、Onion Service上でも利用可能な独自のBrave Searchを採用。セキュリティ保護機能のBrave Shieldsには、導入時から末端ノードを暗号(HTTPS)化するHTTPSeverywhereやフィンガープリント対策のPrivacy Badger[44][45]も内蔵するほか、標準搭載の広告遮断機能にAdblock Plusのフィルター構文で書かれたEasylistとEasy Privacyの組み合わせを用いる[46][47]。
サイト管理者へのTor規制要請A very brief animated primer on Tor pluggable transports,[48] a method of accessing the anonymity network.
日本で2012年にパソコン遠隔操作事件が発生してTorの存在がマスコミにより連日報道された。近年はTorを悪用した犯罪行為が発生しており、殺人予告やオンラインバンキング等への不正アクセス、2010年の警視庁国際テロ捜査情報流出事件でも使用が確認されている[49]。
警察庁の有識者会議は、2013年4月18日の報告書で「国内外で犯罪に使われている状況に鑑みると対策が必要」として、末端となるTorノードのIPアドレスからアクセスがあった場合は通信を遮断するよう、国内のウェブサイト管理者に自主的な取り組みを要請する構えを見せている[49][50][51]。また、WikipediaもTorノードからの投稿を原則受付けない[52]。「#中継トラフィック解析攻撃」および「Tails (オペレーティングシステム)#Facebookによるハッキング」も参照
Torの悪用は、正当な利用者の不利益にも繋がっており、国際ハッカー集団「アノニマス」は、Torの検閲への動きを撤廃することを望む動画を、YouTubeにアップロードした[53]。
注・出典[脚注の使い方]^ “Tor: People