TO-Y
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TO-Y
漫画
作者
上條淳士
出版社小学館
掲載誌週刊少年サンデー
発表号1985年第16号 - 1987年第15号
巻数全10巻
OVA
監督浜津守
キャラクターデザイン恩田尚之
アニメーション制作スタジオぎゃろっぷ
製作小学館、CBS・ソニー
スタジオぎゃろっぷ
発売日1987年10月1日
話数全1話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『TO-Y』(トーイ、To-yとも表記される)は、上條淳士による漫画作品。『週刊少年サンデー1985年第16号から1987年第17号まで掲載された。単行本は全10巻が刊行。文庫版、コンビニ版など幾つかの版を経て、2015年から2016年にかけて『To-y 30th AnniversaryEdition』全5巻が決定版として刊行された。その際「革命的表現で「音」を描き、数多の音楽漫画、ミュージシャンに影響を与えた」と説明された。

連載終了直後の1987年に、スピンオフ作品として短編「山田のコト」が『増刊少年サンデー』に掲載された。前述の決定版にも収録。2020年に『TRIBUTE TO TO-Y』が刊行された。35人の漫画家、イラストレーターによるトリビュート作品のほか、上條淳士による33年ぶりの新作短編「風の道」も収録。

1987年にはアニメ化(OVA化)されている。2021年にBlu-rayが発売。目次

1 あらすじ

2 登場人物

3 漫画界への影響

4 OVA

5 関連項目

6 脚注

あらすじ

まばゆい輝きを放つ高校生、トーイこと「藤井冬威」。パンク・ロックバンドボーカルだったトーイは、ビッグスター「哀川陽司」の友人のライブを乗っ取り、哀川と共にそのライブを見ていた敏腕マネージャー「加藤か志子」の目に留まる。

無邪気な中学生ニヤや、実はトーイの従姉妹でもあるスーパーアイドル「森が丘園子」との共同生活をしながら、芸能界デビューするトーイ。しかし、本来の音楽性を否定され、スキャンダラスな話題性とルックスのみが注目され、マスコミの道化のように扱われていく。
登場人物

