ThinkPad
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ThinkPad
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(2013年モデル)
開発元.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}

IBM (1992 - 2005)

Lenovo (2005 - 現在)

種別ノートパソコン
発売日1992年10月5日(ThinkPad 700C)
OSWindowsChromeOSLinux
前世代ハードPS/55
ウェブサイトThinkPad

ThinkPad(シンクパッド)は、1992年IBMによって開発・販売が開始され、2005年以降はレノボによって開発・販売されているノートパソコンである。
名称

Think」はIBMのトーマス・J・ワトソン・シニアによる社内標語で、世界中のIBMで使用されている[1][2]日本IBM椎名武雄は著書でこの標語のエピソードを紹介している[3]。IBM社員はしばしば表紙に「Think」と印字されたノート帳(ノートパッド)を使用したため、その連想から、当時のPC事業責任者であったブルース・クラフリンにより「ThinkPad」のネーミングが生まれたと言われている[2][4][5]
特徴
ハードウェアThinkPadのタッチパッド+トラックポイントThinkPad760LD HDDやFDDはカートリッジ方式を採用して簡単に取り外せる仕様になっている

松花堂弁当をモチーフとしたつや消し黒の筐体を基調に、赤いトラックポイントをアクセントとして配する重厚なデザインが外観的特徴である[6][7]。このデザインを決めたのはIBMのデザイン顧問であったリヒャルト・ザッパーであり、その過程での実質的な中心人物は、神奈川県にあるIBM大和事業所にいた山崎和彦である[7]

IBMはかつてはタイプライターのメーカーでもあり、携帯性を重視するノートパソコンにおいてもキーボードに関しては安易な妥協には頑固に拒否し続けてきた。手の大きな人間でも長時間のタイピングでもストレスを感じさせないキーメカニズムには定評がある[8][9]。以前のThinkPadのキーボードは基本的にすべてのモデルでフルサイズキー(キーピッチ・キーサイズが18 mm以上)かつ キーストロークが大きめ(約2.5 mm[10]) の7列配列のキーボードを採用しており、キー配置がデスクトップ用キーボードの使用感と大きく変わらないように工夫されている。また、レノボに移行し実用可能なアイソレーションキーが登場した後においても、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}入力しやすさのためのキーピッチとキーストロークは他メーカーのどの価格帯のノートパソコンよりもほぼ大きく、モデル間や世代間のキー配列の差に気を配っているので、文章作成に特に向いている[独自研究?]。

黒の筐体と並んでデザイン的中核となるのが、赤いキャップを配されたトラックポイントと呼ばれるポインティングデバイスである[11]。トラックポイントを初めて搭載した製品はThinkPad 700Cで、1992年10月に発表された[12]。モバイルコンピュータとして机の上でだけ使うとは限らないThinkPadに、マウスを使えない環境でもポインティング操作を可能にするテクノロジーが必要と考えられ、このトラックポイントが開発された。そのような環境である宇宙で使用された最初のノートPCとなったのは、1993年12月のThinkPad 750sである[13]。なおトラックポイントのアイディア自体は、1990年にテッド・セルカーらにより国際学会で発表されたのが最初のお披露目である[14]液晶ベゼル上部中央付近に設置されているThinkLight点灯時の画像

また、他社のノートパソコンにない機能として、液晶ベゼル上部からキーボードを照らすThinkLightが挙げられる。 これはいわゆる「キーボードライト」であり、本体に内蔵されているのは以前はThinkPadのみであった。同じ目的の機能としてキーボードそのものが光る、キーボードバックライトがあり、このタイプのThinkLightも、ThinkLight非搭載モデルも、レノボ移行後は存在する。搭載モデルであれば夜間の旅客機の客席において照明を落とした状態でも不自由ないタイピングが可能となっている。光源はLEDで消費電力は抑えられている。
ソフトウェア

かつては、ThinkPadに付属する(プリインストールである)ソフトウェアは基本的に、ハードウェアアシストの観点におけるものがすべてであったが、昨今は独自開発のビジネスツールやユーティリティ、またセキュリティ関連のハードウェア設定に関するアプリケーションを含む。

付属ソフトウェアの中で特筆すべきものは、ソフトウェア導入支援(現在はThinkVantage System Update)である。これはデバイスドライバユーティリティを一括してインストール・アップデートするためのアプリケーションだが、OSのダウングレードといった用途にも使う事が出来る。また逆にWindows Vista搭載PCをWindows XPへバージョンダウンする場合、他社PCでは基本的にサポート外となり、ドライバ等の入手が困難、もしくは不可能な場合もあるが、ThinkPadではソフトウェア導入支援を使う事で容易に対応させる事が出来る。
サービス

ThinkPadはビジネス向けが中心であり[15](IBM時代の一時期、一般家庭向けの機種が発売されていたことはある)、レノボ製となった後も厳しい品質テスト(トーチャーテスト=別名「拷問テスト」)[16]などにより、高品質・高信頼性と言われる事が多い[17][18]

また、ThinkPadの購入ユーザは、保守パッケージを購入する事で延長・拡張の保守サービスを追加する事ができるため、初期投資を抑えてサービスを受けることができる。この保守には、火災や盗難といった不慮の事態や海外での故障などへも対応するオプションがあり、購入時には予期しなかった使用環境の変化にも対応ができる。

バッテリ等のオプション製品も、レノボのサイトから検索・購入できる。また“保守マニュアル”と称される冊子により、本体の分解図や各部分を構成する部品番号が公開されており、現行もしくは少々型落ちの機種でもPDF形式でレノボのサイトよりダウンロードできる[19]。更に部品センターに電話をすれば、予備用バッテリーからキーボードや部品固定用のビス1本に至る保守用部品まで、多くの部品をバラ売りしてもらえるため、自己責任にはなるが、前述の保守マニュアルを参照しながら故障箇所を修理・交換することもできる。

このほか、企業向けのリース切れのThinkPadが同時期に大量に中古市場に出回ることが多く、中古製品の入手は比較的容易である。また中古流通品の一部は分解された後、部品単体として販売されることも多い。
歴史
誕生

IBMの最初のポータブルコンピュータ1975年IBM 5100である。日本独自仕様では1987年ラップトップPCマルチステーション5550 5535-M、1989年のA4サイズのAS/400端末用の5549オンラインノート[20][21][出典無効]などである。

IBMの最初のPC/AT互換のラップトップPCは、1990年の日本のPS/55シリーズ 5535-S である。5535-SはVGAと内部的なATバスを搭載し、当モデルの専用オペレーティングシステムとしてIBM DOSバージョンJ4.0/Vが同時発表され、日本にPC/AT互換機が普及する契機となった。

ThinkPadの前身となるバッテリ駆動型の製品として1991年3月に発売された、PS/2 L40SXが挙げられる[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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