TEE
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この項目では、列車について説明しています。クラフトワークのアルバム(英題: Trans-Europe Express)については「ヨーロッパ特急 (アルバム)」を、その他の用法については「TEE (曖昧さ回避)」をご覧ください。
西ドイツのTEE車両 VT11.5型の前頭部

Trans Europ Express, 略称TEEは、1957年から西ヨーロッパで運行されていた列車種別である。すべて一等車からなる昼行の国際列車で一定の条件を満たしたものがTEEとされたが、後に西ドイツフランスイタリアでは国内発着の最優等列車もTEEとなった。TEEには原則として一往復ごとに個別の列車名がつけられていた。一等国際列車としてのTEEは1988年に全廃され、国内列車のTEEも1991年に廃止された。1993年二等車を含む列車として復活するものの、これも1995年に廃止された。

日本語では「欧州特急」[1]、「ヨーロッパ横断特急」[2][3]、「ヨーロッパ国際特急」[4][注釈 1]等と訳される。
特徴TEEラインゴルト(1986年)

TEEは本来、国際的に活動するビジネス客を主な対象として設定された列車である。また第二次世界大戦後に急速に発達した航空機自動車に対抗できる速度や利便性、快適性を追求した列車でもある[1][5]

TEEでは出入国管理税関検査などの手続きは、原則として走行中の車内で行なえるようになっており、国境駅での長時間停車は不要になった。また食堂車を連結するか、もしくは車内の厨房からケータリングサービスが行なわれた[5]。列車によっては車内からの電話秘書によるタイプセットなどのサービスが行なわれるものもあった[6][7]

ほとんどの系統でTEEは1日に1往復から2往復程度であり、早朝に始発駅を出て昼頃に終着駅に着き、逆向きの列車は夕方に発車して深夜に到着するというダイヤが組まれた。これはビジネス客の出張利用を想定し、午後を目的地での仕事に使えるようにしたためであり、昼間を列車の中で過ごすことはあまり想定されていない[5][1]

TEEの利用には各国鉄の一等運賃を合算したものに加え、TEE用の特急料金が必要であった[1][8]。その額は1957年当時では1 kmあたり1.47金サンチーム[注釈 2][9]と定められており、実際にはこれを各国の通貨に換算した料金表が適用された。例えば西ドイツで発券される場合は225 km以下を4ドイツマルクとし、226 kmから275 kmまでは5マルクのように50 kmごとに1マルク加算された[10]。なお、ビジネス客を主な対象としていたこともあり、小人料金の設定はなく、各種の割引制度もほとんどが適用されなかった[11]。ただしユーレイルパスは利用可能であり、この場合、特別料金も不要であった[12]

TEEは一部の国内区間相互発着利用の場合を除いて、基本的に全車指定席であり、利用には予約が必要だった[1]。予約業務のため、列車名や駅名、その他必要な用語について各国共通の電報略号と通信手順が定められていた[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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