声はOVAの出演者。
藤井冬威(ふじい とうい)(トーイ)
声 -
塩沢兼人本編の主人公。類稀なルックスと、天性の音楽性をもつ少年。喧嘩も滅法強い。物語のスタート時には、高校1年生だったが、すぐに自主退学する。実家は軽井沢近郊の旧家である小石川家で、本来なら旧家の御曹司になるが、幼い頃に両親が離婚した際父親についていった為、現在は実家とはほぼ絶縁状態になっている。とはいえ既に父親は他界し、母親が保護者となっているので、全く縁が途切れているわけではない。パンクバンド「GASP」のボーカルとして高い人気を誇りながらも、自分のやりたい音楽がパンクでは無い事に悩み、GASPのメンバー達の事を考えその事を言い出せなかったが、リーダーの桃元の後押しもあり、脱退した。だが、その事で後述のイサミやカイエらに「裏切った」と思われてしまう。GASP脱退後、哀川陽司のバックバンド「EDGE」を経て、デビュー前の日本武道館でのソロコンサート及び、ジャケットとB面の異なるシングル3枚&アルバム同時発売と、アイドルとして鮮烈なデビューを飾る。事務所の強力なプッシュで2大音楽祭のひとつ、レコード大将の最優秀新人賞を受賞するが、その瞬間、賞を辞退し会場を立ち去る。アイドルとしては2カ月ほどで引退しているが、本編の最終話から察するに、ライブハウスを中心とした音楽活動は続けている様子。「GASP」時代はボーカルだけで楽器の演奏はしなかったが、「EDGE」に加入してからベースギターを弾くようになる。身長187p。
山田二矢(やまだ にや)(ニヤ)
声 - NOKKO本編のヒロイン。無邪気でネコとトーイが大好きな中学3年生。15歳。ショートカットにボーイッシュな服装で、しばしば男の子に間違えられる。学校にはほとんど行かず、トーイの追っかけをしている。神出鬼没で、誰とも打ち解けるため、トーイの芸能事務所にも顔パス。母親は幼いころに他界し、父親は船長で海外に行っており、ほぼ1人暮らし。一番仲の良い猫は公園に住み着いている野良猫「ニア」。ランニングの中に入れて連れまわしていた。短編の「山田のコト」では、本編の前日談がニアがメインで書かれている。元々は長髪で、服装もボーイッシュではなかったが、周りとはちょっと違う自分に悩んでいた時に偶然「GASP」のライブを目撃、ステージで歌うトーイの姿に強烈な憧れを抱き、髪型や服装を変え、トーイの追っかけをするようになる。そのため学校は休みがちだが、成績は至って優秀。運動神経も抜群である。なおつみきみほがモデルという説もあるが、作者がつみきを知ったのはキャラクターデザイン後のことである。しかし「山田のコト」において、つみき出演の映画のエピソードを借用するなど、後づけでモデルとしたことをインタビューにて語っている。ニヤとトーイの出会いからこの物語が始まり、ニヤのトーイ宛の手紙が物語のエピローグになる。
哀川陽司(あいかわ ようじ)
声 - 内田直哉ルックス重視のアイドルとして売出し中の人気スターだったがトーイと出会い音楽性を重視した活動に目覚めトーイにも劣らないアーティストとしての実力を見せる。森が丘園子に片思いを抱いているが、冬威を好きな園子に振り向いてもらえないでいる。トーイのライバル的存在だったが、やがてトーイの良き親友兼イジられキャラになっていく。作中途中から自宅マンションの隣にトーイが引っ越して来たため、何かと食べ物をたかる光景(引越しそば、カレーなど)が見られた。モデルは吉川晃司 。作中ではギャグキャラクターとして度々扱われている。吉川本人は作者に「自分はこんなキャラじゃ無いですよ」と言ったが、作者からは「君のイメージは、こんな感じだよ」と言われている。また、この漫画が縁となり、後に発売された吉川晃司のCDジャケットのイラストを担当することになった。作中、髪型がたびたび変化するが、これはモデルの吉川晃司を意識したものである。身長185p。
森が丘園子(もりがおか そのこ)(ヒデロー)
声 - 弥生みつき本名:小石川日出郎。超スーパーアイドル。ぶりっ子 的な芸風だが、本性は勝気な少女。トーイの従姉妹にあたる。トーイを売り出すにあたって、か志子にスキャンダルを暴露されるが、記者会見での失礼な質問に本心で怒った事で、逆に人気がアップし、ぶりっ子なキャラから真のアーティストへと脱皮する。このスキャンダルで小石川一族が東京集合してしまい大騒動になりかける。ニヤを疎ましいと思いつつもいつの間にか凸凹コンビになる。メイクアップが得意で園子メイクと日出郎メイクは大きく異なり、一般人(ファンも含める)・さらに担当マネージャーですら同一人物と見破りがたい。ニヤと同じ15歳だが、一学年上でトーイと同学年の高校1年生(作中で16歳になる)。中森明菜がモデルとされる。
加藤か志子(かとう かしこ)
