Tor Browser[21]は、盗聴防止やプライバシー保護を目的に開発されたウェブブラウザ。Mozilla Firefox ESR(延長サポート版)に、JavaScriptを制御できXSSにも対応可能なNoScriptや、Onion Service以外のHTTP通信で出口ノードからの末端部を暗号(HTTPS)化するHTTPS Everywhere[22][23]など、いくつかの拡張機能と設定済みのTorを組み合わせたものである。 TorBirdy(英語版
さらに、TailsというOSに搭載されているものには、インターネット広告の遮断などに用いられるuBlock Originも標準で組み込まれている。
そして、USBメモリに入れての利用を想定したゼロインストールパッケージも用意されている。従来から公式サイト[24]や公式アーカイブ[25]にMicrosoft Windows、macOS、Linuxの各環境で動作するものがあり、2019年5月に公開されたバージョン8.5安定版以降、公式アーカイブのほかGoogle Play[26]からAndroid端末向けも入手可能となった。
また、バージョン4.5まではStartpage.com、現在はDuckDuckGoが標準検索エンジンに採用されている。Tor Browserは常時プライベートブラウジングモードで動作し、終了時にはパソコンやAndroid端末内に閲覧履歴やキャッシュおよびcookie等も残さず、このためフィルターバブルの影響を受けない。いまのところ、ウェブトラッキングやキャンバス・フィンガープリンティングなどの対策にも有効である[27]。
TorBirdy
TailsTailsのロゴTails 4.14のスクリーンショット詳細は「Tails (オペレーティングシステム)」を参照
Tailsは、Debianから派生したLinux系OSで、プライバシー保護を重視してTorブラウザやTorBirdyなども標準搭載され、通信はすべてTorネットワーク経由となる。Live DVDやLive USBから起動し、さらにPCに履歴を一切残さない。匿名性・秘匿性が高く、人権活動家や弁護士、ジャーナリストおよび各国の工作員(諜報活動)なども使用する。 以下、公式以外のものについて述べる。 Orbotは、Androidユーザー向け匿名ネットワーククライアント。Android端末でTorに接続することを目指すThe Guardian Projectとの共同開発プロジェクト[33]である。これも公式アーカイブ[34]やGoogle Play[35]から入手できる。Tor経由でネット閲覧する場合、かつてはWebブラウザOrfoxを組み合わせて用いたが、現在はその後継のAndroid版Torブラウザに移行。 Onion Browserは、Mike Tigas[36]氏がiPhoneやiPod touchなどのiOS端末向けに開発するWebブラウザ[37]で、2012年4月に公開されiOS 5.1に対応する初版よりApp Storeから入手可能[38]。ソースコードもGitHubにあり[39][40]、その内容を確認することができる。特に独裁国での使用時に真価を発揮するBridge接続に対応し、初期設定の検索エンジンもDuckDuckGoで、WebKitによる描画を除けばJavaScriptの制限やHTTPS Everywhereを含むその他の機能も概ねTor Browserに準ずる。 なお、iOS端末向けの純正Torブラウザは存在しないため、Tor公式サイトでこれの使用を推奨[41][42]しており、事実上の公認ブラウザとなっている。 Brave[43]はChromiumから派生したウェブブラウザ。Microsoft Windows、macOS、Linuxの各環境向けのDesktop版では、Tor経由で接続できるプライベートブラウジングモードが利用可能。検索エンジンには、Onion Service上でも利用可能な独自のBrave Searchを採用。セキュリティ保護機能のBrave Shieldsには、導入時から末端ノードを暗号(HTTPS)化するHTTPSeverywhereやフィンガープリント対策のPrivacy Badger[44][45]も内蔵するほか、標準搭載の広告遮断機能にAdblock Plusのフィルター構文で書かれたEasylistとEasy Privacyの組み合わせを用いる[46][47]。
公式サイト[31]やTails公式アーカイブ[32]でISOイメージが配布されている。
その他のプロジェクト
OrbotOrbotのロゴ詳細は「Orbot」を参照
これ以外については、The Guardian Project (ソフトウェア)#運営するプロジェクトも参照。
Onion BrowserOnion-Browserのロゴ
起動時には、動物のイラストとともにシュールなメッセージが表示される。また、Onion Browserの稼働中にiOS端末が待受画面になった場合、一旦閉じてブラウザを再起動する必要がある。
iPadで稼働するOnion Browser
iPhoneで稼働するOnion Browser 2.8.1
BraveBraveのロゴ詳細は「Brave (ウェブブラウザ)」を参照