TBSラジオ&コミュニケーションズ
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これに対し、個別に民間放送の準備を進めていた「朝日放送」(大阪の朝日放送と同じく朝日新聞社による計画)、「ラジオ日本」(毎日新聞社による計画)、「読売放送」(読売新聞社による計画)、「東京放送」(日本電報通信社による計画)の4社は、原安三郎らの仲介により合同を模索。開局申請を一本化することとし、1951年(昭和26年)1月10日に株式会社ラジオ東京(資本金1億5,000万円)として電波監理委員会に申請書を提出した[3]。同年、12月25日に全国で6番目、東日本初の民間放送局として開局した[注釈 2]。当時の局名はラジオ東京(ラジオとうきょう・社名も同じ)。1955年(昭和30年)テレビジョン放送事業参入の後、1960年(昭和35年)に社名が東京放送(とうきょうほうそう)に、略称がTBSに変更されて以降、ラジオ放送事業はTBSラジオと呼ばれることとなった。

2000年(平成12年)3月21日、東京放送の合理化の一環として、同局のラジオ番組の制作と、広告営業を主とするラジオ事業の現業全般を行う子会社として『株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ』(ティービーエスラジオ アンド コミュニケーションズ、TBS Radio & Communications, Inc. 略称 TBS R&C)が設立され、翌2001年(平成13年)10月1日、東京放送から中波放送の免許(周波数954kHz、コールサインJOKR)を承継し、一般放送事業者(現・民間特定地上基幹放送事業者)に事業転換した。しかし、この時点で既に「TBSラジオ」の名の方が広く浸透していたためにその社名と略称はあまり用いられず、2016年(平成28年)4月1日にその名に揃えて『株式会社TBSラジオ』に社名変更した。以降はTBS Rを略称としているがそれすら同じ理由で全く定着していない[注釈 3]。結局のところ「TBS R&C」「TBS R」共に東京放送→TBSテレビと当社を厳密に区別するためだけに用いられるのが実態であり、東京放送時代からの流れに加えてその運営体系も手伝い、TBSテレビ(ともすればTBSHDも)とひとまとめにされる形で「TBS」と略記される[注釈 4]のが一般的であることは相変わらずのまま現在に至る。

その後、TBSグループの再編があり、東京放送から社名変更した東京放送ホールディングス(TBSHD)傘下に、テレビ放送事業者であるTBSテレビ(当社同様、テレビ番組制作会社から事業転換)と、ラジオ放送事業者である当社が置かれる体制へ移行した。実際はテレビ・ラジオ両社は勿論BS-TBS[注釈 5]TBS放送センター内に本社・演奏所を置く、アナウンサーが後述の理由で3波共通、スタジオも一部共有するなど、実質的には従前のラテ兼営局と同然の運営体系を取っている。それでも会社が別である以上、3社それぞれが日本民間放送連盟の会員となっており、民放連でも「TBSテレビ=地上波テレビ単営」「TBSラジオ=ラジオ単営」「BS-TBS=BSテレビ単営」として扱われている[注釈 6]。なお東京放送時代、ラジオでは時報前などの局名告知の際、「TBS、東京放送です」と言うことが多く、各電波の中でTBSラジオが最も社名を出していた。

広報活動の一環として、TBSラジオ番組パーソナリティのインタビューイベント情報、横浜ベイスターズ情報[注釈 7]番組表などが掲載されたフリーペーパー「TBSラジオPRESS オトビヨリ」(1980年の発行開始から2021年4月までに誌名は「THE954」→「THE954PRESS」→「954press」→ 「TBSラジオPRESS」と変わっている。)を発行(都営地下鉄駅やイトーヨーカドー店舗(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)、TBSハウジングなどで配布)しており、郵送による取り寄せも受け付けている[5]。2018年からは「TBSラジオfam(ファム)」の名称で同誌の配布サービスを行う施設を募集している[6]。2020年2・3月号までは偶数月1回の発行だったが、4月号からは不定期発行となった。過去にはラジオ編成部による直出情報にて構成されたメールマガジン「954プレスメール!」[7]を毎週金曜日に配信していた。また、分社化以前にはTBSテレビで放送終了前に深夜番組の番宣、スペシャルウィークにはそれ以外の時間帯でもプレゼント企画に関する告知CMなどテレビCMを放送したり、『ムー一族』や『ザ・ベストテン』『キャッチアップ』といった番組でTBSテレビのカメラがラジオスタジオへ入る事もしばしば見られたが分社化以後はそのような事は無くなった(テレビの企画でカメラが入るケースは分社化後も稀に見られる)。

ロゴマークは企業ロゴと放送局ロゴで分かれていたが、2020年4月のロゴ変更により統一された。以前の企業ロゴは、グループ共通の「TBS」ロゴの右に「ラジオ」[注釈 8](社名変更前は「RADIO &(改行)COMMUNICATIONS」)と書かれた青色のものであった。導入から2001年までは放送局ロゴも兼ねており、その際は「ラジオ」の右にさらに同じフォントで「954」が付け足されていた。

今後の予定として、広告収入の低迷による設備更新の費用負担や、ワイドFMとの二重投資などを解消するためAM(中波)を停波し、北海道・秋田を除く全国のAM放送を行う民放43社と合わせてFM放送への転換を計画していることを2021年6月15日に発表した。現行の制度ではAM局がFM局に転換することは難しいため、2022年度に法規制の改正を行い、2028年秋の免許更新時にFM放送へ一本化する計画である[8][9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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