Tor
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公式もこのことを問題視しており、ボランティアはExit Policyを設定することで、出口ノードになるかどうか、出口ノードとしてどのサービスを許可するか、等を制限することができる[19]
Torの利用Tor利用者数の統計地図

政府機関軍隊安全な通信を行うため、内部告発通信を遮断する独裁国権威主義国)からの接続あるいは通信の秘密プライバシーを重視する個人や活動家などがネット検閲回避のため使用する[20]。使用例については、ダークネット#使用の項に詳しい。「en:Tor (anonymity network)#Implementations」および「en:The Tor Project#Tools」も参照
Tor BrowserTor BrowserのロゴDebianLinux)上で動作するTor Browser 11.0.1。about:torページが表示された起動直後の状態。詳細は「Tor Browser」を参照

Tor Browser[21]は、盗聴防止やプライバシー保護を目的に開発されたウェブブラウザMozilla Firefox ESR(延長サポート版)に、JavaScriptを制御できXSSにも対応可能なNoScriptや、Onion Service以外のHTTP通信で出口ノードからの末端部を暗号(HTTPS)化するHTTPS Everywhere[22][23]など、いくつかの拡張機能と設定済みのTorを組み合わせたものである。
さらに、TailsというOSに搭載されているものには、インターネット広告遮断などに用いられるuBlock Originも標準で組み込まれている。
そして、USBメモリに入れての利用を想定したゼロインストールパッケージも用意されている。従来から公式サイト[24]や公式アーカイブ[25]Microsoft WindowsmacOSLinuxの各環境で動作するものがあり、2019年5月に公開されたバージョン8.5安定版以降、公式アーカイブのほかGoogle Play[26]からAndroid端末向けも入手可能となった。
また、バージョン4.5まではStartpage.com、現在はDuckDuckGoが標準検索エンジンに採用されている。Tor Browserは常時プライベートブラウジングモードで動作し、終了時にはパソコンやAndroid端末内に閲覧履歴キャッシュおよびcookie等も残さず、このためフィルターバブルの影響を受けない。いまのところ、ウェブトラッキングキャンバス・フィンガープリンティングなどの対策にも有効である[27]
TorBirdy

TorBirdy(英語版)は、Microsoft Windows、macOS、Linuxの各環境で動作するインターネット統合ソフトSeaMonkeyおよび電子メールクライアントMozilla Thunderbird用の拡張機能で、公式サイト[28][29]や公式アーカイブ[30]から入手可能。電子メールの盗聴や傍受の防止を目的に開発されており、メールの送信経路の秘匿化を行う。Torネットワークに接続した状態で動作するため、公式には、特にWindows環境の場合Torブラウザを起動した状態での使用を推奨している。Tailsでは、メールそのものを公開鍵で暗号化エンドツーエンド暗号化)するGnuPGEnigmailとともに組み込まれている。
TailsTailsのロゴTails 4.14のスクリーンショット詳細は「Tails (オペレーティングシステム)」を参照

Tailsは、Debianから派生したLinuxOSで、プライバシー保護を重視してTorブラウザやTorBirdyなども標準搭載され、通信はすべてTorネットワーク経由となる。Live DVDLive USBから起動し、さらにPC履歴を一切残さない。匿名性・秘匿性が高く、人権活動家弁護士ジャーナリストおよび各国の工作員諜報活動)なども使用する。
公式サイト[31]やTails公式アーカイブ[32]ISOイメージが配布されている。
その他のプロジェクト

以下、公式以外のものについて述べる。
OrbotOrbotのロゴ詳細は「Orbot」を参照

Orbotは、Androidユーザー向け匿名ネットワーククライアント。Android端末でTorに接続することを目指すThe Guardian Projectとの共同開発プロジェクト[33]である。これも公式アーカイブ[34]Google Play[35]から入手できる。Tor経由でネット閲覧する場合、かつてはWebブラウザOrfoxを組み合わせて用いたが、現在はその後継のAndroid版Torブラウザに移行。
これ以外については、The Guardian Project (ソフトウェア)#運営するプロジェクトも参照。
Onion BrowserOnion-Browserのロゴ

Onion Browserは、Mike Tigas[36]氏がiPhoneiPod touchなどのiOS端末向けに開発するWebブラウザ[37]で、2012年4月に公開されiOS 5.1に対応する初版よりApp Storeから入手可能[38]ソースコードGitHubにあり[39][40]、その内容を確認することができる。特に独裁国での使用時に真価を発揮するBridge接続に対応し、初期設定の検索エンジンもDuckDuckGoで、WebKitによる描画を除けばJavaScriptの制限やHTTPS Everywhereを含むその他の機能も概ねTor Browserに準ずる。
起動時には、動物のイラストとともにシュールなメッセージが表示される。また、Onion Browserの稼働中にiOS端末が待受画面になった場合、一旦閉じてブラウザを再起動する必要がある。

なお、iOS端末向けの純正Torブラウザは存在しないため、Tor公式サイトでこれの使用を推奨[41][42]しており、事実上の公認ブラウザとなっている。

iPadで稼働するOnion Browser

iPhoneで稼働するOnion Browser 2.8.1

BraveBraveのロゴ詳細は「Brave (ウェブブラウザ)」を参照

Brave[43]Chromiumから派生したウェブブラウザ。Microsoft Windows、macOS、Linuxの各環境向けのDesktop版では、Tor経由で接続できるプライベートブラウジングモードが利用可能。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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