Steam
[Wikipedia|▼Menu]
2010年5月12日より、Valve社のゲームエンジン、Source Engineの対応と合わせ、Mac版のSteamが利用可能になった。立ち上げに併せ、Source Engineを用いたValve作品の代表作であるHalf-Life 2シリーズ、Left 4 Deadシリーズ、『Counter-Strike』などがラインナップに上がったほか、『Team Fortress 2』も一足遅れて対応となった。順次独立系開発会社の製品も多くがMac対応版をリリースした。Mac向けのSteamはすべてのSteamworks APIをサポートしており、さらに「Steam Play」という新機能により、Windows版、Mac版どちらかの同製品を購入したユーザーは、同一のライセンス・一本分の値段で複数のプラットフォーム・バージョンをもプレイすることが可能となった。またMac版は一部ローカライズされている部分が欠落されており、メニュー等が一部英語になっている。Mac版におけるチャット等の日本語入力においては不安定であり「こんにちは」と入力し確定すると「こここここ」など最初の文字だけになったり、「こんにちはこんにちは」と二重になる場合がある。

macOS Catalina以降は32ビットのアプリケーションが動作しなくなったため、一部のゲームが動作不可となっている[19]。ただし対処法としてmacOS Mojave以前のバージョンを使用するか、Boot Campを使用するか、Steam Playを使用するなどがある。
ソフトウェア配信システムの変遷

2012年、Valve SoftwareはSteam Greenlightというシステムを開始した。このシステムは、ゲームソフトの開発者がゲームのアイデアを発表し、ユーザーがSteamで購入する価値があるかどうかを投票で決めるものである。

このサービスは100ドルの申請料を払いさえすれば誰でも投稿できるというシステムであったため、フェイクゲーム(ゲームとして成り立たないようなプログラム)の投稿をする者がいることが問題視されていた[20]

2017年2月11日、ValveはSteam Greenlightを将来的に廃止することを決定し、フェイクゲーム対策を施した後継システムであるSteam Directを同年春に運用する予定であることを発表した[21]

2017年6月6日、Greenlightの運用が廃止され、新規のGreenlightアイテムの登録及びユーザからの投票が凍結された。同日、Steam Directの正式運用が6月13日から開始されることが発表された。Steam DirectではGreenlight同様にリリース申請のため開発者は100ドルの料金を納めることになる。ただし、これまでにSteamで活動していなかった新規の開発者には、料金支払後の約1ヶ月間は審査期間となりその間はソフトウェアをリリースできない。また、リリース予定日の数週間前までに「近日公開」ページをSteamに登録しなければならない。Steam Directでリリースされたソフトウェアの売り上げが1000ドルに達した時点で、最初に支払った100ドルは返金されるとしている[22]
Steamの機能・利点
アカウント統合型のダウンロード購入システム

ユーザはSteamストアを利用してゲームを購入することができる。パッケージやゲームディスク、CDキー(シリアル番号)すら使わず、購入したソフトウェアは直ちにユーザのSteamアカウントのライブラリへ追加され、利用できるようになる(アカウント登録は無料)。ゲームを購入した後は、ユーザはSteamを通してどのPCからでもゲームをダウンロードし、プレイすることが可能となる[注釈 1]

また、SteamはCDキーによるゲームのアクティベーションに対応しており、Steamストア以外の小売店で購入したゲームをライブラリに追加することが可能となっている。小売店としても在庫コストがかからない「CDキーのみ」の販売とした方がメリットが大きく、海外のゲーム販売サイトはほとんどがSteamに登録できるCDキーのみを販売するという形態が取られている。
ユーザビリティ

ユーザが所持するゲームはSteamクライアント上のライブラリと呼ばれるタブにリスト表示されており、初めてプレイする際にはここからインストールを選ぶとダウンロードのプロセスが開始される。この時、もしゲームに複数のバージョン(64ビット版・32ビット版など)や対応言語がある場合は、Steamがコンピュータの環境(ハードウェアソフトウェア)を調べた上で、自動的に適切なバージョンが選択される。例えば、複数の言語でリリースされている中で日本語のデータが含まれ、かつSteamクライアントが日本語に設定されていれば、インストールされるゲームも自動的に日本語版となる[注釈 2]

Steamはゲームを自動で更新する機能も備えている。元来、PCゲームではゲームの不都合などがパッチで修正可能な場合、当該のパッチをメーカーの公式サイトもしくはサードパーティのミラーサイトからダウンロードし、手動でインストールする必要があった。公式サイトが既に閉鎖された古いゲームや、段階的に適用しなければならないパッチが継続的にリリースされているようなゲームでは、再インストールの際にバージョンを最新にすることが困難になる。Steamでは、インストールされているゲームが最新の状態であるか、オンライン時に常に確認するシステムになっており、更新があればSteamのダウンロードサーバから自動的にダウンロードが始まり、修正が適用される。これらは全てバックグラウンドで全自動で行われるようになっており、ユーザは煩雑な手間抜きに常に最新のバージョンでゲームをプレイすることができる。

さらに、Steamクラウドと呼ばれるクラウド機能に対応したゲーム(『Left 4 Dead』など)では、キーボードやマウスなどの各種設定、マルチプレイで使用する自キャラクターのスキン、シングルプレイでの進捗状況やセーブファイルなどの個人的なデータをSteam側で保存、管理してくれる。これにより、ネットカフェやサブPCなど異なる環境でプレイする際も、それまでの遊び慣れたセッティングでそのままプレイすることが可能となっている。対応しているゲームであれば、この機能はMac版とWindows版の間でも有効になっている。

Steam対応ゲームではオーバーレイ表示機能が標準で付加されており、ゲーム中いつでも呼び出して(デフォルトでは Shift+Tab )後述するSteamコミュニティの利用や、実績の進捗状況などを確認することができる。

また、Steamクライアントには標準でフレンド間で利用できるインスタントメッセンジャー機能、そしてボイスチャット機能が搭載されており、ゲーム側でボイスチャットに対応していないゲームをフレンドとプレイする際などはこれを利用して容易にコミュニケーションを取ることが可能である。

2011年の2月からはスクリーンショット機能がSteamクライアントに搭載され、ゲームそのものが対応していない場合でもSteamのオーバーレイ機能を通してスクリーンショットの撮影が可能となった。

キャプチャした画像は自分のSteamアカウントにアップロードし、それについてフレンド間でコメントをつけたり、そのままTwitterなどに転載することも可能だが、この機能は現在DirectX 8以前のゲームには対応していない。
ゲームプレイ関連機能

SteamにはValve Anti-Cheat(VAC)というValveによるチート行為対策の機能が盛り込まれている。VACに対応したマルチプレイヤーゲームにおいてはValveは厳しい監視をしている。チート行為を行ったとされたユーザのアカウントは、ユーザの保有するあらゆるVAC対応マルチプレイヤーゲームからバン(BAN; 締め出し)され、基本的にいかなる理由があってもバンの処分は取り消されることはない[23]

また、Steamは、独自の実績(アチーブメント)システムも有している。これにより、ゲームの進捗具合を確認できるほか、ユニークな実績を達成するためのさらなるやり込み要素をゲームに付加している。

Steamのクライアントインターフェイスは一部ゲームエンジンを使用したModゲームもサポートしている。購入したゲームと同様、インストールしたModはゲームの一覧のリストにアイコンと共に表示され、そこから起動できるようになっている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:67 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef