Small_Computer_System_Interface
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Small Computer System Interface(スモールコンピュータシステムインタフェース、小型計算機システムインタフェース)、略してSCSI (スカジー)は、主に周辺機器コンピュータなどのハードウェア間のデータのやりとりを行うインタフェース規格の一つである。SCSIを使用可能にするインタフェース装置をSCSIインタフェースと呼ぶ。ANSI(米国規格協会)によって規格化されている。目次

1 歴史

2 概要

2.1 SCSIバスの基本

2.2 SCSI装置の区分

2.3 SCSIのバス幅


3 規格

3.1 規格の基本

3.2 コネクタ

3.3 ターミネータ


4 SCSI機器の動向

5 補足

6 脚注

7 関連項目

8 外部リンク

歴史

パソコンワークステーション周辺機器との接続インタフェースとして、シュガートのSASI (Shugart Associates System Interface) を拡張し、ANSIによって規格化されたバス型のインタフェースである。8ビットまたは16ビットパラレルインタフェース。Ultra SCSIではシリアル型もある。後述の大型のコネクタ・バス等は近年その役目を終えたが、SCSI規格自体は物理的な仕様のみならずデバイス間の通信プロトコルも規定している。実際に現在普及している高速規格であるATASATAUSBIEEE 1394ファイバチャネル上ではSCSIコマンドが未だにやり取りされている。
概要
SCSIバスの基本

SCSIバスは、周辺機器を接続するインタフェースではあるが、コンピュータと周辺機器という、主従関係ではなく、各機器が対等の動作をすることを基本として設計されている。入出力要求を行なう要求を出す機器(イニシエータ)から実際の動作を受ける機器(ターゲット)に対して指示を行ない、その結果を返す、という形で動作する。

一般には、インタフェース1台に複数のSCSI機器を接続するものであると認識されているが、実際には複数台のパソコンで1台のディスクを共有するなどの構成も可能な仕組みになっている。すなわち、イニシエータは1つのバス上に複数の機器が存在してもよい。しかし、実際には、コンピュータがバス上の唯一のイニシエータで、各周辺機器(ディスクやテープ装置など)はターゲットとしてのみ動くのが普通である。 SCSIの概要

図中、SCSIバスから各機器のコントローラやホストバスアダプタまでの接続線をスタブと呼称し、規格上は各々の機器につき15cmまでが許容されている。また、SCSIバス上での機器の間隔は25cm以上が推奨されている。

SCSIはバス形式ではあるが、各機器を数珠つなぎで繋いでいくため、ヒナギクの花輪になぞらえ「デイジーチェーン接続」とも言われる。各機器は1つのSCSIバスに接続しなければならない。また、バスの両端には信号の反射を防ぐため、ターミネータを接続しなければならない。なお、ターミネータは、必ずしもバス終端に接続されるわけではなく、ホストバスアダプタやSCSI機器に内蔵される場合もある。

SCSIバスに接続する各機器はSCSIデバイスと呼ばれる。各々0から7(または15)までの番号で区別される。この番号のことをSCSI IDという。通常、SCSI機器は各々、明示的にSCSI IDを設定しなければならないが、SCAMという拡張仕様を用いることで、自動的に設定することも可能である。

SCSI IDは、7→0、15→8の順にバス使用優先権が割り振られるため、コントローラのIDは7に、処理が遅くバスを頻繁に開放する機器(テープドライブCD-ROM等)に優先順位の高い番号を割り当てる。

また、各々のSCSIデバイスは、さらにユニットを8つまで持つことができる。これをロジカルユニットという。各ロジカルユニットには番号がつけられる。この番号のことをLUN (Logical Unit Number) という。ロジカルユニットは、1つのデバイスで複数の媒体を持つことができる多連装CD-ROM装置や、ディスクアレイ装置、多連装テープ装置などで使われる。

注)ディスクアレイ装置の場合、LUNではなく、RAIDコントローラを介して内部に別のSCSIバスを用意しそこにHDDを接続する実装が殆どである。

もっとも、一般向けの機器でこれを用いているのはPDDVD-RAM、多連装CD-ROMドライブ程度であるため通常の使用においてはまず気にする必要は無い。
SCSI装置の区分

SCSI装置はいくつかの種類ごとにカテゴリ分けされる。たとえば、ディスク装置、テープ装置などであり、それぞれのカテゴリごとに利用できるコマンド類が定義される。これは、ディスクはランダムアクセスできるが、テープはシーケンシャルアクセスしかできないため、ランダムアクセスのコマンドは定義しようにもできないからである。
SCSIのバス幅

