プログラマブルロジックデバイスへの応用は、SRAMの高速動作を利用したものであり、記憶セルの状態によってマトリクス状の配線を接続・切断することにより、ゲートアレイとして機能させる。プログラマブルロジックデバイスの一種であるFPGAは、配線だけでなく論理セルの構造もSRAMによるLUT(ルックアップテーブル)で構成されているものもある。 産業システム、科学技術システム、自動車の車載エレクトロニクスなどによく遣われている。最近の電子機器や電子玩具には、ある程度の量(数KBかそれ以下)のSRAMがほとんど必ず搭載されている。デジタルカメラや携帯電話、シンセサイザーなどの複雑な製品には数MBのSRAMが搭載されている。 デュアルポート型のSRAMは、リアルタイム方式のデジタル信号処理回路に使われることもある[要出典]。 SRAMは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ルーター、その他周辺機器にも使われている。CPU内蔵のキャッシュメモリ、外付けのバーストモードのSRAMキャッシュ、ハードディスクドライブのバッファ、ルーターのバッファなどである。液晶ディスプレイやプリンターも表示(印刷)する画像を保持するのにSRAMを使っていることが多い。CD-ROMドライブやCD-RWドライブでも256KB程度のバッファをSRAMで構成しており、ブロック単位でデータをバッファリングするのに使っている。同様にケーブルモデムなどの機器もSRAMをバッファとして使っている[要出典]。 インタフェースが単純ということで趣味でデジタル回路を作る際にはSRAMが好まれることが多い。DRAMに比べてリフレッシュサイクルがなく、アドレスバスとデータバスを多重化せずに直接アクセスでき、回路設計が単純である。バスや電源供給以外にSRAMが必要とする制御は Chip Enable (CE)、Write Enable (WE)、Output Enable (OE) の3種類だけである。同期SRAMでは Clock (CLK) も必要となる[要出典]。 nvSRAM 非同期SRAMは4Kbから32Mbのものがある。アクセス速度が高速であるため、キャッシュを持たない組み込みプロセッサの主記憶装置としてよく使われており、パワーエレクトロニクスなどの制御装置(自動車の車載エレクトロニクスなど)、計測システム(ICテスタ)、ハードディスクドライブ、ネットワーク機器(スイッチ、ルーター、IP電話、DSLAM)など様々な機器に使われている。
組み込み用途
コンピュータにおける用途
趣味
種類
nvSRAM
非同期SRAM
トランジスタの種類による分類
バイポーラトランジスタ - TTLやECLで使用。非常に高速だが消費電力が大きい。
MOSFET - CMOSで使用。低消費電力であり、今日の主流である。
機能による分類
非同期 - クロック信号とは独立しており、アドレスの変化によってデータの読み書きを制御する。
同期 - クロック信号の変わり目(エッジ)を全てのタイミングに使用する。アドレス、データ、その他の制御信号も全てクロックに同期している。
特徴による分類
ZBT (zero bus turnaround) - ターンアラウンドとは、SRAMが「書き込み」から「読み取り」に遷移するときなどにかかるクロック数である。ZBT SRAMではこのターンアラウンドまたはレイテンシがゼロとなっている。
syncBurst - 同期バースト書き込みアクセスが可能なSRAM。書き込み速度が向上する。
DDR SRAM - 同期式、単一読み書きポートで、入出力がDDR(ダブルデータレート)となっているSRAM。
QDR SRAM - 同期式、読み取りポートと書き込みポートが独立しており、入出力がQDR(クアドラプルデータレート)となっているSRAM。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ そのような動作モードを設計としてハードウェア的に持っている製品もある。
出典^ Sergei Skorobogatov (June 2002). ⇒Low temperature data remanence in static RAM. University of Cambridge, Computer Laboratory. ⇒http://www.cl.cam.ac.uk/techreports/UCAM-CL-TR-536.html 2008年2月27日閲覧。.
^ ⇒A 160 mV Robust Schmitt Trigger Based Subthreshold SRAM
^ United States Patent 6975532: ⇒Quasi-static random access memory
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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