Sylpheed
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開発者は山本博之 [1][2][3][4][5]
概要

大学在学中にLinuxを使い始めた山本が、実用レベルで使える電子メールクライアントがなかったことを理由として大学4年生のときに開発を始めた[7]。3か月後の2000年(平成12年)1月にバージョン0.1をリリース[7]。Sylpheedの機能はBecky!などの既存の電子メールクライアントを参考に実装された[7]。最初に入社した会社(株式会社グッデイ)やその次の会社(後述するSRA OSS)が開発を全面的に支援していたと述べている[7]

Sylpheedは2000年(平成12年)より、長らくLinuxを中心とするPC-UNIX上で開発され、発展を遂げてきた。バージョン1.0未満から1.0.5までは、GTK1のライブラリを利用して開発されてきたが、1.9.0以降からはGTK2のライブラリを利用するようになり、現在PC-UNIXデスクトップ環境として広く使われているGNOMEとの親和性、アンチエイリアスによるフォント品質の向上などが図られている。ライセンスはGNU GPLを採用している[2]

バージョン1.0.x時代にもGTK2のライブラリを使ったものがあった (sylpheed-gtk2) が、現在は、その成果がSylpheed本家に取り込まれたため、sylpheed-gtk2は開発を終了した。

Windows版については、バージョン1.0未満のバージョンでは別作者によるものがあったが[1]、バージョン2.1.3からは山本によるバージョンが提供されている。正式リリース版としては2.2.0以降となる[2]

2006年(平成18年)9月6日には、SRA OSSがSylpheedの開発を全面的に支援することを発表[3][4][5]。SRA OSSは山本を雇用し、自由にSylpheedの開発ができる環境などを作った[3][4][5]。山本は同社でSylpheedのコアライブラリを独立させたLibSylphプロジェクトに携わることとなる[3][4][5]
特徴

Sylpheedの特徴は、以下の通りである。

3ペイン電子メールクライアント[8]

全面GUIの実装である

PC-UNIX上のGUIソフトウェアとしては、非常に軽い

動作設定が細かく、さまざまなシチュエーションに対応できる

1ファイル1メールのMH形式を採用している[1]。このためメールデータに障害が発生しても対処しやすい

外部フィルタとの連携が可能で、スパムなどの対処がしやすい

国際化対応されており、各種言語によるメールの利用が可能である

バージョン3.5.1からは添付ファイルの自動暗号化機能プラグインがバンドルされるようになった。日本国内でよく利用される添付ファイルをZIPで暗号化して、別なメールでパスワードを知らせる機能がワンタッチで利用できる

名前の由来

風の妖精「Sylph」(シルフ)が由来[7]。風のように軽快で、空気のように自然な動作を、という意味が込められている[7]

「シルフィード」は本来「Sylphid」と綴るべきだが、作者の誤解により「Sylpheed」という名前が採用されてしまった。その後、誤解に気付いたが、すでに多くのディストリビューションによって採用されてしまっており、取り返しがつかなくなったので、そのままになったという。
バージョン履歴

2000年1月1日 - バージョン0.1.0 αがリリースされる

2004年12月24日 - バージョン1.0.0がリリースされる
[1]

2005年7月29日 - バージョン2.0.0がリリースされる

2006年2月14日 - バージョン2.2.0がリリースされる[2]。このバージョンからMicrosoft Windows版が正式にリリースされた[2]

2006年12月24日 - バージョン2.3.0がリリースされる

2007年4月20日 - バージョン2.4.0がリリースされる

2008年6月17日 - バージョン2.5.0がリリースされる

2008年12月19日 - バージョン2.6.0がリリースされる

2009年7月21日 - バージョン2.7.0がリリースされる

2010年2月24日 - バージョン3.0.0がリリースされる

2011年1月31日 - バージョン3.1.0がリリースされる

2012年6月29日 - バージョン3.2.0がリリースされる

2012年11月9日 - バージョン3.3.0がリリースされる

2014年3月31日 - バージョン3.4.0がリリースされる

2016年1月25日 - バージョン3.5.0がリリースされる

2016年7月29日 - バージョン3.5.1がリリースされる

2017年6月29日 - バージョン3.6.0がリリースされる

2018年1月31日 - バージョン3.7.0がリリースされる

Claws Mail

Paul Manganらによって、SylpheedからフォークしたClaws Mailがある[注釈 1]。フォーク当時のSylpheedにない機能を独自に追加している。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ フォーク当初の名称は「Sylpheed Claws」。後に「Claws Mail」と改名。

出典^ a b c d e 高橋信頼=IT Pro (2004年12月25日). “国産オープンソース・メール・クライアントSylpheed 1.0が正式リリース:ITpro”. ITPro. 2009年2月27日閲覧。
^ a b c d e f g h 海上忍 (2006年2月14日). “メールクライアント「Sylpheed 2.2.0」リリース - Windowsに正式対応 。エンタープライズ 。マイコミジャーナル”. マイコミジャーナル. 2009年2月27日閲覧。
^ a b c d e 西尾泰三 (2006年9月6日). “ITmedia エンタープライズ:SRA OSS、Sylpheedの開発を全面的に支援”. ITmedia. 2009年2月27日閲覧。
^ a b c d e 山形直子 (2006年9月6日). “ ⇒SRA OSS、Sylpheed 開発者を雇用、LibSylph プロジェクトを開始 - japan.internet.com LinuxToday”. Jupitermedia Corporation. 2009年2月27日閲覧。
^ a b c d e 目黒譲二 (2006年9月7日). “国産OSSメールクライアント「Sylpheed」の開発をSRA OSSが支援:ニュース - CNET Japan”. CNET Japan. 2009年2月27日閲覧。
^ ソフトウェア同梱の「ChangeLog-1.0」
^ a b c d e f 高橋マサシ (2006年12月20日). “ ⇒山本博之@Sylpheedは、同人に走っていた/Tech総研”. Tech総研. 2009年2月27日閲覧。
^ 長谷川正太郎 (2008年6月18日). “窓の杜 - 【NEWS】メールソフト「Sylpheed」v2.5.0にファイルの添付し忘れ防止機能が追加”. 窓の杜. 2009年2月27日閲覧。

外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル FLOSSウィキメディア・コモンズには、Sylpheedに関連するメディアがあります。


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