T-850
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だがこのモジュールはT-800が単体で送り出される時には自発的な思考能力を抑制するよう学習機能に制限が設けられており、基本的には「読み出しのみ」に設定されている[23]

すなわちT-800は「読み出しのみ」にセットされた状態の個体は感情を持たない無慈悲な戦闘マシーンであるが、学習機能への制限を取り払われた個体は人間の感情をも理解出来るようになる[24]。ただし機械であるため感情を理解できても基本的には自身では持たないため、『T2』や『T3』で自らが破壊される事が分かっていても恐怖で躊躇する様子は見られない。この他『T1』では必要な場合のみを除いて一切言葉を発する事はなかったが、『T2』以降は人間の味方になった個体は人間に関わる事が多いため必然的に話す機会が多くなっており、状況によっては大声を張ったり敵のターミネーターに対しても決め台詞を飛ばしたりする事もある。また自らの力で自壊させることは出来ないようであり、そうすることが必要となった際は他の人間に破壊するよう頼んでいる。『T3』ではケイトを保護したT-850が「死んでしまえ!」と罵倒された際はケイトの命令に必ず従うようプログラミングされていたが「その命令には従えない。」と返している。

思考モジュールは形状的に「(銀色の)二廻り程小さな板チョコ」に良く似ており、表面には四角い突起が整列している[25][26]。1作目のみ68系CPU特有のアセンブリ言語「LDA」「STA」が動作画面に表示されている。なおこの思考モジュールは稼働から長時間が経過してもボディーと比較しても経年劣化が起こりにくいようであり、『ジェニシス』に登場したT-800(守護者)はボディーの動作に問題は生じても視覚センサーなどから得た情報の処理速度は決して遅くなったりはせず、多くの車が通る車道においても車の流れを素早く判断して高速で走り抜けたりしていた。

OSLinuxを使用しており、カーネルのバージョンは「4.1.15-1.1381_SKYN12nnmp」であることが確認できる[27][28]。一方『TG』に登場する個体(後述する刺客)のOSは「SKYSOFT KERNEL 4.92.384.42」であることが再起動時の動作画面から確認できる。
耐久性能

耐久性は大変高く、『T1』劇中にてT-800の説明をするカイル・リースがその強度を「装甲車なみ」とサラ・コナーに語っている。小説『新ターミネーター2』ではグレネードランチャーやRPGをストライクさせれば一撃で破壊可能と言われていたが『T4』のプロトタイプが量産型より耐久性が高かった[要出典](諸説あり)とはいえ、グレネードランチャーをまともに何発も受けても無傷だったことから一撃では倒せないと思われる。爆発耐性も高く、先述の通りグレネードランチャーにも耐えることが出来る。しかし関節部分は他と比べて耐久性が低いので、『T1』でカイルリースが腰の部分に爆弾を入れたときは見事に下半身と上半身が分かれてしまっている。また首の部分は特に弱いのか、T-8XX系統のほとんどは首を切断されて破壊されている。『T2:3D』のT-800(ボブおじさん)の大学のルームメイトであるT-800(やかん頭?)、『T3』のT-850、『TSCC』のT-888(クロマティ)、『T4』のT-800(プロトタイプ)、『TG』のT-800(刺客)などと例をあげたらきりがない。対物ライフルなどの爆発系以外の対物兵器には弱く、『TG』ではT-800(刺客)がサラ・コナーとT-800(守護者)が改造して威力を上げたバレットM82A1でパワーセルや予備電池などの重要機関を貫かれて機能を停止している。また『T1』ではプレス機の圧に耐えられずに潰されているので常に圧がかかるのは苦手なようである。

耐電性も非常に高く、カイル・リースが切断された配電線を押し当ててもエンドスケルトン状態だったにもかかわらず少し痺れた程度で自力で引き剥がし、即座に追跡を再開している(『TG』)。
その他

本来人間の殺害目的で生み出されたため、人体の構造についても詳細にプログラムされている。この事は『T2』劇中でT-1000の攻撃により負傷したサラ・コナーの切創を縫合する際に彼女との会話中で語られる。また『T4』ではマーカス・ライトの弱点が心臓であることを見抜いて攻撃している[29]。当然ながら標的の生命反応の有無を確認するセンサーも搭載されている(『T4』、『ニューフェイト』)。

『T1』では躊躇なく人間を殺害しているが『T2』では人間を負傷させる事はあっても殺害はしていない。ジョンから人間を殺害しないよう命じられて以降、精神病院の看守やSWAT等との戦闘時には死者を出さない程度に怪我をしないように投げ飛ばしたり気絶させる程度の強さで壁に打ち付けたり、足を狙った銃撃などの加減した攻撃を行っている。またジョンからの命令を受ける以前にもバーで襲いかかってきた男の一人を放擲したり、別の男の肩にナイフを刺すなどの攻撃を加えているがいずれも急所を外して攻撃をしており、致命傷は与えていない[30]。しかしこうした判断には融通が利かないところもあるようで、命令された直後にサラのいる病院の正面ゲートの警備員の脚を撃ち、その事でジョンに責められても「死にはしない」と返している。更には『T3』にて登場したT-800の改良型、T-850は負傷すらさせる事なく簡単に人間をいなしてやり過ごしたりする動作を見せている。

あらゆる火器や乗り物などの扱いにも精通し、未来世界のフェイズドプラズマライフルから現代の小火器や対物兵器まで何でも使いこなせる。また『ターミネーターシリーズ』の複数作品の劇中にて車をキー無しで動かす(いわゆるホットワイヤーによる車泥棒)様子を見せている。これは改良型のT-850も含め以降に開発されたターミネーター全てに共通している。

生体組織をまとうT-800の外見は人間と変わらぬ姿に擬態しているが、タイムマシンの関係で過去へタイムトラベルした機体は全裸であり[31]、目立たないよう行動するには現地で自分の体格に合う衣服を確保する必要がある。そのため『T2』以降ではタイムトラベルした直後に遭遇した人間に対して体格測定(SIZE ASSESSMENT)を行い、体格一致(MATCH)した相手の服を奪っている。

閃光弾など強烈な光線を発する兵器を使用されると情報処理機能に一時的な不具合が生じる[32]。また『T1』でカイル・リースにショットガンで近距離からボディを撃たれたり、『T2』でT-1000に投げ飛ばされた時などに見られるようにボディに大きな衝撃を受けたり小さな衝撃でも断続的に受けることで短時間ながら転倒したままの状態となる[33]。小説『新ターミネーター2 最終戦争(上)』においてもジョンがショットガンでT-800を一時的に機能不全にした後、プラズマライフルを鹵獲して止めを刺す描写がある[34]。5作目になる『ジェニシス』では対物ライフル”Barrett M82A1”の狙撃を胸部に受けて機能を停止し、T-1000によってシステムを復旧されてからも同対物ライフルで首を撃たれて切断に至った結果CPUのある頭部と動力源のある胴体の接続を絶たれて完全に機能を停止した。

人間側に捕獲されプログラムを書き換えられた個体でもデータベースに記録された情報についてはプログラムを書き換えられていないスカイネットの指揮下にある個体と同様の様であり、『T2』でジョンを守るべくプログラムを書き換えられて1994年に送り込まれた個体はジョンを発見した際は動作画面にデータベースに記録された情報として「NETFILE 342-589 MISSION PROFILE CONNER. JOHN」と表示されているが、『ニューフェイト』の冒頭でジョンを抹殺するべく送り込まれた個体は1998年にジョンを殺害した際に動作画面に同じ内容の情報が表示されていた。
T-850

T-800の改良型であり、骨格の外見上はT-800と際立った違いはないもののT-800と比べボディの耐久性や知性など全体的な性能そのものが向上している。『ターミネーター3』(以下『T3』と表記)に登場するT-850の生体組織をまとった外見は101型T-800と同一もしくはやや加齢された容貌であり、本タイプと遭遇したジョン・コナーが瞬時に1994年に現れたタイプ(T-800)と同じと認識したほどルックスが瓜二つとなっている。重量は公式設定では約900kgとT-800からは格段に増しており、『T3』の劇中では倒れたT-850が救助隊に発見されて普通の人間と思い動かそうとしたところ、その重量から持ちあがらず「やけに重い」と言われている。

動力源は腹部に内蔵された2基のパワーセル(水素電池)である。また『T3』の劇中においてT-Xプラズマ砲により損傷したパワーセルの一つを走行中の自動車から投げ捨てた際にはセルが小さなビル程度の規模の爆発を起こしてキノコ雲が生じた。


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