並列(パラレル)SCSIでは、8ビット幅 (NARROW) では50芯、16ビット幅 (WIDE) では68芯のケーブルを用い、各機器をバス接続する。バスの両端には終端抵抗(ターミネータ)が必要である。NARROWでは8台、WIDEでは16台のSCSI機器を接続できる。ただしインタフェースボードがIDを一つ消費するので、実際に接続可能な機器はNARROWで7台、WIDEで15台となる。

なお、SCSI-2の16/32ビットWIDEはNARROWにケーブルをもう1本追加するものであったためまったく普及せず、Ultra SCSIで廃止され、新たに16bit WIDEが規定された。通常、WIDEといえばUltra SCSIの16bit WIDEを指す。
規格
規格の基本 アダプテック製SCSI-2インタフェースボード バッファローPCカード形SCSI-2インタフェース

SCSIは何度か規格を更新し、速度の向上や機能の追加が行われている。
SCSI-1
1986年にANSIにて制定された最初の規格。HVD(電圧差動型)もこの時点で制定されている。
CCS (Common Command Set)
SCSI-1制定後、色々と開発されたHDD以外の製品などの制御方式を統一するために業界が制定したコマンドセット。ANSIとは無関係である。
SCSI-2
1989年にANSIで制定。CCSをベースに、Fast10、16bit/32bit WIDE(要オプションケーブル)、ケーブル、ターミネータの抵抗値、コネクタ形状、パリティの必須化、記憶装置以外の周辺機器(モデムスキャナ等)の接続機能等が規格化された。
Ultra SCSI
1992年にANSIで制定。WIDEの再定義、シリアルSCSI、Fast20等、包括的に様々な仕様が定義された。これ以降の機能追加 (Ultra2、U160、U320) はUltra SCSIの改訂と言う形で行われている。

SCSI-1や2という規格名より、Narrow SCSI、Fast SCSI、Wide SCSIなどという名称のほうが一般的である。またUltra SCSIの事をSCSI-2の次の規格のためSCSI-3だと良く勘違いされるが、実際にはSCSI-3という規格は存在せずUltra SCSIというのが規格の正式な名称である。

SCSIには、転送速度やバス幅以外にも電圧、伝送方式による違いがあり、現状、SE(シングルエンド)、HVD(ハイボルテージディファレンシャル)、LVD(低電圧差動型:ローボルテージディファレンシャル)の3種類の機器が流通している。SEとLVDに関してはピン互換性があり、また、電気的に相互に接続する事が可能となるよう設計されているが、HVDについては、電気的互換性が考慮されていないため、誤って接続すると機器の故障の原因となるので注意を要する。

規格一覧規格群規格省略形周波数速度
(MB/s)バス幅最大バス長備考
LVDSEHVD
SCSI-1SCSI5MHz58bit6m25m一般には単に「SCSI」と言えばこの規格
SCSI-2Fast1010MHz108bit3m25mFastSCSI
SCSI-210MHz2016bit3m25mFastWideSCSI
SCSI-210MHz4032bit3m25m32bit FastWideSCSI
Ultra SCSIUltra/Fast20U20MHz208bit1.5m25mUltraSCSI 3台以下の場合SEで3m
Ultra SCSIUltra WideUW20MHz4016bit1.5m25mWide Ultra SCSI
Ultra SCSIUltra2U240MHz408bit12m1台のみの場合25m 通常はU2Wが使われる
Ultra SCSIWide Ultra2U2W40MHz8016bit12m
Ultra SCSIUltra160U16040MHz DDR16016bit12mUltra3 SCSI ドメインバリデーションを追加
Ultra SCSIUltra320U32080MHz DDR32016bit12m現行規格
Ultra SCSIUltra640U640160MHz DDR64016bit12mSE機器の接続は保証されない。廃案
Ultra SCSIUltra1280160MHz PAM-41280実験及び一部仕様の策定
Ultra SCSIUltra2560、Ultra5120ロードマップのみ存在
Ultra SCSIUltra327680将来の展望としてここまで考えられていた  (半ば冗談とも)

また、パラレルSCSIの開発はU640(製品化はU320まで)で終了し、次世代のSCSIはシリアル (Serial Attached SCSI, SAS) で一本化される事になっている。
コネクタ 50pinケーブル


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