T-40_(戦車)
[Wikipedia|▼Menu]

T-40T-40S
この車両は20mm機関砲を搭載している
クビンカ戦車博物館の展示車両
性能諸元
全長4.11 m
全幅2.33 m
全高1.95 m
重量5.9 t
懸架方式トーションバー方式
速度44 km/h
行動距離450 km
主砲12.7mm DShK 機関銃
副武装7.62mm DT 機関銃
装甲砲塔
全周20 mm 上面5 mm
車体
操縦席前面20 mm 車台前面15 mm
側・後面15 mm 上・底面5 mm
エンジンGAZ-202
70 馬力 (52 kW)
乗員2名
テンプレートを表示

T-40は第二次世界大戦におけるソ連水陸両用戦車である。
概要

T-37T-38の運用実績やノモンハン事件での戦訓から、次の偵察軽戦車では装甲を強化することが要求された。実際ソ連の偵察装輪装甲車の装甲厚は最大8mmしかなく、日本軍の重機関銃の7.7mm徹甲弾の集中射撃で撃ち抜かれ、撃破されてしまったからである。

水上走行のため軽量化されたT-37、T-38も同様であり、N.A.アストロフの設計チームは装甲厚を13mmに増強し、重量増加に対しては車体容積を増やして浮力を確保、全くの新型である試作車オブイェークト010(オブイェークトは「物、物体」の意味で、英語の「オブジェクト」に相当する)を開発した。

四輌の試作車が1939年7月に完成。後日二輌が追加され、これらには輸入されたダッジ製やD-5エンジン(76?85馬力)が搭載され、テストされた。この結果、車体長を120mm、幅を50mm拡大、車高は20mm下げて水上での安定性を向上させることとなり、オブイェークト020、T-40の形態が完成した。

1941年6月にドイツ軍の侵攻が開始されると、急遽増産のために水上航行装置を撤去して簡易化され、通常の偵察軽戦車となったT-40Sが翌月から量産に入った。

独ソ戦初期の大損害の穴埋めのために歩兵支援に駆りだされ、モスクワ防衛戦などで武装と装甲の貧弱さゆえに多数が失われて姿を消し、残存車両は訓練用となった。
構成

T-40はそれまでのソ連の水陸両用戦車に比べると大型化されており、車体形状もより通常の軽戦車に近いものとなっているが、水上航行能力を高めるために船形構造の車体を持つ等、基本的な構成は同一である。

足回りは輸入したスウェーデンのランズベルク L-60を参考にソ連の軽戦車としては初めてトーションバー・サスペンションが採用され、水辺での機動性が向上した。1940年10月からの量産型はGAZ-11トラック用の85馬力ガソリンエンジンを搭載していた。

武装は従来の7.62mmDT機銃に加え12.7mmDShK重機関銃が搭載され、近くの軽装甲目標を撃破したり、3,500m先の軟目標に制圧射撃を浴びせることができるようになった。
T-30T-30(オブイェークト030)
クビンカ戦車博物館の展示車両

戦闘機用20mm ShVAK機関砲に強化したオブイェークト030、T-30も試作されたが、これは武装の他には車体後部のスクリュー取り付け部の凹んだ部分が無く、中空構造のプレス製転輪が浮力の無い鋳造製スポーク型に代わっただけで、実質的にはT-40Sの武装強化型でしかなく、偵察用軽戦車としては車体の船形構造を廃して最初から陸上専用型として設計されたT-60が本格的に量産されることとなった。

クビンカ戦車博物館にはT-40SとT-30が現存するが、どちらも武装は20mm ShVAK機関砲となっており、ほとんど同じような戦車であることがわかる。
関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、T-40 (戦車)に関連するメディアがあります。

水陸両用戦車

軽戦車

T-37A

T-38

T-60

特二式内火艇










戦間期戦車
イギリス

ヴィッカース歩兵戦車

18ポンド砲運搬車

中戦車Mk.I

熱帯用軽戦車

インディペンデント重戦車

A3E1豆戦車

カーデン・ロイド豆戦車

中戦車Mk.II

バーチガン

ビッカースC型中戦車

中戦車Mk.III

ヴィッカース・ドラゴン

ヴィッカース 6トン戦車

ヴィッカース水陸両用戦車

軽戦車 Mk.I-V

軽戦車 Mk.VI

A7中戦車

巡航戦車 Mk.I

巡航戦車 Mk.II

歩兵戦車Mk.T

巡航戦車 Mk.III

歩兵戦車Mk.II


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:21 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef