Share_(ソフトウェア)
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Share開発元村長 (ファイル倉庫NT56s0tGbv)

最新版Ver1.0 EX2 / 2006年4月1日
対応OSWindows 2000/XP/Vista/7
種別ファイル共有ソフト
ライセンスフリーウェア
公式サイト ⇒Edition (Freenet0.5上)
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Share UDP
最新版Ver1.0 NT5 / 2005年3月30日
種別ファイル共有ソフト
ライセンスフリーウェア
公式サイト ⇒Edition (Freenet0.5上)
テンプレートを表示
アイコンは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の「笑い男」を使用している。

Share(シェア しゃれ、洒落)とは、Windows 2000/XP/Vista/7上で動作するファイル共有ソフトである。
概要

ネットワークの仕組みにピュアP2Pを採用し、匿名性を保ったままファイルの共有を行うソフトである。2ちゃんねるを発祥としている。事前にファイルをキャッシュと呼ばれるデータに変換を行い、それを事前に確保したキャッシュ領域に保存しておき、各ノードのキャッシュ同士を交換することで効率の良いファイル共有を実現させている。

現在はキャッシュからファイルをアップロードしているいわゆる一次放流者のIPアドレスを、専門の解析ソフトウェアを通して特定することができるようになっている。類似のソフトウェアにWinnyperfect darkがある。

現在Shareには、通信にTCP/IPを使用した通常版と、UDP/IPを使用したUDP版が存在する。両者は基本的に同じであるが、ネットワーク・設定ファイルに互換性は無い。UDP版は若干古い通常版をベースにしているためプラグインの互換性に難がある。

多言語に対応しており言語ファイルの交換も容易であるため、海外の有志により各国語の言語ファイルが作成されている。

基本的に最新版はShareネットワーク内でのみ公開されるが、Winny等の他のP2Pネットワークにも存在し、また一部のウェブサイトでも配布されていた。

Winnyと同様、ウイルス感染者によるShareネットワークへの情報漏洩が社会問題となりつつある。詳細については、Winnyの項も参照。

主要ファイル共有ソフトとの比較ShareWinnyLimeWireStealthNet
バージョン1.0 ex2
(2006/4/1)2.0 β7.1
(2003/11/11)4.12.11
(2007/2/2 ?)0.8.7.9
(2011/3/13)
動作
プラットフォームWindows 2000/XP/Vista/7Windows 95 以降Java が動作するシステム.NET 2.0以降/Mono
日本国内シェア [1]11.8%33.3%19.8%?
最大
ファイルサイズ32GB2GB4GB?4GB
NAT, ファイアウォール越え難 (要ポート開放設定)易 (ポート0モード)易 (UPnP / UDP Hole Punching搭載)難
匿名性確保の方法拡散アップロード転送の中継無し転送の100%中継
開発作者(村長)金子 勇(47氏)Lime Wire LLCLars Regensburger
開発開始2002/4/12001/1 以前
開発方針Winnyの後継匿名性と効率の両立効率的な共有完全な匿名性確保





クプロトコル独自独自GnutellaRShare
概要ファイル検索用接続とファイル転送用接続に分かれている。
検索用接続は常時、転送用接続は必要に応じて行われる。一律だが通信形式は確認できない仕様。
通信確認、検索接続は常時。
転送接続は必要に応じて行われる。
トポロジーメッシュ階層付メッシュメッシュメッシュ
転送時に条件が整った場合はその転送に限り条件付きでスター
繋ぎ換え
頻度頻繁時々かなり少なめかなり少なめ
クラスタ
構築キーワード(最大5つ)
ノード優先度キーワード(最大3つ)
ノード優先度無し無し
暗号方式RSA+RC6RC4TLSRSA1024bit AES128bit (Rijndael)

索ファイル情報
の収集・拡散隣接ノードと交換・選別上流ノードに集約何もしない。
ファイル情報
の検索自身のノード内から検索上流ノードにクエリを送信周辺ノードにクエリを送信
不完全な
ファイルの情報公開非公開(スワムダウンロード用断片ソースとしては公開)

送概要ファイルからキャッシュに変換しながら、
あるいはキャッシュをそのまま転送。ファイルをそのまま転送。
接続保持側から要求側に接続要求側から保持側に接続
最小単位1MB64KB1B
ファイル提供者
の匿名性解析可能
(Retina Sharebot等)解析可能
(Poeny、Nyzilla等)なし解析不可能(現実的方法では)
通信内容
の秘匿性傍受可能(プロトコルに脆弱性あり)?傍受不可能(現実的方法では)

特徴

Winnyを意識して作られている為、Winnyと同様ないし酷似している部分が多い。一方Winnyに対して主に以下の改良点・変更点がある。
拡散アップロード機能
ファイル保持ノードが適当に選んだ相手に対して能動的にアップロードを行うため、監視ノードがファイル保持ノードと狙って接続しにくくする効果があり、匿名性を確保している。Shareは拡散アップロードに関しては一定確率で中継も行い、流通能力の向上と匿名性の強化を図っている。また、充分な拡散アップロードを行った後であれば、一次配布ノードがShareネットワークに接続していなくてもファイルは流通するため、一次配布ノードの負担を減らす効果がある。一次配布は基本的に拡散アップロードで行われる。
専用プラグインによる拡張性
多数のプラグインが開発されているため、さまざまな機能を追加することができる。Shareが抱える欠点や問題点をカバーするために少なくともDiffusionProClone, RegExpFilter, NoSpam等の導入が推奨される。プラグインの開発はSharePDKと呼ばれるプラグイン開発キットを使用し
Delphiで開発する。
クラスタの簡易切り替え機能
最大5個のクラスタ・キーワードを使用可能で、専用メニューを利用して事前に登録した最大255個のキーワードから選択できる。クラスタ・キーワードの一括切り替えを行うプラグイン(ClusterChanger)も存在する。
キャッシュ領域の容量制限に対応
任意の容量(但し最低4GiB以上)に制限できるためHDDを使い切る心配が無い。また、必要性の少ないファイルから自動的に削除されるため、管理の手間が省ける。手動で管理したい場合は密告を利用する。
大容量のファイルに対応
最大32GiBまでのファイルに対応している。
Unicodeに対応している
内部では文字列をUTF-16で管理している。そのため、異なる言語が混ざったファイル名も問題なく扱え、またローカライズのしやすさに繋がっている。ただし、Share本体はUnicodeに対応しているが、プラグインがUnicodeに対応しているとは限らない点は注意を要する。
暗号・署名の強化
暗号・署名に関する処理についてはWinnyより丁寧に実装されている。ShareのIDは、IDシステムを現在のものに一新して以来、今のところ偽装の被害は報告されていない。尚、通信の暗号化は本質的には匿名性の向上の効果が無いことが後に示されている。
バージョンアップ告知
新しいバージョンのノードは古いバージョンのノードに対してバージョンアップ告知を送ることができる。Shareでは加えて、指定より古いバージョンのノードを一定時間後に終了させることができ、古いバージョンのノードがいつまでもShareネットワークに残ることを防いでいる。この機能はクラックされるとP2Pネットワークが壊滅させられる恐れがあるため、Winnyではあえて搭載されなかった。
クラック対策
クラック対策の一環としてメモリ上のプログラム本体及びデータを検査しており、ハードウェアの異常でメモリ上のデータが化けた場合でも終了してしまう。そのため、Shareを動作させるパソコンは安定性が高いことが求められる一方、潜在的な不具合を発見できる利点もある。
フィルタ機能
条件に当てはまるファイルを表示しないようにするだけではなく、Shareでは加えて、条件に当てはまるクラスタ・キーワードを持つノードとの接続を拒否する。また、条件に当てはまるファイルについて、他のノードからの拡散アップロードも拒否する。Winnyより弱体化している点もあり、「捏造警告」は他のノードに知らせるだけで該当ファイルの流通に影響を与えない他、「キーを削除」や「捏造警告を追加」を指定してフィルタを行っても該当ファイルのキャッシュは削除されない、そもそも「キーを削除」や「捏造警告を追加」は自身がキャッシュを持っているファイルに対しては無効、という違いがある。
BBS機能を持たない
Winnyでは重点が置かれていたが、ShareではBBS機能を持たない。過去にプラグイン(ShareNNTP)でShareにニュースグループ機能を追加する試みはあった。
ポート0モードを持たない
ルーターの設定変更が必須であるためハードルは高い。UPnPで自動設定を行うプラグイン(UPnP)は存在するが確実ではない。ポート0モードの実装は多くの手間が掛かる割に、共有効率や匿名性に貢献せず足を引っ張る傾向にあるためサポートされなかったと見られる。
二次配布の時にファイル転送は中継しない
二次配布の時にファイル転送の中継は行わない代わりに拡散アップロードで匿名性の確保を行う。尚、拡散アップロードの時には中継を行う。
クエリの送信の廃止
Shareは元々は、「検索」ボタンを押すと周辺ノードに「クエリ」を送信してファイル情報を探す仕様であった。しかしShareは、Winnyの様にネットワークを階層化していないため、クエリの送信はネットワークにとって大きな負担となっていた。このため Ver1.0 A77 で廃止された。この仕様の変更により、目的のファイル情報が自身のノードに辿りつくのを待つしかなくなったため、クラスタ・キーワードやトリガの設定が重要となった。

ファイルについて需要が多ければ多いほど流通が早くなるのはWinnyと同様である。

Shareは全体的に見て一次配布者側が有利な作りとなっている。

Shareはネットワークにおいて、ファイル要求側は受動的に、ファイル保持側は能動的に振る舞う。これは、Winnyなどの他のファイル共有ソフトとは逆になっている。
素早い流通

Shareは、Winnyと比較して一次配布開始からファイルが流通する速度が早い傾向に有る。

これは、Winnyが完全なファイル以外はアップロードしないのに対し、Shareはファイルの一部を受け取った時点でアップロードに参加するため二次配布が早めに開始されるためである。


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