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System-on-a-chip(SOC、SoC)は集積回路の1個のチップ上に、プロセッサコアをはじめ一般的なマイクロコントローラが持つような機能の他、応用目的の機能なども集積し、連携してシステムとして機能するよう設計されている、集積回路製品である。
大容量のDRAMやアナログ回路の混載にはさまざまな難しさやリスクもあり、デメリットもある(後述)ため、DRAMを別チップに集積し、同一パッケージに収めたSiPの形態をとる製品もある。 1970年代中頃のマイクロプロセッサは、集積度がまだ高くなく、いわゆるCPUとしての機能(近年ではコアなどとも呼ばれる)のみを持ち、メモリやパラレルI/O、UARTなどのペリフェラルは別のチップ、別のパッケージのものを利用し、プリント基板にそれらを実装して(あるいは、バックプレーンで接続された個別の基板により)システムを構成していた。 1980年代頃からは、集積度の向上もあって、マイクロプロセッサ周辺の機能を1チップにまとめた、いわゆる「ワンチップマイコン」(マイクロコントローラ)と呼ばれる製品が現れた。 また、顧客の個々の要求に応じた特定の専用回路をマイクロコントローラに付加することで、汎用性は下がるがその用途に対して最適化した製品も作られるようになった。半導体メーカーとしては、チップ単価が高くできる高付加価値商品として、セットメーカー(そのチップを使用する装置のメーカ)は装置全体のコストダウンにつながるとして出荷数の多い装置で採用された。このような製品はASICやカスタムチップと呼ばれていた(CPU機能は外付けで、ペリフェラルや専用回路を1チップ化したものも含む)。 集積化の流れは続き、以下の理由からさらにその流れが加速した。 これらの要件を満たした設計手法およびこの設計手法によって製造された半導体製品をSoCと呼ぶ。 1チップに集積したSoC(ASIC全般)と、複数の単機能LSIを基板に実装した場合との比較を以下に示す。 SoCという言葉が使われだした時期は定かではないが、1994年[1]という情報がある。当時、ASICやマイコン(マイクロコントローラの略称)といった呼び方は陳腐化しており、高付加価値な印象を与える新たな呼び方として注目された。IPコアを用いることを前提にした設計方法が主流になった頃から、SoCという言葉が使われる場面が増えた。当初は System on a Chip(SoC)[注釈 2]の他、System on Silicon(SoS)とも呼ばれていたが、次第にSoCに落ち着いた。 また、SoCに近い意味合いの言葉として、システムLSIという言葉が存在する。
集積度の向上と用途に特化したLSI
集積回路の回路規模が増大 - 半導体製造技術の向上で、従来集積できない規模の複数の回路も1チップに実現可能になった
回路設計方法の高度化 - ハードウェア記述言語を用いEDAツールを使った設計方法により設計効率が向上。半導体プロセスと機能レベルの設計が分離され、機能ブロック単位で再利用しやすくなった(詳細はIPコアを参照)。それまで自社外に公開していなかった回路もIPコアとして流通するようになった。
占有面積の削減 - プリント基板上で複数のICパッケージを個別に実装するよりも小型化が可能。
高速化 - ICパッケージ間のプリント基板上での配線やパッケージのリードなどのインピーダンスやクロストークによる信号の遅延が低減される。チップ内部でPAD[注釈 1]を通さずにバスを接続できるため、遅延が少なくなる。
低消費電力 - 内部で接続することで外部に出す必要がない端子を削減しPAD減らせる事や、省電力技術である「ゲーテッド・クロック」などによるチップ全体での省電力機能を盛り込みやすくなった。
コスト低減 - 基板縮小や実装と検査の簡略化、故障の減少が見込まれ、また量産出来れば、組み込まれた最終製品全体としてはコストが抑えられる。