声 - 一柳みる加山プロ所属の哀川陽司の敏腕マネージャー。トーイを見出し、彼のマネージメントに乗り気で、トーイのデビューを鮮烈にプロデュースする。やり手の女傑で、トーイを手に入れる為に「GASP」のライブを利用したり、トーイの売名行為のためにアイドル園子とのスキャンダルをマスコミにリークするなど、冷酷な所もある。トーイのデビューにあたって、加山プロから提携の加藤企画の社長に就任するが、加山社長の陰謀により失脚する。本気でトーイの才能に惚れ込み、最後までトーイの歌う場所を作ろうと奔走する。かつて「ヒステリックス」と言う伝説のロックバンドのボーカルだった過去があるが、本人は過去の事としているため、当時を語ろうとしない。小さい眼鏡を愛用し、ヘビースモーカーで常にタバコを吸っている。哀川陽司のバックバンド「EDGE」の命名者でもある。身長172p。
近藤勇(イサミ)
声 - 山田辰夫トーイの所属するパンクバンド「GASP」のベーシスト。見かけによらず、仲間想いで、それ故にトーイの裏切りを許せず、トーイと敵対する。トーイ脱退により「GASP」が瓦解した際に脱退して後に「ペニシリン・ショック」に加入する。家では両親の事を「パパ」「ママ」と呼んでいる。父親は非常に個性的、富裕層でもある。カイエのトーイ抹殺を阻止しようとするが、カイエに腹部を刺される。負傷したままトーイの武道館コンサートを客席から見つつ息を引き取ったかのように思われたが、実は命に別状はなく、そのままカイエの策略で怪我をしたGASPのメンバー共々同じ病院に入院。退院後、「ペニシリン・ショック」を脱退し、トーイやカイエに「トーイよりも凄いボーカルを見つけて自分のバンドを作る」と宣言する。その後、メンバーを見つけるまでの間、「GASP」の助っ人メンバーとして参加している。
鈴木昭司(ショージ)
声 - 関俊彦トーイの所属するパンクバンド「GASP」のギタリスト。ライブ前以外は、ほとんどギターの練習をしない。トーイ脱退により「GASP」が瓦解した際に桃元と共にバンドに残った。実家は酒屋。妹がいる。
桃元郷(もももと ごう)(桃ちゃん)
声 - 玄田哲章トーイの所属するパンクバンド「GASP」のドラマー。スキンヘッドでサングラス愛用、面倒見の良いバンドリーダー。トーイが自分の音楽の方向性で悩んでいた事を見抜き、わざと突き放すような言動をし、「GASP」を脱退するようトーイを後押しする。工場勤務。身長172p。他の作品でも「桃ちゃん」の名で呼ばれ、作者の長編作品には必ず顔を出す上條漫画の象徴とも言えるキャラクター。サンプラザ中野くんがモデルとされている。
中原公彦(カイエ)
声 - 曽我部和恭パンクバンド「ペニシリン・ショック」のボーカル。「GASP」のボーカルであるトーイに憧れていた。それ故、芸能界に入り堕落した(とカイエは思っている)トーイを許せず、「GASP」を抜けたイサミを巻き込み、抹殺しようとしている。イサミを「ペニシリン・ショック」に引き込み、友人のキョウを「GASP」に加入させる等暗躍する。トーイをおびき出すために「GASP」復活ライブを利用し滅茶苦茶にするが、怒ったトーイから叩かれ、その際、「GASPのトーイ」が自分にとっての憧れであった事、その憧れのままでいて欲しかった事を訴えるが、トーイから「どこに行っても自分は変らない」と告げられ、憧れから目標としていつか乗り越えたい存在に変っていく。実家は金持ちで、バンド練習のスタジオ代や、怪我をさせた面々の入院費を含む治療費全てを負担している。軽くメシを食べるのにも一流料亭を利用したりする。モデルは中川勝彦とされている
遠藤
哀川陽司のプロデューサー。かつて、か志子と共に「ヒステリックス」のメンバーだった。初期の頃は、普段は渋い中年だが、眼鏡を掛けると陽気な性格に変わるという設定だったが、作者もいつの間にか忘れていた[要出典]。36歳。
マニ藤
元々は哀川陽司のコンサートスタッフの一人だったが、か志子がトーイのマネジャーになる為、陽司に別れを告げようとした際、自分が後を引き継ぐと言いつつ、哀川陽司のマネージャーにいつの間にか就任している。低血圧で寝起き顔を見せたくないという理由で、普段はお面を被っているが、被っても被らなくても同じ顔をしている。トーイが「EDGE」を抜ける事を予測していたか志子に依頼され、トーイが抜けた後のベーシストとして後述の蒲愛克敏を連れてくる。
亜座博史(あざ ひろし)
哀川陽司のバックバンド「EDGE」のメンバーでリードギター。メンバーの中で一番演奏上手。アマチュアバンドで演奏していた時、自分一人だけスカウトされ、悩んだ末に仲間を裏切る形でスカウトの話に乗ったものの、結局デビュー出来ず、助っ人ミュージシャンとして色々な所をたらい回しされるという過去を持ち、仲間を裏切った事への後悔や、今の置かれている状況から、やや拗ねた考えを持っていた。


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